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ビクター、DVD並みコストでBD-ROM原盤製造を可能にする新技術

公開日 2004/08/11 17:45
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●日本ビクター(株)は、DVD原盤と同等のコストで再生専用ブルーレイディスク(BD-ROM)原盤の製造を実現する、独自の「拡張DUV(Deep UV)マスタリングシステム(仮称)」を開発した。

BD-ROMは、再生専用のブルーレイディスク規格として、ブルーレイディスクファウンダーズ(BDF)によって現在審議されているもの。

これまでBD-ROM原盤を製造するには、レーザービームより細い電子ビームや、真空中で作製する特殊な材料と光学系など、高価なシステムを用いる必要があり、製造コストがDVDと比べて大幅に割高になると言われていた。

この「拡張DUVマスタリングシステム(仮称)」では、DVDと同じくレーザービームで原盤製造を行う。レーザーの中でも遠紫外線の波長を使用し、ビーム照射機構の移動ユニットを高精度化することで高密度記録を実現した。

「拡張DUVマスタリングシステム(仮称)」の構成図

光ディスクに使用する光の波長

また、微小なピット(信号を記録する凹凸)形成時に、独自の手法で信号を強め、鮮明なピット形状形成を可能にする「2Tブースト(記録補償)回路」を開発した。これにより再生信号品質であるジッター値が3%ダウンする。

「ダイレクトフォーカスサーボユニット」の効果。ディスク原盤の高さ変動が1/10以下に改善

新開発の高解像度レジスト(右)を従来のものと比較。レジストをBD用に新規開発することによってピットエッジ粗さが改善

また、原盤材料に新規開発の高解像度レジスト(感光性高分子樹脂)を採用し、最短ピットの解像性が向上するとともに、ピットエッジの粗さが減少し、ノイズを大幅に低減する。この材料は、真空装置を使わずに、回転塗布で作製できるので、DVDの製造装置をそのまま利用できる。

これらの技術により、DVD原盤製造装置に、レーザー発振器の交換など若干の変換を施すだけで、BD-ROMへの対応が可能になった。追加コストが低く抑えられるため、量産時にはDVD原盤と同等のコストでBD-ROM原盤を生産できる。

【問い合わせ先】
日本ビクター(株) 
広報室
TEL/03-3289-2813

(Phile-web編集部)

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