「音の匠」3名と「音の匠特別功労賞」1名

日本オーディオ協会がアンティークオルゴール関係者4氏を「音の匠」として顕彰

2009/12/03 Phile-web編集部
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(社)日本オーディオ協会は、「音の日」の記念行事のひとつとして、1996年より音を通じて文化や生活に貢献した人々を「音の匠」として顕彰する活動を行っている。同協会では第14回「音の匠」および「音の匠特別功労賞」に下記4氏を選出し、本日、都内にて顕彰式を開催した。

■「音の匠」
・井上正二郎 氏(「オルゴールの小さな博物館」メカニック担当)
・大谷勲 氏(オルゴール・蓄音機等修理「おでんせ」経営者)
・大森裕武 氏(オルゴール修理工房「ハイランドアンティーク」経営者)

■音の匠特別功労賞
・名村義人 氏(「オルゴールの小さな博物館」館長)

同協会では「音楽再生の原点とも言える伝統あるアンティークオルゴールの技術と音を、卓越した修理技術で現代に継承している」として3氏を「音の匠」に選出。

オルゴールの小さな博物館 メカニック担当 井上正二郎 氏

おでんせ 大谷勲 氏


ハイランドアンティーク 大森裕武 氏

また、「オルゴールの保存とすばらしさの啓蒙活動を行ってきた」という観点から、名村氏に「音の匠特別功労賞」を授与した。

オルゴールの小さな博物館 館長 名村義人 氏

顕彰式では最初に、日本オーディオ協会会長の校條亮治氏があいさつ。「オルゴールは“音を記録する、再生する機械”という意味で最も古いものだと思う。音楽の原点であるハーモニーを再生する最古の機器だ。しかしオルゴールの神髄を我々は世に問うたことがあるのかと自問自答した」と語り、オルゴールが存在した意義を改めて評価。そうした意義を改めて讃えるために今回の「音の匠」にオルゴール関係者を選出したと説明し、顕彰された4氏の活動に敬意を表した。

日本オーディオ協会 会長 校條亮治氏

その後、4氏に対して校條会長が表彰状などを授与。副賞として、オルゴールの音を記録した特製の盾や「もっと様々なオルゴールの音を録音して頂きたい」(校條会長)との理由からICレコーダーなども贈られた。

授与式の様子

顕彰者からは、代表して名村氏があいさつ。「実は我々が愛しているオルゴールはエジソンの開発した蓄音機によって滅ばされてしまった歴史がある(笑)」と、エジソンが蓄音機を発明した日にちなんだ音の日に対する少しだけ毒のあるジョークで会場をなごませた後、「昔の職人たちの技術もさることながら、機械そのものというよりも職人たちの“志”に魅せられた部分も大きいのではないかと思う」と、オルゴールの魅力を語った。

名村氏はスピーチの席上で実際にアンティークオルゴールの音色も披露

アコーディオン型のオルゴールも実際に音出しを行った

続けて名村氏は「どこかで伝わり方がおかしかったのか、日本ではオルゴールというと100円ショップで買えるような安っぽいオモチャのようなイメージがありバカにされがちだ。しかし、こうして表彰してもらえたことで自分たちがやってきたことは間違っていなかったのだと自信をもらった」とコメント。受賞した喜びを笑顔で語った。

会場には大型のアンティークオルゴールも

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