きょうは「音の日」 − 今年の「音の匠」はエッセイストの三宮麻由子氏

公開日 2006/12/06 18:04
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(社)日本オーディオ協会は本日、「音の日」行事を東京都内で開催。「音の匠」顕彰式をはじめとする様々なイベントが行われた。

「音の日」が制定されたのは1994年のこと。エジソンがフォノグラフを発明したのが1877年12月6日だったことにちなみ、日本オーディオ協会と日本音楽スタジオ協会などが協調して制定した。

本日のイベントでは、第11回目となる「音の匠」顕彰式が行われた。音の匠は、音を通じて文化や生活に貢献した方々を顕彰するもので、今年はエッセイストの三宮麻由子さんが選ばれた。


三宮麻由子氏
三宮氏は、四歳の時に病気で視力を失った。音の世界で生きる中で、常人離れした聴覚を得て、鳥の鳴き声で時刻や天候の移り変わりを判別することができるようになったという。さらに、鳥とのコミュニケーションを通して野鳥の生態研究にも貢献した。著作には、集英社文庫収録の『鳥が教えてくれた空』、『目を閉じて心開いて』(岩波書店)などがある。また、テレビ・ラジオ出演や講演活動などでも活躍している。

三宮氏は、「『匠』という言葉の響きは素晴らしいもので、私が音の匠であるかは自信がないが、そう行って頂けるのは本当に嬉しい。これからも精進を続けていきたい」とあいさつ。「私は四歳の時に視力を失ったが、そのかわりに『第五感』を取り戻すことができたと考えている。聴覚によって、自然の感覚をキャッチするアンテナを得ることができた。今では、音を聴く力をつけるために、神様が目を見えなくさせたのだと感じるほど。視覚が使えないことで大変なこともあるが、それ以上に嬉しいこと、楽しいことの方が多い。色々なものを、心の耳で聴くこともできることになった」と、朗らかな声で、自らの心情を語った。

三宮氏には、日本オーディオ協会会長の鹿井信雄氏から、賞状と盾、副賞としてソニーのPCMレコーダー「PCM-D1」(製品データベース)が贈呈された。鹿井会長は「使い方が少し難しいかもしれないが、CDよりもいい音で録音できる製品」と紹介。三宮氏は、野鳥の音を録音するため、これまで何台ものICレコーダーを買い換えてきたとのことで、「そろそろ次のICレコーダーを買おうと思っていた時に、このような素晴らしい製品を頂けることになって、本当に嬉しい。私の心の声を誰かが聞いてくださったのかもしれない」と感激の面持ちだった。

鹿井信雄会長

賞状や盾のほか、ソニー「PCM-D1」も贈呈された

(Phile-web編集部)

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