≪炭山アキラのインターナショナル2005レポート≫ スキャンテックのブースは大きく様変わりした

公開日 2005/10/08 11:32
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昨年のブースから全く様変わりしていて驚いたのがスキャンテックである。もちろんイメディアやライラ、アマゾン、コニサー、オーディオフィジックなどの定番商品は展示されているのだが、まず、全く新しい顔つきのスピーカーが登場したことが目を引くせいであろう。


ブックシェルフ型の2ウェイAnimaと2段キャビネットのフロア型Allegra
その新着スピーカーは、SONICSというメーカーのものである。ブックシェルフ型の2ウェイAnimaと2段キャビネットのフロア型Allegraの2機種が展示/音出しされていたが、その中間にトールボーイ2ウェイのAllegrettoもある。上級機のAllegraを例に取って簡単に紹介すると、ウーファーは200mmのメタルコーンが2発。この社は低域ドライバーとして最適な振動板はメタルだという見解に達したのだそうである。そして、メタルコーン特有の帯域外の共振によるピークは、2時・3次のベッセルフィルターを組み合わせるという非常に高度なネットワークで除去している。ミッドレンジは130mm口径のペーパーコーンで、トゥイーターは19mmのアルミマグネシウム合金ドームだ。キャビネットは、多くの製品に使われているMDF(中密度繊維板)材の特性と音質に満足がいかず、5倍のコストをかけて樺材のレイヤーボードを採用したという。昨今、欧州製の高級スピーカーによく用いられている高品位な素材である。


SD-2
SONICSのスピーカーを鳴らしていたのは、昨年もチラリと顔を見せていたGlass Masterの巨大真空管アンプ、SD-2。いよいよ音質チューニングも完璧の域を迎え、正式発売の運びになったのだという。真空管の構成は、初段5814A、次段6V6GTA、ドライブ段300BX、そして出力段は211のプッシュプルである。回路構成はSEPPを発展させたフルドライブ方式SEPP回路とのこと。音楽信号に最もストレスを与えないようにと考えて設計したら、こうなったとか。

その両者から流れる音は、勢いがあってかつ芳醇、若々しさと深みを併せ持つような、何とも魅力的な音だった。


AMPHIONシリーズのCDプレーヤー
ほか、同社のブースで目に止まったのは、AMPHIONシリーズのCDプレーヤーが参考出品されていたことである。ブランドがLYRAだけにアナログのイメージが色濃い同シリーズだが、そこから現れるデジタルプレーヤーはどんな音楽を私たちに聴かせてくれるだろうか。正式発売を期待して待ちたい。

(オーディオ評論家・炭山アキラ)

tias2005

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