≪炭山アキラのインターナショナル2005レポート≫ ナスペックは大規模なモデルチェンジと新製品投入へ

公開日 2005/10/08 11:17
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ナスペックの取り扱い商品は今年、大規模なモデルチェンジおよび新製品投入のサイクルを迎えているようである。


RM55LE
スピーカーは、米ジョセフ・オーディオから意欲的な参考出品が2モデル登場してきた。RM55LEは、同社のフラッグシップ・モデルPEARLの開発成果を生かして生み出された、弟機というべき製品である。ミッドレンジとトゥイーターはPEARLと共通で、ウーファーは203mm×2発のPEARLに対してRM55LEは254mm×1発の構成とされた。ウーファーの振動板素材は、PEARL譲りのマグネシウムである。キャビネットは上下2筐体のPEARLに対して、本機は一体型となっている。コイルとコンデンサーの直列/並列回路を組み合わせることにより120dB/octもの減衰特性を得た「インフィナイトスロープ」ネットワークも本機の大きな特徴の一つで、これによりざらつきや歪みっぽさをほぼ完全に取り除くことに成功したという。それにウーファーとミッドレンジの振動板素材を共通化したことが相まって、全域で超ハイスピードかつ完璧なつながりを持つスピーカーに仕上がっているとのことだ。


M25Si Mk.2
もうひとつ、RM25Si Mk.2は、既発売のブックシェルフ型2ウェイRMSignature Mk.2の兄弟モデルと思しき製品で、165mm径のアルミコーン・ウーファー×2発でドーム型のトゥイーターを挟み込んだ、いわゆる仮想同軸型のトールボーイである。例の120dB/octを誇る「インフィナイトスロープ」ネットワークは本機にも採用されている。キャビネット下部に砂を入れることで音質のチューニングが可能というのもうれしいところだ。


ROSSINI CDP

VERDI SETTANTA

ENIGMA
アンプ/デジタルプレーヤー関連では、オーディオアナログのニューモデルが大変興味深い。今年の同社製品のコンセプトは「ハイブリッド」のようだ。8月に発売されたPRIMO CENT VTをはじめ、CDプレーヤーのROSSINI CDP、プリメインアンプのVERDI SETTANTA、CDチューナーアンプのENIGMAまで、すべて真空管とトランジスターがともに増幅に使われたハイブリッド構成なのである。取材に訪れた時には音が出るセッティングになっていなかったが、近いうちに機会を見つけてぜひ試してみたい製品群である。


darTZeel NHB-108

darTZeel NHB-18NS
ほか、今年から輸入が開始されたdarTZeel(ダールジール)のアンプも面白い。2000年創業と若い会社だが、この技術はすごい。取材時にはRM55LEと組み合わせて音を聴くことができたが、実に骨太の再現を楽しませてくれた。

(オーディオ評論家・炭山アキラ)

tias2005

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