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テクニクス新世代アンプ「SU-R1000」は“デジタル/アナログ論争“を超える存在。開発者が語る高音質技術の裏側

公開日 2021/02/22 06:30 鴻池 賢三
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新技術により実現する、“新世代”のデジタルアンプ

「デジタルアンプ」と聞くだけで、拒絶反応を起こすマニアは少なくないだろう。筆者の記憶では、デジタルアンプの採用が増え始めたのは2000年前後のAVアンプからだ。

多チャンネルのハイパワーアンプを限られた筐体に収めようとすると、効率の観点からデジタルアンプは格好の新技術だった。しかし音質は二の次だったため、当時の「薄く硬い」音が、今もなおデジタルアンプの印象として残り、昨今の「デジタルアンプ食わず嫌い」を生み出したのではないか。

もちろん今では技術改善、新技術の登場、エンジニアの熟練により、ハイエンド製品でも採用例は増えている。ただし、ピュアオーディオ領域の音質を確保しようとすると、扱いはアナログよりも難しいとされ、この辺りが評価や採用を左右していると考えられるだろう。

話を新生テクニクスに戻そう。そもそもJENO Engineは、パナソニックの総合力が生み出した非常に高度なデジタルアンプであり、他者が容易に追い付けるものではない。またテクニクス上位モデルでは、パワー段のドライバーとして高速スイッチングが可能でオン抵抗も少ないGaN-FET(窒化ガリウム/半導体素子)を採用するなど、土台としてのオリジナリティとポテンシャルは極めて高いものがある。

実際に搭載されるGaN-FETドライバー。小さな部品ながらテクニクスの高音質を実現する重要な要素だ

さらに、今回新たに採用したADCTは、JENO Engineのフルデジタル・無帰還による「ピュア」を極める音質優位性をキープしつつ、スピーカーの逆起電力等に起因するパワー段の歪みを抽出してデジタル化し、差分をJENO Engineにフィードバックするというもの。歪みのみを取り出してキャンセリングするので音楽信号の過度特性を鈍らせることなく、ドライブ能力のアップと低歪を狙うもので、一般的な「帰還」とは全く異なることを理解しておきたい。

パワーの根源となる電源部にも新技術「AS2PS」を投入。スイッチング電源、いわゆるデジタル方式の電源は、アナログ電源より高効率である反面、スイッチングノイズの処理が音質を大きく左右する。

本機ではスイッチング周波数を400kHzもの超高速に設定することで、オーディオ帯域(100kHz未満)から遠く分離し、効果的にフィルタリングを行うことでさらなる低歪化を実現。電源周りの設計を担当した水俣 直裕氏によると、ブロック別に複数搭載する電源のスイッチング周波数をズラすことで干渉を最小限に抑えているという。

パナソニック株式会社 アプライアンス社 スマートライフネットワーク事業部 ビジュアル・サウンドBU 技術センター オーディオ技術部 電気設計課の主任技師を務める水俣 直裕氏

ちなみに400kHzという周波数は、電力の利用効率も含めて実用最大限を探った結果とのこと。周波数の高さは原理的にリップルノイズを少なくでき、瞬時の大電流供給にも強い。ピュアオーディオのために専用設計されたデジタル電源。単に電力を供給するだけではなく、オーディオの一部と考えると懐の深さを感じる。

そのほか、水俣氏によると、アナログ入力回路は一旦192kHz/32bitのデジタル信号に変換されるのだが、回路はディスクリート構成で、納得できるサウンドが得られるよう丹念にチューニング。ネジは真鍮製でグランドを考慮しつつ機構設計され、トルク管理による追い込みを実施したという。

フルデジタルアンプとは言っても、最終的な音質はグランドの取り方や高周波ノイズのコントロール、振動の管理など、アナログ的な要素が大きく左右する。このあたりを実現するには高い経験値を持つシニアエンジニアの存在が欠かせず、テクニクスが長い歴史の中で培った、大いなる財産によるものだと言えるだろう。

ちなみに、JENO Engineのシールドケースも黒色に塗装されているが、鉄ではなく真鍮とのこと。非磁性へのこだわり、そしてピュアオーディオとしてのこだわりを感じる部分だ。

中央にあるJENO Engineも、シールドケースに真鍮を用いるこだわりぶりだ

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