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Pathosのアンプはなぜ魅力的なのか?“音に直結するデザイン”のこだわりを創立者が語る

公開日 2019/12/23 06:45 土方久明
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−− 今の若者はデザインに対する感性が鋭いから、今後はよりデザイン性の高いもの、そして音が良いオーディオ製品にスポットライトが当たると思います。これは間違いありません。

ザニーニ氏 デモする時に、1つ危惧していることがあります。専用ルームでないとはいえ、機材のセッティングが甘いように感じます。もっと時間をかけるべきだと考えています。

具体的にはブース内のどこに居ても良い音で聴こえるべきで、私は3時間以上かけてセッティングすることも多いです。オーディオの関係者は展示会で音を聴かせるということについて、もっとこだわりを持つべきだと思っています。

−− なるほど。業界に関わる者として、肝に銘じておきたいと思います。ちなみに私は、パトスがヘッドホンアンプを出しているところにも注目しています。オーディオファンは年齢問わず存在しますが、なかでもヘッドホン/イヤホンは、若者を中心となりオーディオの人気ジャンルとなっていますね。これらの専門店に出向くと平日なのにお客さんでごった返していて、これは凄いことだと思っています。

ザニーニ氏 ヘッドホン/イヤホンの活況は世界的な流れです。事実、当社が出しているアナログヘッドホンアンプ「Aurium」の売れ行きは非常に好調です。ハイエンドなオーディオショウでも思いきって1Fをヘッドホンブースにしてしまえば若者が集まるのではないでしょうか。

アナログヘッドフォンアンプ「Aurium」

−− そうですね。さらに若者が注目するヘッドホンから、その次のスピーカー再生への架け橋がほしいとも思います。ピュアハイファイオーディオという趣味に対して、最初はデザインからでも良いし、ヘッドホンから入っても良いと思うんですよね。そして音が良ければ、彼らはオーディオを導入した価値を見つけてくれるでしょう。ヘッドホンアンプの音作りで意識されているところはありますか?

ザニーニ氏 スピーカー用のアンプも含め数多くのアンプを出していますが、私が求める音は共通しています。ディストーションのない音、つまり聴き疲れするような歪みがない音です。無帰還タイプの回路を使っているのも、それが理由です。

−− 最後に答えられる範囲でよいので、今後の製品展開やビジョンがあれば教えてください。

ザニーニ氏 まず話しておきたいのは、私たちはむやみに、新製品の追加やモデルチェンジを行いません。現在発売しているモデルは満足する音質を備えており、その音質を大きく向上するアイディアが整った時点で考えたいと思います。

「むやみに新製品の追加やモデルチェンジを行わない」というザニーニ氏の言葉からも、強いこだわりが感じられる

また、以前ラインナップしていた「endorphin」というCDプレーヤーをリバイバルさせようと思っています。それと、新型のD/Aコンバーターの開発も計画していますよ。

−− 「HiDAC MkII」に採用したオプションのDACモジュール(USB入力を備え、5.6MHz DSDや384kHz/32bit PCMに対応するボード)など、発展性も考慮されているのが素晴らしいと思います。一度購入したら愛着をもって長期間使えることは、とても大切だと思うのです。今後はどのような製品が出来上がるのか、デザイン・音質ともにたいへん興味深く、個人的にもかなり楽しみです。本日はありがとうございました。



ザニーニ氏はこの後も、アンプ回路へのこだわりについて時間をオーバーしてまで話してくれた。同社にスタイリッシュなイメージを持っていた筆者の予想に反して、ザニーニ氏はたいへん職人気質で、音へのこだわりも並々ならぬものがあった。

同社の本国ページを見ると、日本に紹介されている製品以外にも数多くのモデルがあり、そのすべてが本当に美しく良い音を奏でてくれそうだ。良いデザイン空間を作り出し、音楽を心ゆくまで堪能できる同社の美しいオーディオ機器について、今後の展開が楽しみでならない。

(特別企画 協力:株式会社タイムロード)

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