HOME > インタビュー > 【特別鼎談】PC-Triple C開発陣×貝山知弘 - 「ペンクラブ音楽賞」受賞や開発秘話を語る

登場から1年あまり、その魅力を改めて検証

【特別鼎談】PC-Triple C開発陣×貝山知弘 - 「ペンクラブ音楽賞」受賞や開発秘話を語る

公開日 2015/06/02 10:00 構成:編集部 小澤貴信
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
貝山 PC-Triple Cには鍛造が必要ですが、非常に細い線材、または太い線材を作ることは可能でしょうか。細い線材という点では、すでにサエクコマースやオルトフォンからPC-Triple Cのシェルリード線も発売されていますけれども。

芥田 線材の径は、かなり細いものから太いものまで物理的に機械加工が可能な範囲で可能です。ただ、あまり太くなると鍛造しても導体の中央部まで結晶構造が長手方向に整えられないので、求めているレベルでの精度は難しくなります。

貝山 いろいろお話を聞いて、PC-Triple Cでオーディオケーブルのプラグを作るというのも面白そうだと感じました。PC-Triple C製のプラグというのは可能なのでしょうか。

PC-Triple Cで作成されたプラグを用いての「オールPC-Triple C」伝送実現に期待したいと語る貝山氏

矢口 実はオーディオメーカー様から、PC-Triple Cでプラグを製作してほしいという依頼はすでにいただいております。プラグの種類も電源からRCA、イヤホンのMMCXプラグまで様々です。

芥田 ケーブル、ひいては導体における接合部は非常に重要な部分です。例えばこれは電源ケーブルですが、超高圧を伝送する海底ケーブルでは、接合部に細心の注意が払われています。接合部で電源が漏れたり、抵抗ができたりしたら伝送上大きな問題があるからです。PC-Triple Cでプラグを作る価値は大いにあるでしょう。

芥田氏はPC-Triple Cをケーブルにとどまらず、様々なオーディオアクセサリーに加工できるように工夫していきたいと述べた

貝山 振動に対して強いという点では、PC-Triple Cを電源トランスに利用することも考えられそうです。

矢口 トランスの巻き線を作ってほしいという依頼も受けています。近々メーカー様から製品となって市場にお目見えすることになるでしょう。

貝山 ケーブルには断面が真円のものと楕円のものがありますね。PC-Triple Cで断面が楕円の線材は作れるのでしょうか。

芥田 ある程度は加工できます。しかし鍛造していく過程で、楕円がよれていくので、それをどう適切な形状にガイドしていくかが問題になるでしょう。真円ならばねじれても断面の形状は変わらないですからね。しかし、楕円であれば導体内の反射が分散しますので、やってみるだけの価値はあるでしょう。

矢口 ケーブルメーカーの各社様からは、いろいろなご要望をいただきます。「そんな無理難題を・・・」というご要望も少なくないですが、それに応えていくのは面白いことです。我々にも新しい発見があります。

矢口氏はPC-Triple Cを用いた様々なオーディオアクセサリーを開発中であることを明かしてくれた

貝山 PC-OCCからさらなる進化を遂げたPC-Triple Cですが、導体として完全なものだとお考えですか?

矢口 まだ不満はあります。さらに精度を上げていくことができるはずですから。

芥田 私も精度をさらに高めることは可能だと考えています。それからもうひとつ、PC-Triple Cをオーディオ全般の部材に展開できるものにしたいのです。導体ではなく固形物を加工するための部材として考えたら、同じPC-Triple Cでも作り方を変えていく必要があります。

矢口 どのメーカー様が手がけるのかなどはまだ明かせませんが、PC-Triple Cのプラグも近々披露できることかと思います。そうすると接点から導体まで、オールPC-Triple Cでの伝送が可能になります。メッキをどうするかなど課題はありますが、それもクリアしていけるでしょう。

貝山 それは非常に楽しみですね。PC-Triple Cを採用したケーブルはもちろん、プラグをはじめとするオーディオアクセサリーの展開を期待したいですね。

編集部 本日はありがとうございました。

前へ 1 2 3 4 5 6 7

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE