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【特別企画】待望のオーディオ用ハイエンドNASがついに登場

バッファローのオーディオ用NAS“DELA”「N1Z/N1A」開発者インタビュー

公開日 2014/03/20 10:47 聞き手:山之内正 構成:ファイル・ウェブ編集部
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■伝送品質への影響を徹底排除したLAN端子のLED電灯

ーー これは直接的な音質対策と言ってよいのかわかりませんが、LANポートのLED電灯の消灯も可能です。

荒木氏 LINNのDSシリーズがLAN端子のLEDを消灯可能にしたことで、LEDの音質への影響が注目されました。N1シリーズは、LEDをLAN端子のシールドの外側に置き、ノイズの影響を防いでいます。一般的なLAN端子は、LANの端子カバーのシールド内にLEDが設置されているため、信号にLEDのノイズの影響が出る可能性があるのです。ちなみに、このLEDを外に置いたLAN端子は、データセンターなどで業務用のシーンでも採用されているものです。加えて、フロントのボタン操作一発で、LED自体を完全消灯することもできます。


シールドの外にLEDを配置することでノイズの影響を排除したLANポート
■アルミ押し出し材の厚板で構成された筐体
 天板のネジのトルクにまでこだわったオーディオ機器としてのNAS


ーー 筐体にもこだわっていますよね。上位モデル「N1Z」はアルミ材を全面に用いています。インシュレーターもTAOCと共同開発のオーディオ仕様です。グラウンド用のアース端子まで付いているのには驚きました。

荒木氏 筐体はなるべく重量感を持たせた上で、非磁性体の素材を用いることがコンセプトでした。SSD搭載NASは全体の重量がどうしても軽くなるので、重量感を出すためにも、アルミ押し出し材の構成としました。各パネルの間には共振を防ぐためにわずかな隙間を空けています。

ーー なるほど。


4面にアルミ押し出し材の厚板を用いた「N1Z」
荒木氏 電気的にも物理的にもノイズを徹底的に排除するために、高級オーディオ機器のノウハウを参考にして筺体を新規に設計しました。同梱されているマニュアルと一緒にサインが入っていますが、これはその個体の組立者のサインです。開発者のレクチャーの元、選ばれた人のみが組み立てられるのです。設計から組立まで、N1をオーディオ機器として考えて取り組んでいます。


「N1Z」の天板

各パネルの間にわずかな隙間を空けて、共振を抑えている
ーー それは面白い話です。オーディオ機器の機構設計においては、共振対策や基板の止め方、ネジのトルクなどでサウンドの細部をチューニングするのは一般的ですが、それに近いノウハウがこのNASでも行われているのですね。

荒木氏 まさにそうです。例えば、N1Zの天板のネジもトルクまで指定されていますから。


「N1Z」の底面部

「N1A」の底面部
■オーディオグレードのLANケーブルも登場

ーー DELAブランドとして同時に登場したオーディオ用LANケーブル「C1」のお話も伺わせてください。

荒木氏 「C1」は単線導線に二重シールドを施したカテゴリー7ケーブルです。ツメが折れにくいプラグを専用にデザインしたこともポイントです。メッシュ被覆を採用して、取り回しやすいように配慮もしています。


DELAのオーディオグレードLANケーブル「C1」
実は、以前BUFFALOブランドの高性能LANケーブルをオーディオ用にお薦めさせていただいたとき、外観が普通のケーブルと変わらないとお叱りを受けたことがありました。確かに、BUFFALOブランドの製品は、上位モデルと下位モデルでそれほどデザインがかわりません。そこで、オーディオ的な高級感という点にはこだわりました。

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