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SCE開発担当者にインタビュー

“torne”発売から「約3ヶ月」の開発期間で実現したファームウェア「Ver.2.00」の中味とは

インタビュー・レポート/鈴木桂水

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2010年06月29日
■進化したファームウェア「Ver.2.00」がリリース − その主なアップデートの内容とは

PlayStation 3(以下 PS3)をハイビジョンレコーダーに変身させる専用テレビチューナーユニット“torne”を、皆さんはお使いだろうか。2010年3月の発売時は、販売店に行列ができるほどの人気を博し、その後しばらくは品薄が続いた。筆者も早朝から量販店に並び、速報記事をお届けした(関連レビュー)。その後も実に売り上げを伸ばしており、ユーザーは増加中であるという。

torneの特徴はなんと言っても、PS3が搭載する高性能半導体「Cell」と「RSX」を使った高速処理によるインターフェースだ。既存のデジタルレコーダーの操作感とは一線を画すサクサクとした操作感が話題になった。しかし既報でお届けしたように(関連レビュー)、録画マニアにとっては不便に感じられる点もあった。今回、torneのソフトウェアが「Ver.2.00」に進化し、大幅にバージョンアップを果たして使いやすくなったという。早速その詳細について、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)開発陣のインタビューを交えながらお伝えしよう。


PS3専用テレビチューナーユニット“torne”

今回のバージョンアップの目玉は「MPEG-4 AVC方式での長時間録画」と「追いかけ再生」機能の追加だ。AVC長時間録画は、番組データを高効率に圧縮することで同じ容量のHDDでも、より長時間の録画を可能にする機能だ。BDレコーダーでは一般的な機能だが、いままでtorneは放送波をそのまま記録する「DRモード」しか備えていなかったので、HDDの容量がすぐに埋まってしまい、不便だった。

ハイビジョン番組をtorneで、DRモードを使って録画するには、2時間番組で約12.4GBのHDD容量が必要だ。たとえば250GBのHDDを搭載するPS3だと、映画約19本も録画すればいっぱいになってしまう。「映画19本も録画できれば十分」という声もあるだろうが、実際に使ってみると倍の500GBでも不足を感じ、「できれば1TBは欲しい」と考えるようになるはずだ。筆者はそれを見越して、PS3を改造して1.5TBのHDDを接続して使っている。

今回torneはMPEG-4 AVCを利用することで、同じ容量のHDDでも3倍録画できる「3倍モード」が利用できるようになった。これで、HDD容量が250GB程度のPS3だけでも実用的に使えるようになるはずだ。

もう一点は追いかけ再生機能だ。torneはシングルチューナー機なので2番組同時録画ができない。このため録画中にはチャンネル切り替えができず、不便な思いをする。今回、追いかけ再生機能が加わったことで、録画中の番組でも先頭まで遡って再生できる。野球のナイター中継の途中で帰宅しても、その番組を録画していれば録画終了を待たずに、先頭に戻って再生できる。これまでは録画中の番組が終わるまで待たなければならなかったので、操作性は大きく向上した。


「Ver.2.00」へのアップデートにより「追いかけ再生」が可能になった
追いかけ再生のメリットはほかにもある。リアルタイムで観る番組をあえて録画して、15分程度遅れて追いかけ再生すれば、不要なシーンを飛ばしながら本編だけが楽しめる。効率よくテレビを観るなら、追いかけ再生は重宝するはずだ。その他にも、Ver.2.00ではトルミル情報表示の強化など様々な改善が行なわれている。

では、より使いやすくなったtorneのファームソフト「Ver.2.00」について、開発担当者である(株)ソニー・コンピュータエンタテインメント商品企画部2課 課長の渋谷清人氏、ソフトウェアプラットフォーム開発部 2課 1グループ 石塚健作氏に話を聞いてみよう。

SCE開発者インタビュー − AVC長時間録画の実力やいかに!?

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