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漫画家・永井豪氏が迫る!ソニー「BDZ-EX200」搭載“アニメ・CGリマスター”の実力 − BD版『真マジンガー衝撃!Z編』を見る

インタビュー&レビュー/鈴木桂水

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2009年10月23日

■巨匠・永井豪氏がソニー「BDZ-EX200」の実力に迫った!

漫画家・永井 豪氏
ではBDZ-EX200の「アニメ再生力」はどんなものだろうか。今回はアニメのプロにその画質を判断していただくため、数々の作品をアニメの原作として提供してきた漫画家の永井豪氏に視聴をお願いした。永井氏はかなりの映画マニアを自負されており、多くの作品を映画館で鑑賞した後、さらにご自宅のシアタールームでもBD/DVDを購入して楽しんでいらっしゃるそうだ。自身もクリエイターでありながら、同時に目の肥えたAV機器ユーザーでもある永井氏に観ていただいた作品は、先日惜しくもアニメのテレビ放送が終了した『真マジンガー衝撃!Z編』だ。

『真マジンガー衝撃!Z編』とは、永井豪氏の代表作の一つである『マジンガーZ』を『機動武闘伝Gガンダム』(以下:Gガンダム)、『ジャイアント・ロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』(以下:Gロボ)などの監督で知られる今川泰宏氏が監督・シリーズ構成・脚本を担当された作品であり、豪快で破天荒な“今川版・マジンガーZ”として原作ファンのみならず、新たなファン層を獲得した話題の作品だ。

今回、永井氏にフルHDアニメとして蘇った『マジンガーZ』への想いを伺いつつ、BDZ-EX200のアニメ・CGリマスターなどの高画質化機能への感想を伺った。


インタビューと作品の視聴は永井氏のオフィスであるダイナミックプロダクションで行った
━━今川版・マジンガーとも言える「真マジンガー衝撃!Z編」はどうご覧になっていますか?
永井氏:今回の作品は原作提供ということで、全て監督の今川さんにおまかせしています。まったく新たな作品を見ているようで、放送期間中は毎回、次のテレビ放送を楽しみにしていました。本作の舞台設定もユニークです。例えば原作版や前のTVシリーズでは主人公「兜 甲児」の母親は登場しませんでしたが、本作ではマジンガーZの世界を描く上で重要な人物として描かれています。キャラクターが「バイオレンスジャック」や「ガクエン退屈男」の「錦織つばさ」というあたり、『やられたな』という感じでした。ほかにも「あばしり一家」の直次郎(に似ているキャラクター)がくろがね五人衆にいたりするのを見ると、『もっといろんな作品で使えばよかったな』と思わされることがありましたね。

『真マジンガー衝撃!Z編』とは?
『真マジンガー衝撃!Z編』では、『Gロボ』など他の今川監督作品がそうであるように、同じ原作者の名作から様々な名物キャラクターを集め、新しい世界観が構成されている点が特徴の一つだ。本作では、敵のメカにダイナミックプロ作品の主役ロボット「グロイザーX」が登場したり、マジンガーZの原案になった「エネルガーZ」も登場するなど、永井作品のファンには堪えられない内容になっている。




━━今回の作品はハイビジョンですが、画質が向上したことで新たに発見されたことはありますか
永井氏:そうですね。例えば、劇中での「ブレストファイアー」の表現には目を見張るものがありました。画質が向上すると、より作品に引き込まれますね。

━━他にも現在のハイビジョン画質で永井作品をリメイクするならば、どの作品が面白いと思いますか
永井氏:たくさんあって迷いますが…、やはり『デビルマン』ではないでしょうか。ハイビジョンの高画質と、最先端の映像技術を駆使して蘇らせてみたいですね。



『真マジンガー衝撃!Z編』のBD版タイトルを視聴

視聴に用いたソニーのBDレコーダー「BDZ-EX200」
ここでソニーの「BDZ-EX200」を使ってアニメ・CGリマスターの視聴を行った。視聴はソニーのアニメ・CGリマスターを搭載しないBDレコーダーで「真マジンガー衝撃!Z編」のBDディスクを再生しながら、同時にテレビ放送を録画した「BDZ-EX200」でコンテンツを再生しつつ、アニメ・CGリマスターをON/OFFすることでその効果を検証した。

━━まずテレビ放送を録画したコンテンツをご覧いただきます。いかがでしょうか
永井氏:やはりテレビ版とBD版とを比較すると、BD版はスッキリしていて見やすいですね。テレビ版は少しノイズの目立つシーンがありますね。


アニメ・CGリマスターの効果に目を見張る永井氏
━━次にアニメ・CGリマスターをONにしてみます
永井氏:なるほど、かなりノイズが目立たなくなりますね。やはりBD版の方がまだ若干美しさに勝る印象ですが、OFFの状態に比べるとかなり画質が良くなっていますね。

テレビ局から放送される映像はレートが低いので、モスキートノイズなど、伝送時のノイズが発生してしまう。実写の映像では目立たないノイズが、アニメやCGだと「べた塗り」された部分などでノイズが目立ってしまうことが多い。ノイズが発生したアニメの映像は色が濁り、見苦しくなってしまう。一方で、アニメ・CGリマスターの場合はノイズが発生している部分を検知して、比較的ノイズが少ない同色の部分の情報から補うことでノイズを軽減させている。ちょうどデジカメで撮った写真データをレタッチソフトで修正する作業に似ている。


「BDZ-EX200」の映像設定画面

“スムージング”のレベルは4段階で設定が可能
「スムージング機能強化」により“バンディング”という擬似輪郭が発生している映像領域の周囲を解析して、より滑らかなグラデーションを作成し、マッハバンドなどのニジミを軽減する技術も搭載されている。このスムージング強化機能では約1万画素のデータを解析して滑らかな階調表現を実現している。

他にアニメのノイズで気になるのが、黒い輪郭線をギザギザにしてしまうシャギーノイズだ。これは「クロマアップサンプリング強化」機能で軽減している。本機能を用いることで発色も向上されるので、スッキリ&クッキリとした映像が表現できるようになる。


スムージング機能強化のイメージ図。左が放送時のノイズ、中央は一般的なスムージング処理を用いた場合で、グラデーションがシマシマになり、バンディングが取り切れていない状態だ。右がBDZ-EX200のスムージング機能強化を使った場合のイメージとなり、かなり滑らかになっている。

BDZ-EX200の画質に驚かれた永井氏だが、実は切実な悩みがあるという。それは膨大なコレクションに含まれるビデオとレーザーディスクの「デジタルアーカイブ化」の問題なのだという。最新のBDZシリーズには「らくらくスタートメニュー」と「カンタンVHSダビング」機能が搭載されており、これを使うとVHSなどのアナログテープメディアに記録した映像を、BDディスクへ簡単に保存できる。この機能を永井氏に筆者が説明したところ、かなり興味を持たれたようだった。コピーガードがかかったタイトルの変換は基本的にできないが、それでも個人で録り貯めたVHSなどのビデオアーカイブが、BDなどディスクメディアに記録して保存できるのは便利だ。なお、BDZ-EX200の個別機能については引き続き連載で紹介するのでお楽しみにしていただきたい。


『真マジンガー衝撃!Z編』〜作品紹介〜

ボックスセット<第1巻>のセット内容
70年代当時の『マジンガーZ』で育った世代には、ある意味衝撃の連続が続く今川版『真マジンガー衝撃!Z編』。アメリカのマーベルコミックスでは、スパイダーマン VS ウルバリンなど、異なる作品の主人公が作品の枠を超えて登場するスターシステムやクロスオーバーという手法がよく使われる。これはキャラクターを俳優のように扱って、作品の枠を超えて登場させる演出のことだが、永井豪氏は「バイオレンスジャック」などでこの手法をいち早く取り入れた作家の一人だ。

この流れを汲んでいる作家であると筆者が感じているのが、今川氏だ。今回の『衝撃!Z編』でも、数々の永井作品からプロットとキャラクターを集め、新しく壮大な永井豪ワールドを構築した。もちろんGガンダム、Gロボ、鉄人28号で見られた、鉄塊とも思える重厚なロボットどうしの壮絶な戦いもスケールアップしている。永井ファン、今川ファンどちらも満足させる素晴らしい作品に仕上がっている。インタビューの最中、永井氏が「Z(編)が終わったらグレート(編)に続けばいいんだけど…」とおっしゃっていたことが、印象に残った。ぜひ続編をと、期待したいところだ。

セルタイトルには単品パッケージのDVD版とボックス販売のBD版がある。DVD版は本稿掲載時の10月20日時点では既に2巻まで発売されており、待望の第3巻は10月27日発売予定となっている。BDボックスは第1巻が発売されており、今年の11月に第2巻、来年2月には第3巻も発売を控えている。BD版には配信版映像に加え、BDのみの映像特典として、テレビ放送版の映像を収録している。発売済みのBDボックス第1巻には、初回封入特典として物語のカギを握る「ゼウス神〈神像ver.〉」ソフビフィギュアの引換券が付いてきたことも話題を呼んだ。特典の32ページ・ブックレットにはダイナミックプロの設定画が掲載されているので、ファンには必携のアイテムだ。作品の詳細については公式サイトを参照していただきたい。


『真マジンガー衝撃!Z編』BD BOX<第1巻><第2巻>
・価格:¥18,900(税込)
・型番:BCXA-0191/BCXA-0192
・収録:400分(本編213分+映像特典187分)、BD 50GB×3枚、
・音声:リニアPCM(ステレオ)
 映像:AVC 16対9 <1080p High Definition>
<第3巻>は2010年2月23日発売予定! 詳しくはこちら


◆筆者プロフィール 鈴木桂水
元産業用ロボットメーカーの開発、設計担当を経て、現在はAV機器とパソコン周辺機器を主に扱うフリーライター。テレビ番組表を日夜分析している自称「テレビ番組表アナリスト」でもある。ユーザーの視点と元エンジニアの直感を頼りに、使いこなし系のコラムを得意とする。そのほかAV機器の情報雑誌などで執筆中。

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