新生活に音楽の彩りを。15万円以下・ブックシェルフスピーカー10モデル徹底試聴!〈前編〉
2026/04/01
先日の〈前編〉記事に引き続き、2024年以降に発売された15万円以下のブックシェルフ・スピーカー10機種を一斉試聴レビューする。今回の〈後編〉で紹介する5機種からは、10万円オーバーのモデルも登場。
長年愛される定番ラインの最新モデルを中心に、10機種中で最大となる16.5cmウーファーを搭載したロクハン2ウェイから、8cm径ユニット1発によるフルレンジスピーカーまで、注目モデルの実力を検証したのでここにお届けする。
elipson「Horus 6B」 88,000円
DALI 「SONIK1」 90,200円
MONITOR AUDIO 「Bronze 50-7G」 99,000円
FOCAL 「Theva N1」 121,000円
ECLIPSE「TD508MK4」 149,600円
シルクドーム・トゥイーターと表面処理されたパルプコーンによるオーソドックスな2wayブックシェルフ。間近で見るとサランネットの断面が45度カットになっていたり、ユニットフレームにラインが入っていたりと、どことなくキュートさがある。
大きな開口のフロントバスレフらしいダイレクトな低域の届き方で、低域から高域までが立体的に積み重なる音場を形成する。キックドラムの立体感やベースの存在感が際立つ分、ボーカルは幾分抑え気味だが、歌声にマットで甘みを帯びた独特のスムーズな質感を楽しめる。
低域は奔放で分離や明瞭さは穏やかだが、それがマイルドな印象を形成しており、刺激や棘のないリラックスした聴き心地を堪能させる良作だ。
“OBELONシリーズ” に替わる新たなエントリーライン。最新モデルらしく、トゥイーターには低粘度な磁性流体を用いるとともに、ウッドファイバー・コーンに馬蹄型の窪みをつけて低共振化を図るクラリティ・コーンが採用されている。
前半で紹介した「KUPID」よりも明らかに味が濃い。弦やピアノの余韻はフワリと品よく広がりつつ、低域は力強く濃密でDALIらしい旨味のある音だ。ボーカルの姿は中央にピタリと定位するが、歯擦音は鞣されており決して尖らず、それがシンバルや弦楽器などにも美味な音色をもたらしている。オーケストラでも低域の重みとスケール感が確保され、滑らかさと透明感を両立した味わい深い表現が楽しめる。小型ながら聴き応え十分。
1998年に誕生した定番シリーズで、昨年、第7世代へとモデルチェンジ。オールメタル振動板の採用が特徴で、アルミ・マグネシウム合金をセラミックコーティングしたC-CAMドライバーが同社の顔だ。
ビビッドな高域と押し出し良くふくよかな低域による、王道的メリハリサウンドが楽しめる。分離感と密度感が両立しつつも音楽の一体感が高く、ボーカルや楽器の姿が豊かに混ざり合う。
ダイナミクス表現に優れることが特筆で、オーケストラは、微細な演奏の強弱の対比が明快で臨場感が豊か。ロックやポップスでも、ギターのストロークやドラムのシンバルが粒立ち良く、バスドラムのキックも確かなアタックが快いので、総じてダイナミックなサウンドが楽しめる。
独自の逆ドームトゥイーターとリサイクルカーボンファイバーを用いた独自素材のスレートファイバー・コーンを搭載。16.5cm径のウーファーは今回聴いた10機種中でも最大で、本体の高さも約39cmと大柄だ。
躯体の大きさもあってか、音楽が迫力豊かに迫ってくる。低域のエネルギーが十分で、中低域から低域にかけて音の重心が位置し、エレクトリックベースやバスドラム、コントラバスなど低音楽器が前に出てくる力強さが特徴である。繊細というよりか豪胆に音が迫る様が痛快なのだ。
オーケストラソースは、数多くの楽器がひしめくエネルギーの高さが秀逸で、ボーカルソースでも、明瞭かつ悠然と立ち現れる歌声が熱量高く迫る姿に魅せられる。
卵型形状やタイムドメイン思想を貫く孤高のフルレンジスピーカー。第4世代の本機では、スピーカーユニットやキャビネットが新規開発され、低域量感も大幅に拡張された。専用ブラケットで天井や壁にも取り付け可能な点も本機ならでは。
ニアフィールドで大音量を避け、尚且つセッティングも詰めて鳴らす必要があるものの、他のスピーカーとは一線を画すピンポイントな音楽表現が白眉。音楽が3次元的に、まるでその場に漂う空気かのような緻密さで描写されるのである。
低域の量感こそ他と比べると控えめだが、8cm径フルレンジにしては沈み込みが深い。音色はややドライな傾向で、定位描写はとにかく抜群。ソースの粗をとことんまで炙り出す空恐ろしい存在でもある。
以上10機種をお届けしたが、いかがだっただろうか。実は、ちょうど7年前にも「買って後悔なしの「ペア10万円以下スピーカー」はこれだ! 本命13機種を一斉レビュー」という試聴を実施したが、やはり、メーカーの最新研究を反映した今回の新モデルは、いずれも音の刷新を実感させられるものであった。
例えば、ELACやDALI、KEFやMONITOR AUDIOの各モデルは、7年前の記事に登場したモデルのまさに純然たる後継機であるわけだが、振り返ってみると、音の透明性や低域再現の質感向上、全体的な音の品位など、着実な設計の進歩を感じさせるものとなっていた。
もちろん、コロナ禍前と今では価格レンジが上昇してはいるものの、逆に、じっくりと音楽に向き合う機運の高まりもあってか、エントリースピーカーでありながらも、音楽をしっかりと楽しませる完成度や洗練さは、さらに一歩踏み込んだものになっていると実感した。
今回の試聴のように、アンプ内蔵のネットワークストリーマーと組み合わせるのも良いし、手頃なアナログシステムなどと組み合わせることで、きっとあなたの音楽ライフをより一層豊かなものにしてくれることだろう。
ネットワークプレーヤー BLUESOUND「POWERNODE」