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公開日 2025/12/03 06:30
「きこエールモード」によって声の明瞭さが格段にアップ!

テレビの音がハッキリ!音の悩みを解決するネックスピーカー「きこエール for TV」を使いこなす

岩井 喬

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かつてM-SOUNDSブランドのTWSを手掛けていたクロスブレインが、テレビの音が聞き取りにくいという声に応えて開発したのが、ネックスピーカータイプの「きこエール for TV」だ。“for TV” としているのは、TWS形状の集音器「きこエール」を既に発売しているからだが、テレビの音は視聴距離や環境要因で集音が難しいため、テレビ鑑賞に特化したネックスピーカータイプとして新規開発したという。

国内最大級のオーディオビジュアルの総合アワード「VGP2026」でも、そのコンセプトやサウンド面が評価され、「ウェアラブルネックスピーカー(2万円未満)」部門で受賞モデルに選出されている。今回、このきこエール for TVの本質に迫るべく、4Kテレビと組み合わせてサウンドや使用感を確認した。



「きこエール for TV」(KE-NS1LG) オープン価格(市場実勢税込価格19,800円前後)、「VGP2026」で部門受賞に選出


軽量でありながらも、声のクリアさと低域の再現を両立できるネックスピーカーを研究


クロスブレインは、M-SOUNDS製品だけでなく、集音器を中心とした製品企画/開発/販売を行っており、大手流通向けOEM製品の開発/供給実績を持つ。いわば「きこエール for TV」は得意分野の製品である。“きこエールシリーズ” は2022年に立ち上がり、ユーザーの声も集まる中で、従来型の集音器ではテレビの音が聞こえにくいという問題が見えてきた。



“きこエールシリーズ”の第1弾モデルは完全ワイヤレスタイプの集音器


しかし前述のような理由でテレビの音の集音の難しさに直面。据え置き型スピーカータイプも検討したそうだが、設置場所によって音の届き方にばらつきが出やすく、様々な使用環境をカバーできるようなものにはならなかった。それなら耳の近くで直接聞けるようにすれば問題が解決できると考え、ネックスピーカータイプとしたそうだ。


ネックスピーカータイプは既に先行して発売されている他社製品も多く、どのようなものが良いのか検討する中で、軽量設計に比重を置きすぎると、ユニットも小型化せざるを得ず、低音再生が難しく、さらに人の声の再現にも問題があることが分かってきたという。


そこでクロスブレインでは、軽量でありながらも声の明瞭さや低音再生を担保した製品を目指すことになった。きこエールシリーズならではの、人の声を拡張させるボイスフォーカス技術と、M-SOUNDSで培った音響ノウハウを融合させ、きこエール for TVが生まれたのである。


加齢性難聴のメカニズムを研究してきた集音器メーカーならではの知見が活きた「きこエールモード」


きこエール for TVで最大の特長となっているのが、「きこエールモード(高音強調)」を取り入れていることだ。「きこエールモード」は、加齢性難聴で問題となっている2 - 4kHzの帯域を増幅させ、子音の聞き取りをしやすくするものである。


サ行、タ行、カ行などの子音がこの2 – 4kHzという帯域にあり、この帯域が聞こえにくくなると “声が届いているのに言葉が抜ける” という状態となり、聞き間違いやセリフの聞き逃しに繋がりやすい。そのため「きこエールモード」では、ただ単に高域を持ち上げるのではなく、加齢性難聴のメカニズムを研究してきた集音器メーカーとしての知見を活かした、耳に刺さらない自然なヌケを追求したチューニングを施しているという。



「きこエールモード」は、人の声の平均的な帯域である2 - 4kHz帯にフォーカスして音を増幅する


そして音質面において重要となるドライバーユニットは、40mmのメインスピーカーユニットに加え、オーバル型パッシブラジエーターも搭載。片側にそれぞれ1基ずつ取り付けた2.0chシステムとしている。


テレビの音が聴こえやすくするだけでなく、映画や音楽などのコンテンツも不足なく楽しめるよう、音の厚みにこだわったといい、一般的なネックスピーカーでは苦手とする響くような豊かな低音をもたらす低域の再現性を追求。さらに中高域に関しても輪郭あるクリアな表現力を持たせて立体感を実現している。



スピーカーユニットには、40mmフルレンジドライバーとパッシブラジエーターを搭載


ノーマル/きこエール/シネマの3つの音声モードを搭載


きこエール for TVでは「ノーマルモード」と「きこエールモード」に加え、この豊かな低域再生を強調する「シネマモード」の3種の音声モードを用意。最大音量の不足感がないよう、最大ボリュームの確保と最大音量時の音割れ防止にも配慮した設計であるといい、増幅段と音質チューニングを細かく調整したという。



音声モードは、ノーマル/きこエール(高音強調)/シネマ(低音強調)の3モードを備えている


ネック部分は装着時の快適さを追求した高純度のシリコンを採用。テレビ側との接続はBluetoothではなく、付属の送信機(ドングル)を用いた2.4GHz帯デジタルワイヤレス通信として、遅延も最小限に抑え込んでいる。



首にあたる部分は長時間装着しても疲れにくい素材が採用されている




ネックスピーカー本体と送信機の間は2.4GHz帯デジタルワイヤレス通信を採用しており低遅延を実現





2.4GHz帯デジタルワイヤレス通信」を使用しているため、Bluetoothのネックスピーカーよりも遅延がなく、映像との音ズレが少ない



送信機にはアナログ入力用のステレオミニジャックが設けられており、付属のアナログケーブルを繋ぎ、もう一方をテレビのヘッドホン端子へ接続。また送信機はバッテリーを内蔵していないので、USB Type-C端子に電源を供給する必要がある。こちらも付属のACアダプターとUSBケーブルを用いて電源を確保しておけばよい。



送信機は、テレビのヘッドホン出力端子に接続する




付属のACアダプターとUSBケーブルはネックスピーカーの充電にも使用する


セットアップもかんたん、テレビのオーディオ設定で音声出力方法も手軽に切り替え可能


そしてテレビ本体から音を出しつつ、きこエール for TVでも同時に音を出すのか、または、きこエール for TVだけで音を出すのかをテレビのオーディオ設定で事前に切り替えておくと良いだろう。



事前準備として接続したテレビの設定で、音声出力をヘッドホン出力のみとするか、ヘッドホン出力と同時にテレビからも出力するかを選択しておこう。画面はTVS REGZA「65Z770R」の設定画面




TVS REGZA「65Z770R」では、「親切ヘッドホン設定」の通常モード/親切モードからモードを選べる


事前準備としては、ここまでのテレビサイドでのセットアップがほとんどだ。あとは、きこエール for TV本体の電源スイッチを入れれば(ホームボタンを5秒長押し)自動的に送信機との接続が完了する。


きこエール for TV本体の右側/先端上部には〇マークのホームボタンと+/−のボリュームボタンの3つが用意されており、ホームボタンを短く2回押すことで「ノーマルモード」から「きこエールモード」「シネマモード」へとモードが順番に切り替わる。



ネックスピーカー本体には、電源やモード切替に使用する○ボタンと+/ーの音量調整ボタンを設置




ネックスピーカーの本体側から音量調整を行うと、ボリューム数値がリアルタイムでテレビ画面に表示される


ボリュームは10段階切り替えが可能な他、ガイダンス音声も日本語となっているので戸惑うこともないだろう。また本体はIP44の防水/防塵性能を有しているので、ながら使用でも安心して使うことができる。


「きこエール for TV」の音質もレビュー!

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