ANC・通話・空間オーディオまで“全部入り”! 1万円クラスの常識を覆す「HUAWEI FreeBuds 7i」の実力を検証
折原一也ファーウェイから、完全ワイヤレスイヤホンの新モデル「HUAWEI FreeBuds 7i」が2025年に登場する。各種機能をハイレベルで揃えながら、価格は税込12,980円前後と、まさに群雄割拠の激戦区に投入される戦略モデルだ。
いまや完全ワイヤレスイヤホンにユーザーが求める機能は、音楽リスニングだけでなく、動画やゲームなどエンタメ体験、ビジネス用のビデオ会議まで多岐にわたるが、HUAWEI FreeBuds 7iは、その要求にすべて応えようという強い意志を感じさせる。
強力なアクティブノイズキャンセリング(ANC)、AIを活用した通話品質、LDACコーデックによるハイレゾワイヤレス対応の高音質、そしてデバイスを選ばない空間オーディオ。12,980円前後でありながら、まさに“全部入り”とも言える野心的な1台だ。
果たして、その実力は本物なのか。価格を超えた価値は本当にあるのか。HUAWEI FreeBuds 7iの注目の機能とサウンドの実力を検証していこう。
注目の技術を紐解く。ANC、通話、音質の三本柱
まず、HUAWEI FreeBuds 7iが搭載する注目の技術仕様を確認しておこう。最大のセールスポイントであるANC機能には「インテリジェント・ダイナミック ANC 4.0」を搭載。物理的にノイズを減衰させるという8mm²の大型エアベントを新たに採用し、システム処理の遅延を大幅に短縮。これにより最大55dB、平均28dBというノイズキャンセリングレベルを達成している。
通話ノイズリダクション機能も独自の進化を遂げている。3つのマイクに加え、新たにAI搭載の骨伝導マイクを1基追加。話者の声の振動を直接検知する仕組みで、最大90dBの騒音下でもクリアな音声を通話相手に届けることを目指す。
サウンドの要となるドライバーには「11mmクアッドマグネットダイナミックドライバー」を搭載。高音質コーデックLDACに対応、Hi-Res Audio Wireless認証も取得済みだ。
さらに、6軸ヘッドモーションセンサーによるヘッドトラッキング対応の空間オーディオは、イヤホン本体の演算能力で処理されるため、接続デバイスを問わず利用可能。設定アプリもiOS、Android版「HUAWEI Audio Connect」アプリが利用可能と、スマホの機種を問わずに使える環境も整備されている。
外観にも触れておこう。筐体は軽量なプラスチック製で、充電ケースは指紋が付きにくいマット仕上げ。カラーはホワイト、ピンク、ブラックの3色展開。イヤホン本体、ケースともに全体的に丸みを帯びた滑らかなデザインは、見た目にも馴染みやすく、洗練された印象を与える。XSサイズを含む4サイズのイヤーチップが付属していて、多くのユーザーにとって快適な装着感で利用可能だ。
リスニングから通話まで、死角なしのノイズキャンセリング
実機の検証を始めていこう。まずはANC性能を確かめるべく、発売前のHUAWEI FreeBuds 7iを屋外に持ち出した。ノイズキャンセルはイヤホン操作で設定できるほか、専用アプリ「Audio Connect」で、環境に応じて自動調整する「ダイナミック」モードを選択する。
都内の地下鉄車内で装着すると、その瞬間に「ゴーッ」という走行音や空調の音がすっと遠のくのがわかる。-28dBというスペックは伊達ではなく、電車が走行時に発生する重低音のノイズはほとんど聞こえないというレベルにまで抑制され、この点はトップブランドの製品に迫るほどの静寂だ。路上では標準モード、自宅で静かな環境下ではくつろぎモードと、シチュエーションに応じた使い分けも設定可能だ。
そして、もう1つのノイズキャンセルが通話マイク。外出先でも、音楽リスニング中に電話を受けるという機会も多いだろう。実際に駅構内で試してみると、電車の騒音が聞こえる駅での通話というシチュエーションでも、声は非常にクリアに相手方へ届いていたようだ。
骨伝導マイクの恩恵は大きく、周囲の車両走行音はほとんど拾わず、自分の声だけを的確に捉えている印象を受ける。自宅でのビデオ会議で試してみると声そのものの音質も良く、ビジネスの通話目的でも活用できる実用性だ。