世界初“トライブリッド3ドライバー”は「鳴りっぷりが気持ちいい!」。AVIOT「WA-J1」は音楽の本筋に引き込むヘッドホン
高橋 敦AVIOTは、ワイヤレスイヤホン&ヘッドホン分野において先進技術の導入に積極的なブランドだ。音質面においても、新しいドライバー形式やドライバー構成をいち早く採用することでその優位を確立。同社が新たなドライバー技術に挑戦したモデルは、常にその時点の同社を象徴する力作だったとも言えるだろう。
そんなAVIOTから、同社が展開する “Jシリーズ” 初のワイヤレスヘッドホン「WA-J1」が発表された。本機は、オーバーヘッド型ワイヤレスヘッドホンでは世界初※1となる「トライブリッド3ドライバー」を採用しての登場。すなわちAVIOTの力作、その系譜に連なるモデルだ。
今回はその挑戦的な技術や新提案、充実の機能やスペックといった本製品の魅力を、超先行でお借りした実機で確認しながらお伝えしていこう。
ダイナミック/平面磁気/ピエゾ型による“世界初”※1「トライブリッド 3ドライバー」を搭載
何はともあれ、まずはトライブリッド3ドライバーからだ。ダイナミック型と平面磁気駆動型とピエゾ型を各1基ずつ、3種3基のドライバーによるハイブリッドドライバー構成。中でも今回の要点はピエゾ型ドライバーだ。
ピエゾ型は、機械的な動作を経ず、振動板であるピエゾ素子自体が音声の電気信号を振動に変換して音を発生させる仕組みのドライバーだ。そのダイレクトさのおかげで微弱な信号への応答性などに優れ、機械駆動系を持たないため製造誤差による音のばらつきも生まれにくい。
本機はそのピエゾ型ドライバーを、その優位が特に発揮される高域域から超高域の再生用に搭載。そしてリング形状ピエゾ型の後方に、そのリングの穴を通して音を届ける形で平面磁気駆動型、さらに後方にダイナミック型を配置した同軸配置によりドライバー間の位相ズレを抑え、スムースなつながりでの広帯域再生を実現している。ダクトやチャンバーの配置等、ハウジング設計による音響調整も万全だ。
その音響性能を活かす高音質コーデックとしては、スマホ等の側での採用率も高いLDACコーデックを採用。省電力や低遅延の面に優れるLC3コーデックにも後日のアップデートで対応予定となっている。
サウンド周りでは、好評の同社3Dスペーシアルオーディオの進化版、アドバンスド・3Dスペーシアルオーディオの搭載も要注目。同社スペーシアルオーディオの好評の理由は、派手なサラウンド空間を作り出すのではなく、ステレオ音源の立体的な広がりを素直に拡張してくれること。
加えて、今回のアドバンスドにおいてはその拡張の具合を、響きの少ないデッドな空間から反響豊かな空間までを、後述するダイヤル操作でレベル調整できるようになった。従来の素直な効き方を好む方にはその素直さの中での微調整を、もっと派手な効き方を好む方にもそれを提供し、より幅広いニーズに対応するようになったというわけだ。