世界初“トライブリッド3ドライバー”は「鳴りっぷりが気持ちいい!」。AVIOT「WA-J1」は音楽の本筋に引き込むヘッドホン
「WA-J1」音質レビュー:「まとめ上げられた一体感のある鳴りっぷりが気持ちいい!」
では最後にそのサウンドについてお伝えしていこう。接続環境はノイズキャンセリングON、EQバイパス、LDACコーデックでチェックした。
ハイブリッド云々ピエゾ云々を特に意識させないレベルにまでまとめ上げられた、一体感のある鳴りっぷりが気持ちいい!意識して聴き込めば低音の充実や超高域の空気感などにハイブリッドの効果も感じられるが、基本そんなことは気にさせず音楽の本筋に引き込んでくれるヘッドホンだ。
星街すいせいさん「もうどうなってもいいや」では、ベースにたっぷりとしたふくよかさを持たせつつその膨らみをミドルレンジには被せず、主役であるボーカルのためのスペースを確保。さらにそのボーカルはクリアな音像とスムースな手触りも備え、エレクトリックな世界観の中でも際立つ存在感で浮かび上がる。
ギターの軽く歪んだエッジ感の出し方もよい。ベースの充実はダイナミック型、ボーカルのクリアさは平面型、ボーカルとギターの感触はピエゾ型の活躍によるのかもしれないが、でありつつも前述のように最大の魅力はそれらの全体の調和や一体感。さすがイヤホンにおいてハイブリッド構成に長年取り組んできた同社らしい仕上げ方だ。
再生側に癖があると違和感が出やすいアコースティック楽曲、ジュリアン・ラージさん「Double Southpaw」との相性も確認したが違和感は全くなし。ボーカルの有無もエレクトリックかアコースティックかも選ばない、幅広い対応力がありそうだ。
スペーシアルオーディオのレベル調整もチェック。5段階調整が可能なのだが、そもそもの効き方が自然なこともあり、これ1段階の調整を聴き分けるの無理では?というくらいの微調整が可能。なので例えば「レベル1-2で常時オン」のような使い方をしても違和感を覚えることはなさそう。その上で特に空間性がほしい曲では4-5に上げられるわけだ。なるほど従来のオンオフ二択より活用しやすいように思える。
なお試聴中にはマルチコントロールダイヤルによる音量調整のしやすさも実感。少しずつ回しての微調整、ぐいっと回しての大まか調整、どちらもコントロールしやすい。またiPhoneとのAAC接続も確認。超高域の不足でギターのエッジ感が弱まったりはしたが、鳴りっぷりの一体感や全体の調和はそれに影響されず健在。本機の魅力は十分に発揮された。
AVIOT「WA-J1」はあらゆる面でハイレベルであり、同社ノイズキャンセリング搭載ワイヤレスヘッドホンの最上位モデルとして納得の完成度だった。
また、ピエゾ+ダイナミックの「ハイプレシジョン2wayドライバー」を搭載した “Jシリーズ” の最新完全ワイヤレスイヤホン「TE-J2」も発表されている。
さらに、LʼArc-en-Ciel等で活躍するヴォーカリスト/アーティストHYDE氏とのコラボモデル「WA-J1-666」「TE-J2-666」も登場。鮮烈なデザインとスペシャルなサウンドチューニング、ヘッドホンの操作をアシストする音声も新規に収録しているというので、今回のWA-J1とあわせて、今後も同シリーズに注目だ。
※1 : AVIOT調べ。2025年5月時点。オーバーヘッド型ワイヤレスヘッドホンとして。
(協力 : プレシードジャパン)
