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公開日 2026/08/24 16:42
1型から100型まで幅広いサイズを製造可能

LG Display、次世代の有機EL製造技術「FLiPP」を発表。輝度/寿命の向上、生産性改善などに期待

ファイルウェブ編集

韓国LG Displayは、従来のファインメタルマスク(FMM)方式とは異なる新たな有機EL製造技術「FLiPP(FMM-Less innovative Pixel Patterning)」を、韓国・釜山で開催された国際会議「IMID 2026」にて世界初公開した。





FLiPPは、10年以上にわたり有機EL製造の主流となっているFMM方式を置き換えることを目指した新たなパターニング技術。


FMM方式では、微細な穴を開けた金属板を用意し、穴を通してステンシルのように赤/緑/青(RGB)の有機材料を基板上へ蒸着する。この方式では、パネルのサイズや解像度が変わるたびに高価な金属板を用意する必要がある、金属板が大型になるほど自重で中央部がたわみやすく、位置ズレや混色の原因となるなどの課題が存在した。


これに対しFLiPPでは、金属板の代わりに半導体製造などでも使われるフォトリソグラフィ技術を活用。RGBの有機材料を基板上にコーティングしたのち、精密な紫外線(UV)照射によって不要な部分を除去することで、微細なパターンを形成する。


FMM方式と比較した場合、FLiPPで製造したパネルは画素の発光領域の割合を示す開口率が約55%向上。これにより、輝度は最大1.6倍、寿命は2.4倍に向上しつつ、消費電力を13%削減できるという。


また、パネルサイズや解像度の制約を受けない点も長所であり、理論上は1型から100型までのディスプレイを製造可能とのこと。


さらに同社では、既存の大型Tandem WOLED生産インフラと技術ノウハウも活用することで、面積の大きな第8.5世代マザーガラス(ガラス基板)を小分けにせず、1枚まるごと有機ELパネルに加工することが可能になるとアピール。


他の有機ELパネル製造方法ではマザーガラスを小さく分割する必要があるのに対し、FLiPPならばマザーガラスの利用効率を最大64%高められる(ノートPC用有機ELパネルの場合)といい、材料のムダの削減や生産性向上が図れるとしている。


上述のような特性から、同社はFLiPPをVR/AR用ディスプレイまで幅広く適用できる「究極の技術」と説明。タブレットやモニターなどのIT向け製品への導入を皮切りに、1型のウェアラブル機器から超大型テレビまで展開を拡大していく計画だという。


同社CTOのチェ・ヨンソク氏は、「独自のWOLED技術とノウハウを結集させることで、“夢の技術”とも呼ばれる次世代有機ELパターニング技術『FLiPP』の実現に成功した。IMIDを通じて次世代有機EL技術をリードし、市場での差別化を加速させていく」とコメントしている。


なお今回のIMID 2026において、同社の次世代有機EL TVパネル駆動技術「Hyper Double Scanning(HDS)」が「Display of the Year Award」を受賞したことも合わせて発表されている。

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