TAD、ブランド初のプリメインアンプ「TAD-A1000」。長年培ったプリ/パワー技術を融合
2025/09/04
テクニカル オーディオ デバイセズ ラボラトリーズ(TADL)は、革新的な技術を取り入れることをコンセプトとする “Evolutionシリーズ” から、デジタル入力を搭載したプリメインアンプ「TAD-A1000D」を10月下旬に発売する。価格はオープンで、予想実売価格はシルバーモデルが税込4,180,000円前後、ブラックモデルが税込4,235,000円前後。ブラックモデルは受注生産となる。
本製品は、2025年に発売したブランド初のプリメインアンプ「TAD-A1000」(以下、A1000)のアナログ設計を継承しつつ、同ブランドが長らく培ってきたデジタル信号処理技術とDAC回路技術を追加/融合したモデル。
Evolutionシリーズのスピーカーと組み合わせることで、アナログ/デジタルどちらの再生においても、力強さと透明感を高次元で両立するTADらしいサウンドを味わえると説明。一方でA1000も販売を継続し、純粋なアナログ再生の魅力を追求したいユーザーのニーズにも幅広く応えるとしている。
増幅回路は上述の通り、入力から出力まで独立したアンプをバランス接続するBTL方式をA1000から継承。正負電源の対称性を確保するとともに、電源トランスの巻線から整流、平滑、安定化回路までを左右独立設計とし、部品配置や基板パターン、配線長に至るまで対称性を追求した。
基準となるアースポイントも、プリアンプ、パワーアンプ、新たに搭載したデジタル入力の各ステージで完全に分離。正負および左右の対称性を徹底することで、スピーカーのボイスコイルへ流れる正負電流源を一致させ、振動板の正確なドライブを実現するとしている。
電源部には、大容量トロイダル型電源トランスを用いたリニアレギュレーター方式を採用する。トランス内部の巻線を直出しすることで接点を減らし、純度を向上。直出し線のターミナルや基板マウントターミナル、締結ビスには純銅および非磁性メッキを採用して、磁性歪の徹底排除を図った。
また、リング型のトロイダルコアを導入することで巻線との結合を高め、リーケージと振動も低減。このトロイダル電源トランスをパワーアンプステージ用/プリアンプステージ用/コントロール用のすべてに採用することにより、高純度で応答性に優れた強靭な電源供給を実現し、正確なスピーカー駆動を引き出すとしている。
新たに装備したデジタル部では、SACD/CDプレーヤー「TAD-D700」の開発で培った技術を活用した超高C/Nマスタークロック回路「第三世代UPCG(Ultra High Precision Crystal Generator)」を搭載する。
低位相ノイズを追求した「SCカット水晶片」により、常温発振時の温度偏差を最小化することで熱衝撃を回避。高純度/長寿命かつ極めて安定した高C/Nを確保し、卓越した空間表現とともにしなやかで力強い音を奏でることが可能だという。
D/A変換部には、独自の電流帰還型アンプをI/V変換回路に用いた「高純度DAC回路」を搭載。DACの出力電流を直接帰還する構成とし、シンプルな回路による信号変換を図った。回路の低インピーダンス化によって耐ノイズ性能も高め、後段のプリアンプステージへ信号を伝送するとしている。
プリアンプ部には、Referenceシリーズにも採用している1段増幅電流帰還型アンプをフラットアンプ部に搭載。FETデバイスを1個ずつ測定したうえで、プラス側とマイナス側の素子をペアリングすることで、コンプリメンタリ性と回路動作の安定性を高めている。
アナログ入力はバランス3系統(100kΩ)とアンバランス2系統(50kΩ)。デジタル入力はXLRバランス、同軸、光、USBを各1系統備える。USB入力は最大PCM 384kHz、DSD256(11.2MHz)に対応。XLR/同軸デジタル入力は最大192kHz、光デジタル入力は最大96kHzをサポートする。
USB入力には独自の「アシンクロナスUSB伝送エンジン」を採用。FPGA内部回路の動作遅延を低減することで、ローレベル領域における歪特性の改善を図っている。
ボリュームには、TADオリジナルのラダー抵抗切替型電子ボリュームを採用。1Vrms入力時で0.0005%以下の低歪率と、高精度なアッテネーター特性を実現するという。フロント中央の大型ボリュームノブには高精度ボールベアリングを内蔵し、滑らかな操作感を追求した。
内部構造は、プリアンプ、パワーアンプ、デジタル入力、電源トランス、コントロールの各ブロックを分離した「5BOXチャンバー構造」。各回路間の干渉や外部振動の影響を抑えるとともに、安定したアース電位の確保を図っている。
筐体底面には、スパイク内蔵型インシュレーターによる3点支持構造を採用。床面から伝わる振動の影響を抑えるISOマウント構造とし、荷重点を明確化することでアイソレーション性能の向上を図った。また、背面のスピーカーターミナルには、Referenceシリーズでも採用する大型タイプを搭載。機械的・電気的な接続安定性を高めたという。
このほか各部の素子には、磁性歪を徹底的に排除するための非磁性部品や、厳格に選別/ペアリングしたFETデバイス、試聴と吟味を繰り返して開発したカスタムメイド電解コンデンサーなど、厳選した高品位パーツやTADオリジナルパーツを投入している。
定格出力は250W(1kHz、4Ω)、定格歪率は0.05%以下(1kHz、4Ω、125W)。S/Nは100dB以上、周波数特性は10Hz - 50kHz(+0dB/-3dB)、利得は41.5dB。
外形寸法は440W×200H×553Dmm、質量は31kg。消費電力は130W、待機時消費電力は0.5W以下となる。