公開日 2022/10/22 07:00

画像生成AIに「めちゃくちゃ音質の良いオーディオシステム」を描いてもらった結果

小口径ユニットがお好きなご様子
風間雄介
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
画像生成AIも、すっかり一般社会に溶け込んだ感のある昨今。特に、8月に無償公開された「Stable Diffusion」が拍車を掛けた印象だ。

Stable Diffusionの実行環境をダウンロードし、ローカル環境で使えるようになっただけでなく、写真加工ソフトに搭載されたり、チューニングして二次元イラストを生成するサービスが作られたり、日本語でも使えるサービスができたりなど、可能性がどんどん広がっている。

当サイトではこれまで2回ほど、画像生成AIに「ヘッドホンを着けたネコ耳美少女」を描いてもらい、記事化した(1回目/2回目)。けっこう完成度的に謎なものも多かったが、なかには鑑賞に堪えるものもあった。

だが、AIの学習速度はめざましい。今回、LINEからリクエストすると、Stable Diffusionをベースにしたイラストを返信してくれる「イラストお絵描きばりぐっどくん」で、同じように描いてもらったところ、「もうこれでいいじゃん」と言いたくなるクオリティのものが出てきた。

ちょっとヘッドホン歪んでるけど、これより上手く描ける自信がない

そこで今回は、ちょっと趣向を変えてみた。MidjourneyでもStable Diffusionでも、初期段階では、ハイファイオーディオ関連のリクエストをすると、何がなんだかよくわからない結果が返ってきて、とても記事化するどころではなかった。AIがオーディオ関連の画像を学習していなかったのだろう。

今ならどうだろうということで、「お絵描きばりぐっどくん」(少しややこしいが、二次元イラストが得意な「イラストお絵かきばりぐっどくん」とは別のもの)に、オーディオ関連の絵を描いて欲しいと依頼してみた。日本語で依頼できるのが、すごくラクだ。

さて、まずは「超高級なオーディオシステム」と、非常にシンプルな文言で依頼をしてみた。待つこと数秒。出てきたのがコレだ。

おおっと…

…なんとなく、AIが言いたいことはわかる。スピーカーにはたくさんユニットが付いてるし、真ん中のウーファーはデカい。なぜトゥイーターっぽいものが一番下にあるのか気になるが…。

それにしても、右にある物体群はなんなんだ。一番上にある横長の物体は、スピーカーのようにも見えるが、ウーファーらしきものが溶解しており、よくわからない。オーディオラック(?)の下にある物体群も、ケーブルがわけのわからない生え方をしていたりなど、意味不明だ。AI、たぶん途中で諦めたな。

違う方向から攻めてみよう。次に「めちゃくちゃ音質の良いオーディオシステム」を描いて欲しいと頼んでみた。その結果がコレ。

どうした?

…なんなん、これ。なぜテレビ? しかもブラウン管? どうして4対3? なんで画面部分がサランネットみたいなので覆われてるの?

そして最大の謎。下の方に1個だけ付いてるジャックはいったい何?何を差せばいいの?

…と、突っ込みどころが満載だが、これは後から考えてみたら、私のお願いの仕方、書き方が悪かった可能性が高い。「めちゃくちゃ」が「absurd」などと訳されて実行されていたら、この結果もうなずける。

「オーディオシステム」という書き方がざっくりしすぎているのかもしれない。もうちょっと詳しく指示してみよう。ということで、次なるお願いは「メチャクチャ音質の良いスピーカーとオーディオプレーヤー、プリアンプ、パワーアンプ」。何を描いて欲しいかを、具体的に頼んでみた。すると、やはり見違えるほど結果が良くなった。

ちゃんとオーディオっぽい!それだけで感動

なぜアンプらしきものの上にスピーカーが乗っかっているのかとか、ノブが曲がってて不安に感じるとか、細かな突っ込みどころはある。ただ、それらは些細なことだ。しっかりとオーディオシステムらしきものが描かれている。

この結果を見て、俄然調子が出てきた。次は機器のアップではなく、部屋に置かれた高級オーディオを描いてもらいたくなった。そこで「調音された、豪華なオーディオルームに置かれたトールボーイスピーカーとオーディオシステム」とお願いした。

ほう…

…なんとこのAI、「調音されたオーディオルーム」というイメージを、しっかり表現してきた! 天井には調音材らしきものが貼られているし、壁も吸音材なのかな、と思われる材質に見える。

そして、そこにそびえ立つ、2つの巨大なスピーカー。どうやらこのAI、スピーカーはペアで使うものという常識は持ち合わせていないようで、2台のスピーカーは大きさもユニット構成もまったく異なっているが、ともかくも、立派なスピーカーをがんばって描いてくれた。大満足だ。

実験ついでに、AIの見解を知りたいと思い「世界で一番音の良いオーディオシステム」というお題で描いてもらった。

思いがけない結果

出力されたのは、なんと意外なことに、小口径のドライバーユニットが2つだけ、というもの。とても、世界一の音を奏でるとは想像もつかないが、小口径の方がレスポンスが良いからね、とAIは言いたいのかもしれない(違うとは思うが)。


ついでに「日本で一番音の良いオーディオシステム」をお願いしたら出てきたのがこれ。日本=狭い=デスクトップという連想なのか?(たぶん違う)

ということで、だいぶというか、かなりこなれてきた画像生成AI。たった数ヶ月でここまで進化するとは驚きだ。すでに二次元イラスト共有サイトなどでは、AIが描いたイラストをどう扱っていくべきか、熱い激論が交わされている。

こういった劇的な進化を目の当たりにしていると、こういうアホな記事を書くAIはまだ現れないだろう、と楽観もできなくなってきた。仕事を奪われないよう、引き続きがんばっていきたい。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 アイ・オー「RECBOX」がパナソニック「miyotto」に対応
2 100年の歩み、ここにあり。ラックスマン「L-100 CENTENNIAL」「D-100 CENTENNIAL」の音質と技術を徹底レビュー
3 DALIのコンパクトスピーカー「KUPID」は国産家具ブランドにマッチ!5カラーの置き方をプロが提案
4 「今、売れているオーディオアクセサリー」<売れ筋ランキング11月 番外編>
5 LG、世界初の「RGBストライプ」「240Hz駆動」両立した4K有機ELパネル
6 Campfire Audio、グリーンのアルミ筐体を採用した10BAイヤホン「Andromeda 10」
7 得意のソフト開発力で独自R-2Rの音を深化!HiBy「RS8 II」のサウンドをプロトタイプで先行体験
8 Cayin、最大出力560mWの“ハイパーモード”搭載ポータブルDAC/アンプ「RU3」
9 着工後でも100型/4.1.2chを叶えた、マンションのペンション風LDK
10 LG、積層型有機ELディスプレイの新ブランド「Tandem WOLED」「Tandem OLED」
12/25 10:49 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX