PR 公開日 2025/03/18 06:30

MUTEC「MC-3+USB」は“評論家が手放せない”リクロッカー。Qobuz再生で魅力を再検証!

BluesoundとDELAでQobuz再生をテスト!

スタジオ由来の技術を誇るドイツ・MUTECのUSBリクロッカー「MC-3+USB」。本機をQobuzのグレードアップに用いるとどうなるか、評論家の角田郁雄氏が、DELAとBluesound製品で検証した。

MUTECのリクロッカー/DDコンバーター「MC-3+USB」(上・オープン価格/市場想定価格 199,000円/税込)と10MHzマスタークロックジェネレーター「REF10 NANO」(下・オープン/市場想定価格  286,000円前後/税込)

クロック精度を向上する1Gクロックテクノロジーを搭載

ホームオーディオだけではなく、プロオーディオにも関心のある私が手放すことができないデジタルプロセッサー。それが、ドイツのMUTECが発売する「MC-3+USB」です。発売以来、ロングランとなっていて今でも愛用者が増えているようです。

その代表的な技術は、「1Gクロックテクノロジー」を採用したリクロック回路です。1GHzという高い周波数帯域で、DDSプロセス処理されたクロック信号を送り出すものです。DDSとは「Direct Digital Synthesis」の略で、簡単に説明するなら、不要な帯域外高調波(スプリアス成分)を排除し、必要とする高精度なクロック周波数だけを生成することが大きな特徴です。

この技術は、現在、多局化したFM受信機にも応用されていることもあります。遠方の放送局の微弱な電波まで、近接周波数の影響を受けないように受信するためです。

この技術によって、優れたジッター低減と低位相ノイズを実現した、高精度なクロックを生成します。入力されたデジタル信号をそのクロックに同期させ、リクロックし、高精度なデータで出力します。ですから、外部クロック入力のないDACでも、高精度クロックを使うのと同等の高音質化が実現できるのです。内部基板には、外来ノイズを低減するため表面実装パーツが採用され、伝送距離も最短で精密感を漂わせています。

MC-3+USBレビュー:Qobuz再生でも空間再現性が明らかに向上

そのMC-3+USBですが、ハイレゾ・ストリーミングのQobuzでも効果を発揮するので、今回はその使い方例と音質を紹介したいと思います。再生システムには、オプションのデジタル入力ボード「DAC-60」を搭載したアキュフェーズのプリメインアンプ「E-800S」(A級)とデンマーク生まれDALIのスピーカー「RUBIKORE 6」を使用します。

アキュフェーズのプリメインアンプ「E-800S」(1,265,000円/以下税込)にオプションボード「DAC-60」(99,000円)を装備。スピーカーはDALIの「RUBIKORE 6」(1,056,000円/ペア)

ネットワーク環境としては、DELAのミュージックライブラリー「N5」(SSD搭載モデル)を使用します。再生アプリには「mconnect player HD」を使い、iPadから再生します。このアプリはDLNA/UPnPに対応しているネットワークプレーヤーを操作できるもので、アプリ内でQobuzと連携し、再生することができます。ですから、DELAからもQobuzが再生できるのです。私もこの操作性が気に入って使い続けています。

「mconnect Player HD」の操作画面。UPnP対応のデバイスの操作アプリとして利用可能で、アプリ内でQobuz再生にも対応。ここではDELAの「N50」をプレーヤーとして、Qobuz再生を行っている

アキュフェーズの「E-800S」(+DAC-60)は、USB接続においても高解像度で空間性に溢れた高音質を実現しますが、今回は、N50のUSB出力を「MC-3+USB」に接続し、そこからS/PDIFケーブルで「E-800S」に接続します。N50とE-800Sの中間に、MC-3+USBを設置した形です。S/PDIFケーブルは、同じくMUTECのBNCケーブル「PC75BB(75Ω)」(オープン、市場想定価格27,720円税込/0.5m)を使用しました。(なお、DAC-60はRCAデジタル入力のため、BNC→RCA変換コネクタを使用しています)

DELAとアキュフェーズのDACの間に「MC-3+USB」を設置

その音ですが、誰もがすぐさま分かるほど解像度が向上し、空間描写性が高まることが大きな特徴です。特に、今まで聴こえてはいましたが、気にも留めなかった空気感や僅かな物音までもクローズアップされたことには感激しました。これは、明らかに本機の高精度リクロック回路により、伝送ジッターが低減され、高精度なデータを創出した効果です。

DELA→[USB出力]→MUTEC「MC-3+USB」→[S/PDIF出力]→アキュフェーズの「DAC-60」へ。またREF10 NANOからのクロックも接続されている

ピアノの透明感が高まり細やかな響きを感じ取れる

私が愛聴するECMレーベルでは、「静寂の次に美しい音」をテーマにしていますが、特にトルド・グスタフセン・トリオの「OPENING」では、ピアノの透明感が高まり、シンバルの強い打音の中にも、美しい細かな響きが重畳されていることが分かりました。これは、ドラムスの響きでも確認でき、柔らかな質感が加わります。ベースにも木質感を感じてしまいます。
MC-3+USBを活用した場合、UPnPデバイスに機器名が表示される

グスタフセンのヴォーカル曲、「What Was Said」では、驚くほど生々しい女性ヴォーカルの歌唱が聴け、ピアノとドラムスが絶妙なタッチで音楽を創り上げていきます。このディテールが美しいです。静けさを引き出すことも特徴です。

愛好家の間でも有名なキース・ジャレットの「ケルン・コンサート」を聴いてみてください。響きに透明感が加わり、豊かな倍音が一層加わった印象を受けるはずです。聴きどころのキーポイントは弱音の再現性です。弱音から強音までのダイナミックレンジが拡張され、DACチップの変換特性が向上し、高解像度化された感覚を覚えます。

さらなるグレードアップとして、MUTECの10MHzマスタークロックジェネレーター「REF10 NANO」を本機に接続します。すると、これらの高解像度特性がさらに向上し、驚くほどの生々しい演奏が空間描写されます。特に、空間の幅や奥行き感が向上し、奏者の実在感が高まります。より静けさを引き出すことも魅力です。この2機種のコンビネーションは、格好良く、オーディオマインドを掻き立てるところがありますね。いつかはアップグレードしてみて下さい。

クロックジェネレーター「REF10 NANO」をさらに追加したところ

Bluesoundのネットワークプレーヤーにも効果的

次にBluesoundの新製品「NODE ICON」をネットワークトランスポートとしても活用してみようと考えてみました。「NODE ICON」→「MC-3+USB」(RCAデジタル受け、RCAデジタル出力)→「E-800S」のDAC-60(RCAデジタル)というデジタル・チェーンです。この音も、前述と同様の特性が実現し、ESSのDACチップがより一層活かされている感覚を憶えます。

Bluesoundの「NODE ICON」(左・オープン価格/市場想定価格は税込220,000円前後)

これらの音質向上効果で重要な要因として考えられることは、高精度クロック生成とリクロックだけではなく、複雑なクロック処理やフォーマット変換などが、DACやネットワークプレーヤーの外部で独立して行われているからだと推察されます。DACがデジタル処理の干渉を受けないからでしょう。そして、デリケートなデジタル信号を高精度なクロックに同期させ、リクロックさせ、デジタル信号の精度を高めます。

オーディオは、単に高音質音楽再生だけが魅力ではなく、操作や音質変化も楽しめるところも魅力だと考えています。そういう意味合いにおいても、MC-3+USBは取り組み甲斐があり、楽しいのです。軽くて、色々なデジタル機器で試せる。価格も、プロ用機器の技術を投入したこの内容を考えればリーズナブル。だから、ロングセラーになっているのだと思います。

個人的には、ダンジェリン・ドリームの「naum」が素晴らしかったです。色彩感に溢れたシンセなどのキーボードの響き、躍動のベースライン。実にオシャレなプログレ・ハウス・ミュージックです。この音楽の魅力を、MUTECはスタジオ・クオリティで引き立ててくれました。

NODE ICONの操作アプリ。タンジェリン・ドリームの「Raum」は角田氏の愛聴盤

私の自宅では、MC-3+USBをCDトランスポートとDACの間に設置して、今までコレクションしてきたCDの高品位再生も行っています。驚くほどに解像度が高く、生々しい演奏を空間に描写するために、もはや外すことができない存在となってしまっています。音質向上だけではなく、音楽に深みや躍動を加えてくれるという意味合いでも、私にとって不可欠な存在です。

ぜひ、MC-3+USB、そして、REF10 NANOやREF10との組み合わせの音や操作感を専門店で試して欲しいと思うところです。

(提供:ヒビノインターサウンド)

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