公開日 2022/10/15 06:40

第2世代AirPods Proの凄さと残念なところ。第1世代機との違い、他社最新機との比較レビュー

「魔法を再設計」は本当か
風間雄介
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

空間オーディオやアップル製品同士の連携など、AirPodsならではの利点



AirPodsシリーズは、アップルが推進しているイマーシブサウンド技術「空間オーディオ」に対応している。これは第1世代から変わっていないが、空間オーディオそのものが進化していること、第2世代AirPods Proでより表現力が高まったことから、さらにその魅力が増した。

Apple Musicを利用していれば、対応楽曲が自動的にドルビーアトモスで再生される。最新の空間オーディオ対応楽曲は、広がり感と定位感を両立させた、クオリティが高いものも次第に増えてきている。これらの楽曲を楽しめるのは嬉しいポイントだ。

またNetflixをはじめとした映像配信サービスにおいても、空間オーディオによる体験の向上を、わかりやすく感じられるはずだ。イヤホンで聴いているのに、まるでスピーカーで聴いているような、広がり感と臨場感あるサウンドが楽しめるのだ。

しかも、空間オーディオの「ダイナミックヘッドトラッキング」をオンにすると、画面位置や頭の動きに合わせて音像定位が変わり、まるで画面から出ている音を直接聴いているような感覚が得られる。

音質のパートで説明したように、第2世代AirPods Proはメリハリのあるサウンドに進化した。これが映画やドラマの視聴にも、大変良い効果をもたらしている。つまり、より迫力と臨場感あるサウンドで映像作品を楽しめるのだ。これを一度体験してしまうと、ほかの空間オーディオ非対応モデルに戻るのが難しいと感じてしまうほどだ。

なお、これは第2世代AirPods Proだけの機能ではないが、空間オーディオの効果をさらに高める機能もiOS 16に加わった。iPhoneのTrueDepthカメラと連係し、ユーザーの頭の形をもとにカスタムプロファイルを作成。そのプロファイルを使って空間オーディオを最適化するというものだ。色々と試してみた結果、この機能がもっとも効果を発揮するのはAirPods Maxだと感じたが、第2世代AirPods Proでもその恩恵が得られることを確認できた。

そしてもう一つ、アップル製品ならではの利点がある。MacやiPhone、iPadなどのアップル製品と組み合わせて使っている際、スムーズに接続を切り替えてくれる機能だ。この機能、以前は思った通りに動作しない(希望していない接続先の音に切り替えてしまう)こともあったが、最近ではそういったこともほぼなくなった。何も操作しなくても、あるいはかんたんな操作で、接続したい機器にすっと切り替わる。アップル製品を多く使っている方にとっては大きなメリットだろう。

iPhoneなどアップル製品の場合、ペアリングがとても簡単なのも利点の一つだ

通話機能・通話性能をチェックする。発話時にも大きなメリット



通話機能や通話性能についてもチェックした。ビデオ通話がメジャーになり、イヤホンを装着して会議や授業に参加したり、といったことが増えた。第2世代AirPods Proのマイク性能はどのように進化したのだろうか。

編集部員に、私が話す声を聴いてもらった。第1世代AirPods Proの声も悪くはないが、あえて言うなら、少し付帯音が気になるとのことだった。それに対して第2世代AirPods Proの声は、とてもクリアで自然に聞こえるという。実際に聴き比べた感想からも、はっきり分かる程度の差がある。

内向きのマイクを工夫することで、通話性能をより向上させた。実際の実験でも、第1世代機よりクリアな声を届けることができた

話している当の本人からしても、第2世代AirPods Proの方が、圧倒的に快適だ。私は自分が発言する際、必ず外部音取り込みをオンにする。おそらくそういう方は多いだろう。ノイキャンをオンにすると自分の声が聞こえなくなり、声量が適切かも分からなくなる。とても話しにくいのだ。

その外部音取り込み時に、話している自分の声がどのように聞こえるか。第1世代AirPods Proでは頭内に残響があり、いわゆるくぐもった状態に聞こえるのに対して、第2世代AirPods Proではほとんど気にならない。今回、第2世代をしばらく使い続けて、第1世代を再び使ってみたら、「これまで、こんなに残響がある中で話していたのか」と驚いたほどだった。

当然ながら、自分の声がエコーのように頭内に響く状態より、それがない状態の方が好ましい。余計なことが気にならなくなるので、より会話に集中しやすくなる。相手に自分の声がクリアに伝わることも大事だが、自分が自然に話せることも同じように重要だ。

次ページ進化したケースもチェック。この価格を出す価値は果たしてあるか?

前へ 1 2 3 4 5 6 7 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 オーディオ銘機賞「ベストバリュー大賞」受賞! DALIの技術と美学を凝縮した「KUPID」の実力に迫る
2 “スイング式”インシュレーターに薄型モデルが登場!セレニティ 静寂-Shijima-の「SWI-10」使いこなしレポート
3 トップクラスのながら聴きイヤホンにさらなる機能性がプラス!Shokz「OpenFit 2+」レビュー
4 <ポタフェス>SHANLING、水月雨監修のポータブルCDプレーヤー「Crossover」世界初公開/ONIX、超小型DAC「Tocata XM2」初展示
5 <ポタフェス>見た目も音もこだわった、HiBy Digitalの「初音ミク」コラボアイテム展示/FAudio「Major」に後継機か
6 大好きな車とバイクを眺める6畳空間に、4K/100型のホームシアターを実現
7 SHANLING、サブミニチュア真空管をデュアル搭載したポータブルDAC/アンプ「UA7」
8 Oriolus、落ち着いた音色と現代的な機能性を両立したBluetoothアンプ「1795MKII」
9 ピクセラ、テレビを見るとポイントが貯まるワイヤレスチューナー「ポイテレ」
10 <ポタフェス>オーディオテクニカ、フラグシップ機「ATH-ADX7000」「ATH-TWX9M2」を堪能
12/15 11:02 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX