公開日 2020/09/11 06:45

もはやクラス超え? マランツ「CD6007」「PM6007」の実力を欧EISAアワード審査員が語る

EISA審査員・オーディオアクセサリー誌編集長が聴く
オーディオアクセサリー編集部 伊佐山(構成:ファイルウェブ編集部 小野)
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

例えば、上記のCD6006 UK EditionはWHAT HI-FI? アワードの「Product of the year」を3年連続で受賞。さらに遡ってみても、PM6004が同じく「Product of the year」を3年連続で受賞している。

これはWHAT HI-FI? アワードに限った話ではなく、EISAアワードでも同様。2016-2017のアワードをCD6006とPM6006が受賞するなど、こちらでも高く評価されている(余談だが、前年度にはNA8005、翌年度にはSA-10とPM-10が受賞するなど、マランツ製品は毎年様々なジャンルで高い評価を受けている)。

EISAのロゴ

ちなみに、EISAアワードを主催するEISA(アイサ)は、正式名称を「Expert Imaging and Sound Association」といい、1982年に欧州の専門誌によって設立された団体。EISAアワードは、カメラ、ホームシアター、モバイルデバイスなど、ジャンルごとに各国の専門メディアの投票によって選定される賞。そのなかの「ハイファイオーディオ」部門において、小社刊行のオーディオアクセサリー誌も選定に加わっており、前述の伊佐山が編集長を務めているというわけだ。

■スペック面での進化ポイントは?

このように、歴代モデルが高く評価され続けてきた人気シリーズに最新世代機が登場したのだから、期待しないわけにはいかない。まずはその進化ポイントをおさらいしておきたい。

まず、CD6007、PM6007ともにDACを前モデルのシーラスロジック「CS4398」から、上位機にも採用されているAKMの「AK4490EQ」に変更。CD6007は新たにUSB接続でも最大PCM 192kHz/24bit/DSD 5.6MHzのハイレゾファイル再生が可能になった。さらに、フィルター1(スローロールオフ)/フィルター2(シャープロールオフ)の切り替えが可能なデジタルフィルター機能も新たに搭載した。

DACをAKMの「AK4490EQ」に変更

スローロールオフはなめらかで広い音場感​、シャープロールオフ​エッジが強く明瞭なサウンドになるとのこと​

CD6007では、新採用のDACに合わせた回路の最適化や、アナログ回路用電源への定電流回路を追加するなどして、ノイズレベルを大幅に改善。特に後者は100Hzで約30dBの改善を見せるなど、低周波数帯で大きな効果を見せているという。

CD6007の内部

またアナログ出力回路は、マランツ独自モジュール「HDAM」を搭載したフルディスクリート仕様。本機のために開発した2,200μFブロックコンデンサーや、MELF型金属被膜抵抗などの新採用パーツを搭載し、左右チャンネルをシンメトリーにレイアウトすることで、チャンネルセパレーションや空間表現力を高めている。

CD6007の背面端子部

さらにヘッドホン出力も強化しており、「HDAM-SA2」型ディスクリート高速電流バッファーアンプと新開発のハイスルーレートオペアンプを組み合わせたものを搭載。オーディオ回路への影響を最小化するため、ジャックの挿抜で自動的に電源オン/オフが切り替わる機能を採用するほか、最大600Ωのヘッドホンを駆動することを想定し、3段階のゲイン切り替え機能を搭載する。

ヘッドホン出力も強化

■B&W「800D3」も鳴らせる駆動力

PM6007は、アンプモジュール「HDAM-SA2」搭載プリアンプ部と「HDAM-SA3」搭載パワーアンプ部を採用しており、構成は前モデルと変わらないが、回路が最適化され、温度変化に伴うアイドリング電流の変動を抑え、動作の安定性が向上している。
※記事初出時、前モデルからHDAMのバージョンが上がった旨の記載をしておりましたが誤りでした。お詫びして訂正いたします。

次ページ「音質的にはひとまわりもふたまわりも大きくなっている」

前へ 1 2 3 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 オーディオ銘機賞「ベストバリュー大賞」受賞! DALIの技術と美学を凝縮した「KUPID」の実力に迫る
2 “スイング式”インシュレーターに薄型モデルが登場!セレニティ 静寂-Shijima-の「SWI-10」使いこなしレポート
3 トップクラスのながら聴きイヤホンにさらなる機能性がプラス!Shokz「OpenFit 2+」レビュー
4 <ポタフェス>SHANLING、水月雨監修のポータブルCDプレーヤー「Crossover」世界初公開/ONIX、超小型DAC「Tocata XM2」初展示
5 <ポタフェス>見た目も音もこだわった、HiBy Digitalの「初音ミク」コラボアイテム展示/FAudio「Major」に後継機か
6 大好きな車とバイクを眺める6畳空間に、4K/100型のホームシアターを実現
7 SHANLING、サブミニチュア真空管をデュアル搭載したポータブルDAC/アンプ「UA7」
8 Oriolus、落ち着いた音色と現代的な機能性を両立したBluetoothアンプ「1795MKII」
9 ピクセラ、テレビを見るとポイントが貯まるワイヤレスチューナー「ポイテレ」
10 <ポタフェス>オーディオテクニカ、フラグシップ機「ATH-ADX7000」「ATH-TWX9M2」を堪能
12/15 11:02 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX