ガジェット 公開日 2025/10/21 16:42

Amazonのオーディオブック「Audible」10周年。さらなるコンテンツ拡充へ、新ラインナップ発表

湊かなえの初オーディオファースト作品『暁星』など
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編集部:平山洸太
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アマゾンジャパンは、オーディオブックサービス「Audible」の10周年を記念し、メディア向けのイベントを開催。これまでの振り返りと、10周年に合わせた取り組みについて発表が行われた。

Audible(オーディブル)は、90万以上の作品をラインナップするという、世界最大級のオーディオブックサービス。ベストセラー、フィクション、ライトノベル、ビジネス書など、プロの声優や俳優による朗読で楽しめるようになっている。2025年は新規制作の作品数を、前年比40%増やしたとしている。

Audibleは1995年にアメリカで生まれ、日本には10年前に上陸。2008年にアマゾンの一員となったあと、同社のサービスのひとつとして拡充されてきた。2022年には聴き放題の会員プランを導入、2025年にはAmazo Music Unlimitedの会員であれば月1冊利用可能になった。Unlimited会員のうち、オーディオブックを利用したユーザーの一人あたりの平均は3.68時間とのこと。

プレゼンを行ったAudible カントリーマネージャー 逢坂志麻氏は、Audibleでは「没入感のある映画のような体験」を提供すると説明。ユーザーの「日常生活を豊かにする意味と洞察に満ちたコンテンツ」を届けていくとした。

過去10年間に最も聴かれた作品として、1位から順に『成瀬は天下を取りにいく』『人は話し方が9割』『同志少女よ、敵を撃て』『夢をかなえるゾウ』『ジェイソン流お金の増やし方』『誰かが私を殺した』『サピオエンス全史 上』のようになっている。当初はビジネス書が多かったものの、聴き放題が始まってからジャンルが広がったそうだ。

またユーザー調査において、オーディオブックを聴き始めてから、紙の本や電子書籍の読書量が多くなったと回答したユーザーが増えたとのこと。またオーディオブックを利用することの魅力として、「自分のペースで聞ける」「画面を見る必要がないので目が疲れない」「リラックスできる」という意見があったことも明かされた。

一方で日本では外出時の利用は35%となり、他国平均の45%よりも低いという。逢坂氏は、「移動時間や外出時の活用といった、オーディオブックならではの利用がまだ十分に認知されていない事が考えられる」とし、「日本における大きな成長機会」があると分析。多くのユーザーに寄り添えるサービスを目指していくとした。

■10周年記念スペシャルラインナップを発表

Audibleでは10周年を記念したコンテンツの拡充を実施。オーディオファースト作品の強化、人気作家のオーディオブックの充実、Audibleオリジナルポッドキャストの提供、という3つの取組みを行っていくことを、Audible APAC コンテンツシニアディレクター キーリング・宮川もとみ氏が発表した。

オーディオファースト作品とは、第一線で活動する作家がAudibleのために描き下ろしたという新作作品。2021年に最初の作品を配信し、現在では28作品まで増やしてきたという。

11月11日には、湊かなえの初オーディオファースト作品『暁星(あけぼし)』を配信。全国高校生文化祭の式典中に大物政治家が殺されることを巡り、ストーリーが始まっていく内容となっている。朗読は櫻井孝宏と早見沙織。年明けには英語版/全世界の配信も予定しているそうだ。

加えて、10月31日には林真理子『80代になるとたいていボケるか死ぬ。70代は神様から与えられた特別な時間』、12月にはスコット・アラン『200 GENTLE HABITS 1日1ページ、人生をひらく小さな習慣』を配信する。

また、人気作家のオーディオブックでは、村上春樹の最新長編作品『街とその不確かな壁』(朗読:井浦新)を10月21日から配信。さらに、恩田陸の全15作品を順次配信していく。第一弾として『月の裏側』(朗読:池田成志)、『不連続の世界』(朗読:北村一輝)を10月21日から配信予定だ。

ほか、これまでAudibleで配信のなかった村上龍の44作品、そして朝井リョウの2作品(『桐島、部活やめるってよ』『生殖記』)を順次配信するとのこと。

最後にオリジナルポッドキャストでは、 “聴く授業” だという『A University』を開講。小説家の平野啓一郎が監修し、吉本ばなな、深澤直人、奥田知志などがそれぞれレッスンを務める。有田哲平さん、および上田晋也さんと柴田英嗣さんのオーディオコントも10月21日から配信。人気声優 斉藤壮馬のポッドキャストも同日から開始する。

イベントでは、11月28日配信の恩田陸『Q&A』/村上龍『イン・ザ・ミソスープ』で朗読を行った、俳優の濱田岳さんが登壇。「自分だけの世界だけでなく、読み手のペース、他人のペースで引っ張ってもらってその世界に入っていく。読書だけでは味わえない没入感が、この聴く読書にはあるんじゃないかなと思いながら、朗読をさせてもらいました」と、Audibleの魅力を語った。

また、ともに登壇した作家の中山七里さん。当初Audibleの話を聞いたとき、「いままで本を呼んだことのない方が本を読む可能性がある」と感じ、「文学の世界でも出版不況みたいなことも言われてて、これが意外と突破口なんじゃないか」と思ったそうだ。そこで、すべての著作をオーディオブックにするという試みを行ったとのこと。「これからもっと飛躍する20年30年に向けて、微力ながらお手伝いさせていただければと思います」と意気込みを語った。

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