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公開日 2014/09/05 05:46

<IFA>フィリップスのテレビを一気に「4K&Android化」する ー メーカー幹部に戦略を聞く

来年には4Kストリーミングプレーヤーも発売予定
山本 敦
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IFA2014の会場では4日、フィリップスのプレスカンファレンスが開催された。TP Vision社のCCOであるNico Vernieuwe氏がテレビ商品の「4K化」と「Android化」を宣言した。

TP Vision社のCCO Nico Vernieuwe氏

2014年に発売する液晶テレビのフラグシップ、9800/8900/7900シリーズはいずれも4Kパネルを搭載。49/55/65型のサイズレンジで全13機種のモデルが4K対応になる。8900シリーズは曲面パネルを搭載している。


曲面タイプの4K液晶テレビ 8900シリーズ
フィリップスブランドのテレビ製品は現在、TP Vision社がデザインや製造・販売・マーケティングをグローバルに展開している。同社のChief Commercial Officer(CCO)のNico Vernieuweは「現在ヨーロッパではNetflixによる4Kコンテンツのインターネットストリーミングサービスが始まった。Amazonからも今年度中のインターネット経由での4K配信が始まる予定だ。コンテンツが着実に増えつつある」とし、欧州における4K時代の到来を先見して、一気にラインナップの4K対応を押し進めてきた理由を語った。フィリップスの全ての4K対応テレビがHEVCデコーダーを内蔵しており、HDMI2.0、HDCP2.2に対応している。


4Kストリーミングプレーヤー「UHD880」の開発を発表
カンファレンスの壇上では、来年の発売を目処に4Kストリーミングプレーヤー「UHD880」の投入も検討されており、今年発売の4KテレビにHDMIでつないでNetflix等の提供するストリーミングコンテンツを視聴可能にする。プラットフォームにはAndroid Lが搭載される予定も明らかにした。恐らくアプリを活用したスマートTV系の機能も盛り込まれることが予想される。「価格は249ユーロあたりを想定している。来年発売の4Kテレビには、本機の持つ機能がそのままビルトインされることになると思う」(Vernieuwe氏)。

「UHD880」を片手で持ったサイズ感はこのような感じ

背面にネットワーク/HDMI/USB端子を備える


テレビ製品の「Android化」を一気に押し進める
テレビのAndroid対応も積極的に押し進める展開のひとつだ。今年の秋にトルコで開催されたIFA2014 GPCで初めて披露されたAndroid搭載テレビが上記の9800/8900/7900シリーズをはじめ、同社のテレビ製品に徐々に広がっていく(関連ニュース)。

この戦略はつまり、フィリップスが兼ねてから4Kとともに押し進めてきた「テレビのスマートTV化」を、汎用性の高いAndroidのプラットフォームにより、使い勝手とバラエティに富んだものに高めて行こうというものだ。「グーグルとの協業により、Android 4.2.2をテレビ向けに最適化したプラットフォームが搭載されている」とVernieuwe氏は説明してくれた。


ゲームなど様々なAndroidアプリが楽しめるようになる
Androidベースなので、Google Playストアからゲームやブラウザ、ユーティリティツール的なものも含めたアプリをダウンロードして、テレビ上で楽しむことができる。ストアではGPSを利用するアプリなど、一部テレビ向きでないものについては検索からヒットしないような仕組みも導入されている。

Vernieuwe氏は、今後とくにゲームコンテンツの拡充のために力を入れていく考えを述べた。「テレビをゲームコンソールに変えて、リビングの中核としての位置づけをますます高めて行く。そのために米OnLive社とのパートナーシップも組んで、クラウドを活用したテレビ向けのリッチなゲームサービスも提供していきたい」(Vernieuwe氏)

今年のIFAにはフィリップスとして初めての曲面パネル搭載の液晶テレビが並んだ。果たして曲面液晶テレビは、これからヨーロッパで流行るのだろうか?Vernieuwe氏に訊ねてみた。「特にそのデザイン性の面でマーケットからは強い期待感があると受け止めている。フィリップスとしては画質も含めたプレミアム感を演出しながら、今後フラグシップシリーズを中心に注力していくべき製品カテゴリーだと考えている」(Vernieuwe氏)

フィリップスのテレビには歴代、本体ベゼルの周囲に配置した小さなLEDを様々な色に光らせて、色と明るさを調節しながら、画面に映し出される映像そのものの視聴感を高めるための独自技術「Ambilight」が搭載されてきた。これまでは上左右のベゼルにLEDを配置してコントロールするAmbilightが最新版だったが、

アンビライトも進化。これまでは3サイドだったが、今後は同社製の照明器具である「Hue Beyond」を組み合わせることまでできるようになる。「今後さらにマーケティング戦略として、Ambilightのポテンシャルを訴えかけるようなキャンペーンにも力を入れていきたい」とVernieuwe氏は語ってくれた。

最後に、今年フィリップスが展示するブースに「Dolby Vision」(関連ニュース)の技術を搭載した4Kテレビの試作機によるデモスペースが設けられていた。今後の商品展開への見通しをVernieuwe氏に訊いたところ、「今回はまったくの技術ショーケース。テレビの次世代技術として紹介することが目的で、具体的な製品化の計画はまだ立っていない」という回答だった。これまでにフィリップスがIFAで展示してきた内容を見る限り、新しい技術やトレンドにいち早く好奇心を持って商品化を実現してきたフィリップスだけに、テレビの高画質化に関わる次世代技術を上手に取り込んでくれるよう期待を寄せたくなってくる。

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