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公開日 2007/11/20 18:25

<Inter BEE 2007レポート>ディスプレイ編 − ソニー 23型液晶マスモニ/240p駆動のFED

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「2007国際放送機器展(Inter BEE 2007)」が本日から22日まで幕張メッセで開催される。最新の放送機器やソリューションが紹介される展示会には、今年もフルHD対応ディスプレイやカメラなど業務用機器が数多く出展された。

民生機器同様、最先端の放送機器でもフルHD対応機器が本格的に普及しつつある。実際的な提案を踏まえた上で、今年は各社の独自性が前面に打ち出された出展内容となっている。

今回のレポートでは、はじめにディスプレイ関連の出展について、主要メーカーの展示内容を見ていくことにしよう。会場では、これまで業務用途に普及してきたCRT方式の画質評価用モニターの置き換えを提案する、高性能かつ広い用途に対応できる次世代ディスプレイを各社が展示している。

■ソニーが“TRIMASTER”技術搭載の23型液晶マスターモニターを出展

ソニーは今年の4月に発表した、液晶方式を採用した業務用マスターモニター「BVM-L230」を出展した。発表当時は今秋の発売がアナウンスされていたが、この12月の中頃からいよいよ発売開始されることになった。会場の各所にデモ機が設置されていた。


ソニーの液晶業務用マスターモニター「BVM-L230」
本機にはフラットパネルの長所を活かしながら、同時にマスターモニターとして求められる高画質を実現するための独自技術“TRIMASTER”が採用された。専用パネルは10bitドライバーを搭載し、1920×1080画素の解像度を実現。120Hz駆動に対応させ、動画応答性能も高められている。バックライトは高純度LEDの採用により、広色域を実現。優れた白の均一性や安定した映像再現を可能にしている。またディスプレイエンジンは12bit出力精度を確保し、信号遅延を抑えた高画質I/P変換や高精度カラーマネージメントシステムが採用されている。

信号フォーマットは720×480/60iから1920×1080/60p、デジタルシネマの2048×1080/24p、1920×1200のWUXGAサイズまで多彩な入力信号に対応し、あらゆる放送や映像制作の画像評価用のモニターとして活用することができる。2つの映像信号を入力して、本機単体でピクチャー&ピクチャー表示できる機能も搭載している。


動画表示のデモ

液晶42型のマスターモニター試作機「BVM-L420」も参考展示された
本機をメイン展示するデモコーナーの隣には、42型の液晶マスターモニター試作機「BVM-L420」も出展されている。こちらは同じくTRIMASTERコンセプトを投入した試作機。展示説明員によれば、本機は映画のポストプロダクションの現場などで、CRT方式の大型マスターモニターとして普及していた32型を置き換えるものとして企画。大型フラットパネルタイプのマスターモニターの需要にも今後対応を進めていくため、開発したプロトタイプという。


ソニーのニュース製作用ネットワークシステムによる、国立競技場からのHD映像の生レポートも行われた

サッカー日本代表チームをフィーチャーした展示をメイン会場で展開する
そのほか、ソニーのメインブースではサッカー日本代表チームのサポーティングカンパニーであるソニーマーケティング(株)による、サッカー日本代表チームをフィーチャーしたテーマ展示を展開。会場と代々木の国立競技場をインターネット回線でつなぎ、同社のネットワークシステムによるライブHD映像の送受信デモを行っている。

■FEDは240p駆動パネルのデモを実施

エフ・イー・テクノロジーズは、今年の10月に開催されたCEATEC JAPAN会場にも出展した240p表示対応のFED(Field Emission Display)ディスプレイのデモを行った(関連ニュース)。


19.2型FEDディスプレイによる240p表示のデモ

こちらは液晶ディスプレイとの比較展示
試作機では240p表示のデモ用につくられたゲーム映像による、滑らかな動画表示の実演が行われている。試作機の画面サイズは19.2型、解像度は1280×960画素。その他スペックについてもCEATEC JAPAN出展機と同じになる。他にもブースでは60Hz駆動の液晶テレビとFEDの画質や消費電力の比較展示などが行われている。

同社は今年の4月にFEDのフラットパネルディスプレイの試作機を発表し、「Display 2007」をはじめとする各展示会での出展が話題を集めてきた。展示説明員によれば、その後放送現場の業務用途や医療用の表示モニターとしての評価が現在進められているという。

■東芝松下ディスプレイテクノロジーはOCB液晶ディスプレイを展示

東芝松下ディスプレイテクノロジーは、高画質技術「OCB(Optically Compensated Bend)技術」を採用した業務用液晶ディスプレイを展示している。


OCB液晶の32型試作機とCRTディスプレイとの比較展示

各方式のワイドVGA 9型液晶ディスプレイの比較展示。左側が高精度OCB液晶ディスプレイ
OCBの技術を用いることにより、従来の液晶ディスプレイで課題とされてきた応答速度と視野角の問題が解決され、CRTの表示性能に迫るパフォーマンスが実現されるという。同社では2004年にOCB液晶ディスプレイの量産化を実現し、アモルファスシリコンTFT液晶ディスプレイと低温ポリシリコンTFT液晶ディスプレイの両方に、OCB技術を活用してきた。

従来の液晶ディスプレイでは、液晶分子をガラス基板に対して水平または垂直に配列させているが、OCBでは液晶分子を弓なりに配列(Bend配向)させることで、より優れた高速応答性能を実現している点が特徴となる。その他にも上下左右176度の視野角、100万対1のコントラスト値、超低温度環境でのスムーズな表示なども実現されている。

同社ではOCB液晶ディスプレイについて、放送機器用のモニターや極寒地帯での撮影にも耐えうるカメラ用のディスプレイなどの用途を呼びかけていく考えだ。また今回の展示会では高機能タイプのOCB液晶を搭載した32型試作機によるデモも行われている。

■アストロ電子の56型4K2K液晶モニター

アストロ電子では、昨年も同会場に展示した56型の4K2K液晶モニター「DM-3400」を出展。今年も来場者から大いに注目を浴びていた。販売は今年から開始されている。


56型の4K2K液晶モニター「DM-3400」
海外製のパネルが搭載されており、画面の解像度は3840×2160画素。展示説明員によれば、映画系のプロフェッショナルからの引き合いが多く寄せられているという。

(Phile-web編集部)

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