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公開日 2006/03/15 15:12

第14回「EARTH VISION 地球環境映像祭」が大賞など3賞を発表

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3月9日〜11日に東京・四谷で開催された第14回「EARTH VISION 地球環境映像祭」が大賞など3賞を発表し閉幕した。

本映像祭は、1992年より、映像を通して地球環境について考えることを目的に、日本を含むアジア、オセアニア・ポリネシアから作品を公募して東京で開催されている国際映像祭。文化庁・環境庁などや環境関係団体および東京ガスなど各企業の支援と後援を受けている。

本年は16の国と地域から101本の作品が寄せられ、その中からアースビジョン大賞、審査員特別賞、最優秀賞が選ばれた。


大賞受賞作品「レインボー」
アース・ビジョン大賞はパレスチナの監督アブドゥッサラーム・M・A・シャハダ監督の「レインボー」。


アブドゥッサラーム・M・A・シャハダ監督。パレスチナ出身。ロンドンで映像について学んだ。
この作品は、2004年5月、イスラエル軍がパレスチナ南部ラファ地区の一般市民の住居を破壊し、多数の死傷者を出しながら侵攻、強制退去を迫った「レインボー」作戦に取材している。パレスチナで生まれ育った監督はラファに赴き、破壊された住居を見、狙い撃ちされ攻撃の犠牲になった子どもたちや人々の家族の言葉を聞く。犠牲になった人、一人一人の顔を象徴する砂のレリーフを作る芸術家の言葉や何度か登場する海の映像など、深く人の心に届く深みのある映像作品だ。

受賞理由について、審査員は「人の心を動かした作品であり、平和な世界でなければ持続可能な環境は保てないことを明らかにし、感受性豊かに詩的な表現を使って描かれていた」と説明。

監督は「お互いが尊厳を持って生きられる世界が早く来るように願っている。母親が子どもを失い、子どもが母を失うというような世界があり、その同じ世界の中でこの映画祭があり良い環境で映画を見られる。受賞に感謝したい」と述べた。

受賞後、携帯電話で家族や友人に受賞の喜びを伝えるのに忙しかった監督。パレスチナでは何よりも家族や友人を大切にしているという。「犠牲者一人一人に顔があり、生活がある。そのことを伝えたかった。ガザはイスラエルの占領状態が続いており今も状況は過酷だ。だが日本でこの問題について多くの人が関心を持ってくれていることに驚き感謝している」と話してくれた。

山川元監督。ADとして鈴木清順、崔洋一、周防正監督らの作品に携わった後、「唐獅子姉御」「卓球温泉」などを監督。

審査員特別賞は中村レン監督の「生きる場所をさがして−化学物質過敏症と戦う夫婦」。

熊本放送で働く監督が地元でテーマをみつけ、科学物質過敏症のこわさ、夫婦の愛のきずなを描いているところを評価された。「自分の近くのテーマをきちっと描いていくことが地球環境をよくすることにつながる。これからも地元で作品を作って欲しい」と講評された。

中村レン監督。1992年に熊本放送に入社、情報ドキュメンタリー番組を制作。

「声高に環境問題を訴えるというより、夫婦の愛に焦点を充てた。科学物質は私たちの生活に欠かせない。科学物質との共存を考えるきっかけになればと思う」と中村監督。

最優秀賞は山川元監督の「東京原発」。東京に原子力発電が誘致されたらというブラックコメディで、重い題材をウィットとユーモアを使って映画にした。山川監督は「商業映画をやってきたので賞は意外だった。これからも社会問題を通じて人間の生き方や素晴らしさを描いていきたい」と受賞の感想を述べ、後のインタビューでは「原発についてをテーマにしたのは、自分がそれについて知らなかったから」と話してくれた。

審査員の前澤哲爾氏は、「地球環境には様々な問題があり、この映像祭は上映後でのトークで、映画で語りきれないものが見えてくる。それも含めて考えると受賞作を決めるのは大変難しく、11作品の半数以上の作品について討議し、どれも素晴らしかった」などと語った。

EARTH VISION 地球環境映像祭についての詳細は下記まで。
http://www.earth-vision.jp/top-j.htm

(取材・文 山之内優子)

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