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公開日 2005/12/29 18:05

【WEB版 飯塚克味 コレクター魂】2005年、大量に世に出た再発DVDは果たして買いか?

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DVDが登場して早10年。次世代DVDの登場も来年はいよいよ現実化すると思われるが、一般的には主流はあくまで通常のDVDソフト。低価格化ももはや限界点に達した感があり、ここまで普及したメディアが次世代DVDにそう簡単に替わるとも思えない。しかし主だった映画はほぼ出尽くしており、メーカーとしては新作以外の目玉商品が不足状態になっている。そこで最近流行っているのが、ニューマスターによる高画質・高音質化といいたクオリティアップや、特典や封入物を旧版よりもボリュームアップした再発タイトルである。しかし大量に発売されているこれらの中から、買い直す価値があるものは果たしてどれだけあるのか? 筆者も頻繁にソフト購入に、なけなしの小遣いをはたいているが、買って良かったタイトル、後悔したタイトルをここにその理由と共に明らかにし、購入を迷っている読者のために少しでも参考になる情報を与えたい。


ピッチブラック
まず今年後半、最も再発が目立ったメーカーといえばユニバーサルだろう。『グラディエーター エクステンデッド・スペシャル・エディション』を筆頭に、『ジョーズ』『ジュラシック・パーク』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『E.T.』が続々登場。自分は後悔するのが嫌だったので迷うことなく購入してしまったが、よくよく考えればちょっと冷静に選りすぐりをしてもよかったかも知れない。まず『グラディエーター』だが、劇場版より17分長い本編が最大の売りだが、これは実は未公開シーンを加えただけのロング・バージョン。リドリー・スコット監督によるイントロダクションでも語られているが、ディレクターズ・カットはあくまでも劇場公開版、つまり旧版であって今回のものは特にこだわりがあって作ったものではないのだ。これから3時間見ようと心構えていたらいきなり見る気を削がれてしまい、こういった作りのDVDはいかがなものかと考え込んでしまった。しかし『ジュラシック・パーク トリロジー』『E.T. コレクターズ・エディション』に比べればまだ本編が違うだけ良しとすべきか? この2タイトル、実は以前発売されたバージョンを低価格にしただけ。『E.T.』はパッケージも同じなので所有している人は間違えて購入することはないだろうが、『ジュラシック・パーク』については『?。』発売時に同時リリースされた4枚組を新たなデジパックに収納しているから始末が悪い。40ページの解説書は付いたが、評判の悪かった『1』『2』の字幕サイズも修正されていない。これなら廃盤中の『スーパービット盤』(ソニーより販売された)を名称を変えてセットにしてくれた方が喜ぶファンも多かったと思われる。しかし『ジョーズ 30thアニバーサリー スペシャルDVD-BOX』と『バック・トゥ・ザ・フューチャー 20thアニバーサリー・ボックス』は封入物の豪華さも手伝って購入価値の高い商品だったと言うことができる。『ジョーズ』の本編はdts音声や日本語吹替音声も収録されたし、字幕の書体も良くなった。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は手元に到着したとき、その箱の大きさに驚いたが、開けてみれば必要なサイズであることが分かる。同時期に北米盤も発売されたが、日本版の方がはるかに豪華な仕様である。

松竹からは2枚組の『パーフェクト・コレクション』として『ピッチブラック』『イルマーレ』などが発売された。『ピッチブラック』でうれしかったのは豊富な特典映像や縮刷版パンフレットよりもシネスコで収録された本編だった。旧版は撮影サイズのビスタサイズのままでの収録で、デヴィッド・トゥーヒー監督のスタイリッシュな映像センスがやや劣って見えたものだ。しかし、チョン・ジヒョン主演のラブ・ストーリー『イルマーレ』では赤みがかった本編が旧版のまま収録されてしまったのだから、同じ発売元だからと油断はできない。もちろん初収録となる特典映像は充分貴重ではある。しかし、2枚組発売前に旧版を購入してしまった筆者のような熱心なファンは、通常版に続き2度買いすることになってしまうので、本編マスターへの配慮も充分行って欲しかった。


トイ・ストーリー
その点ブエナ ビスタからリリースされた『トイ・ストーリー』と『トイ・ストーリー2』は本編、特典ともに満足のいく仕上がりだ。本編は『2』が旧版で4:3収録だったのが、今回はしっかりスクィーズになった。音声もオリジナル、吹き替え共に6.1chにリミックスされ迫力充分! 特典は以前ほとんど収録されなかったが、今回は全部見るには大変な分量が用意され、ファンにはたまらない内容になっている。2006年には『3』(ピクサーはノータッチらしい)も準備されているので、このDVDでしっかり復習しておきたい。

ワーナー・ホーム・ビデオから先日出たばかりの『ベン・ハー』と『オズの魔法使』も所有価値の高いDVDだ。『ベン・ハー コレクターズ・エディション』は1925年のサイレント版も収録した4枚組! 本編は旧版で欠落していた画面の隅までしっかり収録する気の入れよう。日本語吹替版も新たに追加された。『オズの魔法使 コレクターズ・エディション』は『ベン・ハー』と同じ価格で3枚組だが、封入冊子の豪華さで納得。しかも英語に対しての翻訳も別冊になって付いているので、欲求不満になることもない。特典では映像を修復する過程を追った「オズの修復」が興味深かった。ワーナーからは『バットマン アンソロジー コレクターズ・ボックス』も発売され、2006年にはサム・ペキンパー監督のボックスも発売が予定されており、ファンは買い逃しのないよう注意して欲しい。
最後はトニー・レオン、アンディ・ラウ共演で話題になった『インファナル・アフェア トリロジー・ボックス』だ。これまで長い時間をかけてバラの商品を揃えてきた身にとっては痛い出費だが、本編にはディスクリートの6.1ch dts-ESが収録され、パッケージも映画の内容にあった渋いデザインとなっている。豪華な写真集も映画の余韻を満たしてくれる。自分はこのシリーズが大変気に入っているので香港版も購入しており、一体いくつあるんだと言われそうだが、悲しいかな、コレクターはこう理由で好きな映画は何度でも購入してしまうのだ。

他にも挙げたいタイトルは山ほどあるが、今日のところはこの辺で字数も尽きた。また機会があればこのような情報は是非お送りしたいと思っている。もし読者の中でこれは? と思うタイトルがあればホームシアターファイル編集部まで一言お願いしたい。

(飯塚克味)

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