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公開日 2002/01/02 15:43

murauchi.co.jpのCEO村内伸弘氏、ネット通販戦略を語る<後編>

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murauchi.co.jpのCEO村内伸弘氏
●世界規模で出店計画。まずは日本語圏内に
 ―― 八王子にある御社のリアル店舗とサイトでは、同じ商品の価格は同じ売価の設定なのですか。
 
村内 サービス内容が違いますので、売価は異なります。リアル店舗はポイント制ですが、ネットではポイント分をあらかじめ差し引いた価格で販売しています。さらに、リアル店舗では延長保証がついていますし、店頭で実物を見ながら直接販売員に十分納得がいくまで説明を受けられる。すなわち、各々のサービスの種類によって、価格が決まってくるようにしています。
 
―― インターネットビジネスでは、今後どのような展開をお考えですか。
 
村内 国家戦略であるe―Japan戦略によって、超高速ネットワークインフラが整備され、電子商取引の環境なども整備されていくことになっています。また、ブロードバンド時代の到来とともに、映像の視聴や音楽を含めたダウンロード、動画による商品紹介など新しい商法が盛んになってくると予想しています。
 例えば、ブロードバンド化、とりわけ光ファイバーのインフラが進めば、動画の転送やテレビ電話、もしかすると食べ物では匂いまで伝えることが実現できる世の中になるかもしれません。そうなれば、リアルの接客に近い商売がネットの世界でも可能になるはずです。ネットで完結できる商売を心がけていくことが必要になると思います。
 
―― リアル店舗により近づいたサービスを提供できるようになってくるわけですね。インフラの進行状況にも左右されますが、お客様の方でも環境を整えていく必要がありますね。
 
村内 インフラの進み具合や、コストを考えて、他社さんもやられているとは思っています。しかし、人類全体がすでに、デジタル化の方向へ進んでいることは誰にも止められません。遅かれ早かれそういう時代は必ず来ます。ですから、現在はリアル店舗の出店を焦るのではなく、ECに全力投球して知名度をあげ、その信用を元にリアル店舗の出店を全国区にしていきます。
 
―― しかし、上場され、資金が集まるとなると、リアル店舗での展開が注目されますが、今現在どのような計画をお持ちですか。
 
村内 リアル店舗の出店時期に関しては、2004年または5年を計画しています。商品は他社のリアル店舗で見てもらって、購入は当社のサイトでという方法もありますが、それは王道ではありません。やはり、商品もうちで見てもらって、買ってもらいたいですからね。
 
―― 出店地やその数など構想はおありですか。
 
村内 日本語圏内ですね。すなわち、世界のどこに出店するか、それくらいの発想で、今後は商売を展開していきたいと思います。ですから、とりあえずは日本からはじめましょうという感覚です。
 例えば、日本全国の都道府県を比べてみても、果たして何が違うのか。国が勝手に決めた行政区画であり、日本語圏という意味では何も変わりはありません。商売のやり方は若干違ってくると思いますが、現在は情報も均一だし、文化も統一されています。そういう意味では、どこに出店しても変わらないと考えています。北海道から沖縄まで、どこにでも出すつもりです。
 
―― リアル店舗については、現在、ホームシアターやプラズマなど、高付加価値商品をいかに提案していくか、といったビジネスに力点が置かれつつあると思いますが、この点の取り組みについてお聞かせください。
 
村内 注目されるのはやはり、プラズマテレビや液晶テレビなどの薄型大画面のテレビですね。私自身もお客様の家に訪問販売に行って、液晶テレビをご購入頂いたのですが、それまで使っていた14インチのテレビを、20インチの液晶テレビに置き代えた瞬間、お客様が「きれいだなぁ」と声をあげて喜こばれたのが強く印象に残っています。本当に部屋そのものがすっきりして、全体がきれいになった感じがしたんですよ(笑)。
 
 店頭に商品を並べて置いておくだけでは、家で楽しむイメージは湧きません。もし、お客様の家に商品を持っていくことができたら、制約率はもっとアップするはずです。
 もちろん当社では、店頭でも「メディアルーム」という空間をつくって家庭の雰囲気を再現しています。テレビは立って見るものではありませんから、まずは座ってテレビを見られる空間を作ってあげなければいけない。商品の羅列だけではなく、体感、そしてイメージしてもらいやすい店舗づくりに、さらに力を入れていきたいですね。
 
―― プラズマや液晶テレビもそうですが、ライフスタイルそのものを変革してしまうような大きな流れの中に、今、あると思います。それを、お客様に売り場を通してどれだけ認知いただけるかは、大切なポイントですね。
 
村内 ホームシアターも元気一杯ですね。本当に幅広い層に受け入れられ、急速に普及拡大しています。また、DVDとブロードバンドで配信される映像コンテンツの充実、テレビとしてはプラズマが急速にご家庭の中へ入っていくと予想されますから、そうしたものに付随する形で、AVアンプなどの音響機器を導入するケースが当然伸びてくるはずです。またこれからは、お部屋を広く、明るく使うといった住空間演出の提案が欠かせなくなると思います。
 さらに、音楽配信や動画配信が楽しめるネットワーク型の商品も、今後の売り場づくりにおいては大きなテーマになると考えています。
 お客様が何を望んでいるのか、何に対してお金を払うのか。大切な仲間たちと一緒にお客様の立場に立って常に考えていきたいと思います。

Nobuhiro Murauchi
1968年2月15日東京八王子市生まれ。88年11月第一家庭電器入社。91年4月ソニーコンスーマーマーケティング入社。93年4月ムラウチ入社、95年6月取締役、97年6月常務取締役、00年4月代表取締役就任。趣味は読書、特に明治維新期の長州藩に関する書物を愛す。尊敬する志士は吉田松陰

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