公開日 2025/11/17 11:28

サントリーホール、開館40周年。世界のリーディングホールとして「若い世代の聴衆を育てていくことが使命」

40周年プログラムも公開
編集部:筑井真奈
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サントリーホールは、2026年に開館40周年を迎える。11月12日(水)、サントリーホールの小ホール「ブルーローズ」にて、開館40周年の記者会見を開催、40周年記念プログラムの詳細を発表した。

サントリーホールの40周年ロゴとプログラムが発表された

40周年に込めたキーメッセージは “この瞬間が未来になる”。デジタルで音楽に手軽にアクセス可能な時代だからこそ、生のコンサートを体験することの価値が一層高まっているとし、「演奏家と聴衆が一体となって音楽文化の継承と発展を目指す」と明らかにした。

サントリーホール館長の堤 剛氏は記者会見の冒頭で挨拶し、「1986年に開館したサントリーホールは、日本に本当の意味での音楽文化を根付かせたいという初代館長・佐治敬三の深い思いから生まれたものです。東京で初めてとなるコンサート専用ホールとして、最高の音響設計を実現すると共に、音楽家と聴衆が一体となって喜びを分かち合う、芸術文化を創造することが目指して設立されました」と設立背景を振り返る。

サントリーホール館長の堤 剛氏

続けて、「ヨーロッパなどで高く評価されるホールは、立派な建物だけではなくその土地の人々と共に歩んだ歴史があります」とした上で、特に近年アジア各国から、新しいホール建設にあたっての視察を受け入れる機会が増えていると語る。「これまで皆さまと共に培った経験や知見を共有することで、アジアの音楽界にも貢献したいと考えています」と40周年の展望を語った。

また、「創造的で質の高いコンサートの提供」と「教育」がサントリーホールの活動の両輪であるとし、演奏と聴衆の育成、双方の分野において力を入れていくと表明した。

サントリーホールの総支配人である長政友美さんは、「ここからの10年は50周年を見据えて新たなステージを作っていくタイミングになります」とコメント。40周年ロゴについて、「演奏家や聴衆の皆さまと、共に歴史を作り未来を紡ぐこと。音楽文化の継承と発展を目指すと共に、音楽芸術を通じて社会全体の心の豊かさに貢献したい」という願いを込めたと解説する。

サントリーホールの総支配人・長政友美さん

ロゴのデザインは、漢字の「響」をモチーフしたサントリーホールのロゴに、右肩上がりの弧を描くカーブと40thという文字があしらわれている。ゼロの部分は日の出や希望を連想させるとともに、40の数字は「和」を想起させるものとなっており、日本から発信を続けるサントリーホールでありたいという思いも込められているという。

サントリーホールの40周年記念ロゴを発表

主な40周年記念事業としては、まず2026年4月14日に京都市交響楽団の70周年を記念したコンサートを予定。堤 剛氏がチェロを担当する。7月にはタン・ドゥン:ホール・オペラ『TEA』の再再演を予定、「コンサートホールで行うオペラ」ならではの試みを追求しているという。また8月にはコンテンポラリー音楽のフェスティバル「サントリーホール サマーフェスティバル」、サントリー美術館とのコラボなども予定する。

10月31日、11月1日には、サントリーホール40周年記念ガラ・コンサートとして、指揮者のリッカルド・ムーティを招聘。ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とピアニストの内田光子による豪華な顔ぶれによるコンサートも予定される。そのほか11月にはベルリン・フィルやアムステルダム・コンセルトヘボウも来日、「他のホールが嫉妬する」豪華なラインナップを取り揃える。

そして2027年2月28日には40周年プログラムのフィナーレのコンサートを予定しており、「次世代の演奏家の育成の成果発表の場」と考えている、と発表された。

記者会見には、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団楽団長のダニエル・フロシャウアー氏も登場。「2026年、サントリーホールの40周年を一緒に祝えることは特別なことです」と語ると共に、サントリーホールの印象について、「響きも素晴らしく、最高の演奏を期待してるお客さんと一緒に、特別な一体感を味わえる素晴らしいホールです」と絶賛。アジアのみならず、世界のリーディングホールとして次世代を牽引するサントリーホールに改めて賛辞を送った。

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団楽団長のダニエル・フロシャウアー氏

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