公開日 2022/07/14 14:38

ウクライナ支援チャリティコンサートがさいたま市にて開催。オレグ・クリサ氏他、避難してきた音楽家も演奏を披露

“ウクライナの音楽の美しさ”を知ってほしい
季刊・analog編集部
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さる7月7日(木)、彩の国さいたま芸術劇場音楽ホールにて、ウクライナ支援コンサート「オレグ・クリサ『わが祖国』コンサート」が開催された。

オレグ・クリサ『わが祖国』コンサート

オレグ・クリサ氏はウクライナ出身の世界的なヴァイオリニスト。日本ウクライナ芸術協会の会長を務めるヴァイオリニスト・澤田智恵氏が発起人となり、クリサ氏を招聘し開催されたもので、収益はウクライナ支援に充てられるチャリティコンサートとなる。

オレグ・クリサ氏(左)、澤田智恵氏(右)

演奏者はこの2人のほか、ウクライナから避難してきた音楽家3名、テチャナ・ラブロワ氏、ヤーナ・ラブロワ氏(ともにチェロ)、ケンタ・ペトロ・イガラシ氏(サクスフォン)も出演。客席には、ウクライナから訪れたジャーナリスト陣や、ウクライナから避難してきた方々も招待された。

公演プログラム名となっている「わが祖国」メドレーでは、演奏者達が勢揃いし、日本の学校教育でも歌われてきたスメタナの「わが祖国『モルダウ』」(チェコスロバキアの交響詩)や、また、アメリカで第二の国家と呼ばれるフォークソングの「わが祖国」などを披露。後者はアメリカの地名をウクライナの地名に替えて歌われた。

ウクライナ国歌「ウクライナは滅びず」を最後に演奏

客席からも声を合わせて歌った歌は力強く、困難な状況下でも二本の足で立ち、生きていこうという意志がみなぎっていた。

ウクライナ人女性と結婚されたオーディオ愛好家の伊東理基氏(右)とそのご家族(中央とその左、5月にウクライナから日本に避難)。ウクライナから来たジャーナリスト達(一番左と右から2番目)とともに

昼の部と夜の部に分かれて公演は行われたが、昼の部では、駐日ウクライナ大使・セルヒー・コルスンスキー氏とポーランド広報文化センター所長・ウルシュラ・オスミツカ氏が、また夜公演では、駐日ウクライナ大使館経済局長ヴァディーム・シジャチェンコ氏が合唱団の一員として国歌等を演奏した。夜の部ではウクライナとの生中継も行われた。

駐日ウクライナ大使、セルヒー・コルスンスキー氏(左)とオレザ・クリサ氏(右)

なお、この日はオレザ・クリサ氏の誕生日でもあったため、アンコール曲のあと、誕生日を祝う歌を会場で合唱する一幕もあった。

公演後、オレザ・クリサ氏は次のように語った。
「ウクライナは侵攻に遭うという大変な時ですが、そんな時に日本のコンサートに呼んでいただき、ウクライナ語でバースデーソングを歌ってもらえるなんて信じられない、言葉にならないくらい嬉しい気持ちです。ウクライナの音楽というのは、“歌”。ウクライナで何かお祝いをするとき、歌がないことはありません。喜びの歌、悲しみの歌、それら全ての歌はウクライナ人の心そのもの。どこの国の人もそうかもしれませんが、ウクライナ人は特に優しさ、温かさが突出し、澄んだ、良い雰囲気が国中に満ちています。世界的に有名な作曲家、音楽家も非常に多いのです。今回のコンサートは、澤田智恵さんから声をかけていただき、力にならない手はない、と思い、出演しました。音楽は悲しみに寄り添ってくれます。痛みを分かち合う、人々をつなげることができます。また、音楽に没頭している間、日常の悩みから開放されます。音楽にはそんな力があることを、音楽を通して伝えたいと思います」

オレザ・クリサ氏の誕生日を祝う

これを受けて発起人である澤田智恵氏も、次のように語った。
「ウクライナが侵攻された時に、日本にいる私にできることは何か考えました。ウクライナの音楽家の卵である学生さんたちがクリサ先生の出身地のリビューの街に逃げてきて、その方々も支援を必要としていることも知りました。人道支援をしてお金を集めて送りたい。自分ができることは音楽であるので、支援コンサートをやろうと決めました。音楽を通して、ウクライナの惨事だけでなく、“ウクライナの音楽の美しさ”を日本の皆さまに知ってほしいと思いました」

“歌”の力を感じさせた力強い素晴らしいコンサートであった。一刻も早く、ウクライナの方々が安全に暮らせる日々が来ることを願う。

なお、10月10日にも、日吉の慶應義塾大学内藤原洋記念ホールにてオレグ・クリサ&フレンズによる「わが祖国」コンサートが開催される予定。

「わが祖国」コンサート
主催:ウクライナ芸術協会、食品と暮らしの安全基金
後援:ウクライナ大使館、埼玉県、さいたま市

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