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公開日 2001/02/21 15:44

オーディオ万華鏡(オーディオユーザーによるCESレポート)・前編

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イタリア製の真空管アンプVAICとスピーカーシステム
REPORT&TEXT
BY 針健

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初めまして。今回は毎年恒例の1月6日から1月9日までラスベガスで行われている年一度の世界規模のCESオーディオイベントショー会場を私は5年振りに訪れる機会に恵まれ、旧友にお会いしたり、会場内を散策したりしているうちに、少し感じた事やピュアオーディオ界の危機等お伝えしていきます。
宿泊先のMGMグランドホテルに戻り、以前よりお付き合いのある編集部の担当者の方に国際電話を入れ、編集部より遠路はるばる3人もの取材の方々が来ておられるにも拘わらず、1人のオーディオユーザーの立場および目線で見た興味ヵ所等をレポートさせて頂けないかと半ば無理矢理申し込んだところ、快くお返事を頂けた次第です。


 大手メーカーや目玉商品に関しては編集部の取材にお任せし、私は今も残る、良きアメリカのパイオニア精神のガレージメーカーについて取材をしたいと思います。
 T.H.E.SHOWの社長のMr.Mike Malony氏とは今回お互いに時間が合わず、お会いすることができませんでしたが、日本から出展される方や元気あるガレージメーカーの方々の出展が増えていると、スタッフの方よりお話がありました。


 会場であるアレックス・パーク・ホテル、サントロペ・ホテル、ヒルトン・ホテルやコンベンションセンターで本当に熱心なオーディオ評論家の先生方やオーディオメーカーの方々とお会いし、時々日本にいるのでは?と勘違いしてしまう事もしばしばありました。5年前には日本のタイトル文字の入っているCDソフトはあまり見かけなかったような気が致しますが、その多さにますます世界は縮まったと感慨深くなりました。


 さて、一番驚いたのと私自身もホッとさせられたのは、アナログのターンテーブルとアナログレコードの多さとニュータイトルプレスの速さです。今回のメイン会場ともいえるSt.TROPEZの入り口右側には、超大型スピーカーシステムと超弩級のターンテーブルが展示されており、左側には所狭しとLPレコード盤が並べられ即売しておりました。特に目を引いたのは、年末に発売された真っ赤な『ビートルズ1』とグラミー賞を受賞したサンタナのアルバムでした。


それとは正反対にやはりSACDプレーヤーを発売している共同ブースは発売タイトルCDを壁紙のように一面に貼り付けて並べてあり壮観でした。大勢の方々が詰めかけ、我々日本人も少しは鼻高々の気が致しました。一番注目したのは近日中にSONY社より発売されると思われるSCD-C333ESという5連奏のスーパーオーディオCDプレーヤーでした。今後ますますピュアオーディオファンにとってはSACDへと一気に加速するような予感もしました。そのせいか各ブースもフルリボン型やハイブリッド型のスピーカーシステムとトゥイーターは花盛りでした。
 

特に目を引いたのはサントロペ・ホテル#1605のFOCAL社のチタンドームトゥイーターTLR、RAVENのR1.0とR2.0リボントゥイーター、それと超弩級の何と重さが30kgくらいはあると思われるR3.0には長いオーディオ歴の中でも度肝を抜かれ、さすがアメリカだと感心しました。果たして実際にはどのようにして使うのだろうと首をかしげていましたが・・・。


そのブース棟を出ると日本のように無機質でメタリックな同じ空間をさまようのではなく、一歩外に出ると不思議と道に迷ってしまうといった心地よさがある。耳につく外国の言葉、目に映る風景や音に誘われるまま、歩みを進めるうちに、ふと気付くと私は一番奥のブースの試聴室に座り込んでいました。一抹の不安を抱えつつも、音楽が奏で始めるとやがてそれは、外国語を超えた奇妙な連帯感と快感に変わっていきました。
 「ああ、音楽は万国共通の言語なんだな」とまじまじ感じさせる、長いような短いような時間でした。確か奏でられていたのはゲッツとジルベルトの「イパネマの娘」、そして亡きジョン・レノンの「イマジン」でした。


世界各国の方々もいたせいもあり、一瞬世界平和を願った彼の心がわかったのか、演奏が終わっても皆黙りこくってしまいました。銀色に輝くイタリア製の真空管アンプVAICとスピーカーシステムはオーストリアのアッセンブリーメーカーで、裏側を流線形にし、細かい工夫が施されており、エレガントで白木の美しいデザインでした。日本に輸入されることが待ち遠しい一品でした。ただ価格を聞くと瞬く間に現実に引きもどされてしまいました。ちょっと背伸びをすれば・・・とか懐具合など、微妙に交錯しながら外に出ると、自然の揺らぎと日差しに体を包み込まれ、またしても五感が子供のように研ぎ澄まされていき、そんな心ときめく迷子の道中で、またしてもこの先に何かあるぞと第六感が働いたブースに辿り着きました。(後編へ続く)

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