公開日 2025/03/17 06:30
フォーム・イヤーピースの代名詞が第3世代に進化!CEOが明かすコンプライの “いま” と “これから”
本邦初?遮音性実測データも特別公開
イヤホンの装着感と遮音性を左右するイヤーピースは、いまや専門ブランドが成り立つほどポータブルオーディオ市場の1ジャンルとして確立している。高音質イヤホンブームが盛り上がりはじめた2010年前後、主な選択肢といえばイヤホンメーカーの純正品くらいだった頃とは雲泥の差だ。
その2010年頃すでに、数少ないイヤーピース専門ブランドとして日本に登場していたのがCOMPLY(コンプライ)だ。独自の低反発フォーム素材は、指でギュッと潰してから耳に入れることで、じわじわ膨らんで耳穴をくまなく埋める。しかも温められるとさらに柔らかく快適さを増すという特徴は、多彩なイヤーピースブランドが登場した今なおユニークだ。
そしてこの度コンプライから、新しい配合のフォーム素材を採用したというモデル「GEN 3」が、2024年12月20日に発売された。これに合わせて、コンプライを製造する米Hearing Components(ヒアリング・コンポーネント)社から、CEOのChris Hudson(クリス・ハドソン)氏らが来日。GEN 3の特徴から、普段あまり語られることのないコンプライの技術的な話題まで、貴重なお話を聞くことができたのでお伝えしよう。
―― 日本のイヤホン市場で馴染み深いコンプライから新モデルが出ることを、とても嬉しく思います。まずはその新モデル、GEN 3の特徴についてご紹介いただけますか。
ハドソン氏:GEN 3の大きな特徴が、これまで米軍の通信機器などにしか提供していなかった配合のフォーム素材を、コンシューマー向け製品として初めて採用したことです。
いままでのコンプライと比べても遮音性が高く、低い周波数を強力に遮断できるようになりました。同時に柔らかさも増したので、耳へのストレスが少なく長時間音楽に没頭でき、着け外しもしやすくなっています。具体的な技術については、企業秘密もあるのであまりお話できませんが、私達の特許技術によって、素材に独特の発泡をさせていることがポイントのひとつです。
日本ではまず、コア(軸穴)がソニーの完全ワイヤレスイヤホンに取り付けられる太さの「200番」のモデルと、ゼンハイザーの完全ワイヤレスイヤホンに取り付けられる太さの「400番」のモデルを発売します。どちらも傘の部分の形状は、もっとも汎用性が高い円錐形を採用していますが、前世代でラインナップしていた楕円形などの傘形状も追加を検討中です。
―― これまで一般ユーザー向け製品に使わなかった素材を、どうして今回採用することに決めたのですか?
ハドソン氏:GEN 3のベースとなったフォーム素材は、そもそも高騒音環境、つまり軍事や産業のような特定の分野で、聴覚保護や確実な通信が行えるようにと開発したものでした。しかし、そのうち私達も、一般ユーザーも同じくらい高い遮音性を求めているということに気がついたのです。また、上述の分野では非常に長時間装着することが想定されるため、柔らかさにも配慮しましたが、これも一般ユーザーのニーズを満たすものだと分かり、GEN 3に繋がりました。
―― いままでコンプライでは、製品の “世代” をアピールすることはほとんどなかったと思います。今回 “GEN 3(第3世代)” と名付けたのは、それほど大きな進化があったということなんでしょうか。
ハドソン氏:コンプライの世代についてご説明すると、だいたい1990年代から2010年代初頭くらいまでに販売していたモデルが「GEN 1」で、そこから生産ラインの改良や素材の調達先の変更などを行ったモデルが「GEN 2」ということになります。古くなった技術のアップデートも多少行いましたが、素材自体にそれほど大きな違いはありません。
GEN 2として開発したモデルの多くは、耳に対して浅めに装着する完全ワイヤレスイヤホンを念頭に置いていました。アップルの「AirPods Pro」のような形状の完全ワイヤレスイヤホンは、そこまで耳の奥に押し込む必要がないですよね?そのようなイヤホンで最適に使えるよう、素材の硬さなどを調整していたのです。ですからGEN 3が登場した後でも、浅めに装着するイヤホンとの組み合わせにおいては、まだまだGEN 2が活躍することがあると思います。
それに対し、耳の奥深くまで装着するイヤホンと組み合わせる場合に適しているのが、GEN 3です。よりソフトになったGEN 3は、急激に細くなる外耳道の奥深くにもよく追従し、フィットするからです。そのためGEN 3は、耳穴の深いところでフィットさせるデザインの完全ワイヤレスイヤホンや有線イヤホンとの組み合わせにおいて、特に理にかなったモデルと言えます。
―― 近年のコンプライには、ゴミや汗の侵入を防ぐフィルター「Tech Defender(テックディフェンダー)」が標準で取り付けられています。このフィルターも何か進化したところはあるのでしょうか。
ハドソン氏:コンプライのイヤーピースは、モデル名に “X” とつく製品にフィルターを搭載していましたが、数年前にフィルターのデザインを刷新し、ホコリやゴミだけでなく湿気も防げるようにしたものがテックディフェンダーです。他ブランドのイヤーピースのフィルターと比較しても、湿気を防ぐことを重視しているのがテックディフェンダーの特徴だと思います。
ぜひ皆さんに知ってもらいたいのが、テックディフェンダーは音質にほとんど影響しないよう設計しているということです。弊社の測定でも20Hzから20kHzまで、ほぼ均等に1dBだけ減衰させるという結果が出ています。つまりテックディフェンダーのせいで低域が強まったり、音がこもったりすることは無いので、安心して頼っていただきたいです。
―― コンプライの特性について、具体的な研究データを明かしていただいたのは今回が初めてです。企業秘密として話せないことも多いとは思いますが、コンプライの開発ではどんな研究や作業を行っているのか、この機会にいくらかご紹介いただけませんか。
ハドソン氏:ヒアリング・コンポーネント社のラボには、例えば物体を加熱するヒートチャンバーや、ハイエンドな顕微鏡といったものを備えています。コンプライのフォーム素材最大の特長である、温められることで柔らかくなる特性をテストしたり、素材の構造を調査検討するためです。
ほかには、トルソ(いわゆるダミーヘッド)、カプラーといった機材もあります。これらによってイヤーピースを耳に装着した際の圧力や密閉性を調べ、改良を続けています。
―― ここ数年の間に、イヤーピース市場は驚くほど賑わいを見せています。いわばライバルが増えたわけですが、どう感じていますか。
ハドソン氏:私が前回来日したのは2018、19年頃ですが、その当時と比べて確かにイヤーピースブランドがとても増えたと感じています。
けれど私達にとって、それは歓迎すべきことです。競合製品が増えて比較されるほど、コンプライの特徴と強みが明確になりますから。競合製品から受ける刺激が技術改良のきっかけになるでしょうし、そうなればユーザーの皆さんにもより良い体験を届けられるでしょう。
―― 今後の製品開発や展開について、取り組みたいことはありますか?
ハドソン氏:まず第1に実現したいことは、耐久性を向上させる新技術です。これはそう遠くない時期に市場に投入できる見込みです。それと同じくらい重要な目標として、クリーニングや衛生面を強化し、長期にわたって清潔さを保つことができる技術についても研究を続けています。
さらに現在、聴覚の健康に焦点を当てたプロジェクトを進めており、補聴器メーカーとの共同開発を行っています。詳細は秘密ですが、開発の成果についてはいずれユーザーの皆さんにお届けできると思います。
―― 期待がふくらむ情報をありがとうございます。最後に、日本のファンにメッセージをいただけますか?
ハドソン氏:多くの方にコンプライをご愛顧いただいていることに感謝を申し上げます。日本のユーザーの皆様とのパートナーシップには、本当に、心から感謝しています。
私達が日本のユーザーの皆さんにお約束したいことは、聴覚保護のため、そして人々の聴き方に変革をもたらすために、新しい技術を開発し続けるということです。今後も日本のユーザーの皆さんと一緒に数多くの成功を収めること、さまざまな展開をお見せできることを楽しみにしています。
その2010年頃すでに、数少ないイヤーピース専門ブランドとして日本に登場していたのがCOMPLY(コンプライ)だ。独自の低反発フォーム素材は、指でギュッと潰してから耳に入れることで、じわじわ膨らんで耳穴をくまなく埋める。しかも温められるとさらに柔らかく快適さを増すという特徴は、多彩なイヤーピースブランドが登場した今なおユニークだ。
そしてこの度コンプライから、新しい配合のフォーム素材を採用したというモデル「GEN 3」が、2024年12月20日に発売された。これに合わせて、コンプライを製造する米Hearing Components(ヒアリング・コンポーネント)社から、CEOのChris Hudson(クリス・ハドソン)氏らが来日。GEN 3の特徴から、普段あまり語られることのないコンプライの技術的な話題まで、貴重なお話を聞くことができたのでお伝えしよう。
ハードな高騒音環境から生まれた新コンプライ「GEN 3」
―― 日本のイヤホン市場で馴染み深いコンプライから新モデルが出ることを、とても嬉しく思います。まずはその新モデル、GEN 3の特徴についてご紹介いただけますか。
ハドソン氏:GEN 3の大きな特徴が、これまで米軍の通信機器などにしか提供していなかった配合のフォーム素材を、コンシューマー向け製品として初めて採用したことです。
いままでのコンプライと比べても遮音性が高く、低い周波数を強力に遮断できるようになりました。同時に柔らかさも増したので、耳へのストレスが少なく長時間音楽に没頭でき、着け外しもしやすくなっています。具体的な技術については、企業秘密もあるのであまりお話できませんが、私達の特許技術によって、素材に独特の発泡をさせていることがポイントのひとつです。
日本ではまず、コア(軸穴)がソニーの完全ワイヤレスイヤホンに取り付けられる太さの「200番」のモデルと、ゼンハイザーの完全ワイヤレスイヤホンに取り付けられる太さの「400番」のモデルを発売します。どちらも傘の部分の形状は、もっとも汎用性が高い円錐形を採用していますが、前世代でラインナップしていた楕円形などの傘形状も追加を検討中です。
―― これまで一般ユーザー向け製品に使わなかった素材を、どうして今回採用することに決めたのですか?
ハドソン氏:GEN 3のベースとなったフォーム素材は、そもそも高騒音環境、つまり軍事や産業のような特定の分野で、聴覚保護や確実な通信が行えるようにと開発したものでした。しかし、そのうち私達も、一般ユーザーも同じくらい高い遮音性を求めているということに気がついたのです。また、上述の分野では非常に長時間装着することが想定されるため、柔らかさにも配慮しましたが、これも一般ユーザーのニーズを満たすものだと分かり、GEN 3に繋がりました。
明かされるコンプライの “世代”
―― いままでコンプライでは、製品の “世代” をアピールすることはほとんどなかったと思います。今回 “GEN 3(第3世代)” と名付けたのは、それほど大きな進化があったということなんでしょうか。
ハドソン氏:コンプライの世代についてご説明すると、だいたい1990年代から2010年代初頭くらいまでに販売していたモデルが「GEN 1」で、そこから生産ラインの改良や素材の調達先の変更などを行ったモデルが「GEN 2」ということになります。古くなった技術のアップデートも多少行いましたが、素材自体にそれほど大きな違いはありません。
GEN 2として開発したモデルの多くは、耳に対して浅めに装着する完全ワイヤレスイヤホンを念頭に置いていました。アップルの「AirPods Pro」のような形状の完全ワイヤレスイヤホンは、そこまで耳の奥に押し込む必要がないですよね?そのようなイヤホンで最適に使えるよう、素材の硬さなどを調整していたのです。ですからGEN 3が登場した後でも、浅めに装着するイヤホンとの組み合わせにおいては、まだまだGEN 2が活躍することがあると思います。
それに対し、耳の奥深くまで装着するイヤホンと組み合わせる場合に適しているのが、GEN 3です。よりソフトになったGEN 3は、急激に細くなる外耳道の奥深くにもよく追従し、フィットするからです。そのためGEN 3は、耳穴の深いところでフィットさせるデザインの完全ワイヤレスイヤホンや有線イヤホンとの組み合わせにおいて、特に理にかなったモデルと言えます。
―― 近年のコンプライには、ゴミや汗の侵入を防ぐフィルター「Tech Defender(テックディフェンダー)」が標準で取り付けられています。このフィルターも何か進化したところはあるのでしょうか。
ハドソン氏:コンプライのイヤーピースは、モデル名に “X” とつく製品にフィルターを搭載していましたが、数年前にフィルターのデザインを刷新し、ホコリやゴミだけでなく湿気も防げるようにしたものがテックディフェンダーです。他ブランドのイヤーピースのフィルターと比較しても、湿気を防ぐことを重視しているのがテックディフェンダーの特徴だと思います。
ぜひ皆さんに知ってもらいたいのが、テックディフェンダーは音質にほとんど影響しないよう設計しているということです。弊社の測定でも20Hzから20kHzまで、ほぼ均等に1dBだけ減衰させるという結果が出ています。つまりテックディフェンダーのせいで低域が強まったり、音がこもったりすることは無いので、安心して頼っていただきたいです。
―― コンプライの特性について、具体的な研究データを明かしていただいたのは今回が初めてです。企業秘密として話せないことも多いとは思いますが、コンプライの開発ではどんな研究や作業を行っているのか、この機会にいくらかご紹介いただけませんか。
ハドソン氏:ヒアリング・コンポーネント社のラボには、例えば物体を加熱するヒートチャンバーや、ハイエンドな顕微鏡といったものを備えています。コンプライのフォーム素材最大の特長である、温められることで柔らかくなる特性をテストしたり、素材の構造を調査検討するためです。
ほかには、トルソ(いわゆるダミーヘッド)、カプラーといった機材もあります。これらによってイヤーピースを耳に装着した際の圧力や密閉性を調べ、改良を続けています。
ライバルが増えても、品質への自信は揺るがない
―― ここ数年の間に、イヤーピース市場は驚くほど賑わいを見せています。いわばライバルが増えたわけですが、どう感じていますか。
ハドソン氏:私が前回来日したのは2018、19年頃ですが、その当時と比べて確かにイヤーピースブランドがとても増えたと感じています。
けれど私達にとって、それは歓迎すべきことです。競合製品が増えて比較されるほど、コンプライの特徴と強みが明確になりますから。競合製品から受ける刺激が技術改良のきっかけになるでしょうし、そうなればユーザーの皆さんにもより良い体験を届けられるでしょう。
―― 今後の製品開発や展開について、取り組みたいことはありますか?
ハドソン氏:まず第1に実現したいことは、耐久性を向上させる新技術です。これはそう遠くない時期に市場に投入できる見込みです。それと同じくらい重要な目標として、クリーニングや衛生面を強化し、長期にわたって清潔さを保つことができる技術についても研究を続けています。
さらに現在、聴覚の健康に焦点を当てたプロジェクトを進めており、補聴器メーカーとの共同開発を行っています。詳細は秘密ですが、開発の成果についてはいずれユーザーの皆さんにお届けできると思います。
―― 期待がふくらむ情報をありがとうございます。最後に、日本のファンにメッセージをいただけますか?
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