公開日 2021/06/16 07:00
ソニー「Xperia 1 III」が到達した究極のAVクオリティ。キーパーソンに聞く進化のポイント
<山本敦のAV進化論 第202回>
近年ではCMOSイメージセンサーにAI・ロボティクスまで広くまたがるソニーの技術と製品の分野に注目が集まっている。だが一方では言うまでもなく、ソニーはオーディオ・ビジュアルを含むエレクトロニクスの分野でもトップを走るブランドのひとつだ。ソニーのオーディオにディスプレイ、カメラやモバイル通信にまで渡る最先端技術の結晶と呼ぶべきフラグシップスマホ「Xperia 1 III」が、いよいよ7月から順次国内の大手通信キャリアより発売される。
今回も発売前にソニーでXperia 1 IIIを担当するキーパーソンに話を聞く機会を得た。参加いただいたのは商品企画を担当する滝沢宏樹氏、オーディオ設計の松本賢一氏と笠原智治氏、ならびにディスプレイ設計を担当する三木愛子氏だ。発売前の実機を試した筆者のファーストインプレッションも交えて注製品をレポートする。
なおXperia 1 IIIに関する詳細なインフォメーションは4月14日に当サイトが掲載したニュースも合わせて読みながら参考にしてほしい。
■カメラの体験を強化
最初に、商品企画を担当する滝沢氏へ、2019年にデビューしたXperia 1シリーズの手応えと、第3世代のモデルとなるXperia 1 IIIにかける意気込みを聞いた。
ソニーは「好きを極めたい人々に想像を超えたエクスペリエンスを」というコーポレートビジョンを、2019年に発売したXperia 1の誕生以来、コンパクトフラグシップモデルのXperia 5シリーズも含めた全製品の体験に貫いてきた。
2020年にフラグシップスマホの「Xperia 1 II」を発売して以来、「ソニーが好き、あるいはXperiaのファンという方を中心にXperiaのビジョンが大勢の方々に届いた手応えを感じています。デジタルカメラのαシリーズを使っている方にXperiaを選んでいただいたり、製品のカテゴリーを越えたファンの広がりも生まれている」と滝沢氏が話す。
Xperia 1 IIを体験した一般のユーザー、プロのクリエイターから寄せられた反響を元に、Xperia 1 IIIではカメラの強化にも注力したという。特に望遠レンズ側のオートフォーカス性能が広角側レンズの撮影性能に比べると力量不足という指摘を受けて、強化を図るためにデュアルフォトダイオードセンサーを3つのレンズすべてに搭載。望遠レンズに可変機構を搭載したことで、70mmと105mmのふたつの焦点距離を併せ持つユニークな仕様とした。
■大型画面なのに片手で持ちやすい
スリムでスタイリッシュなデザインの基本はXperia 1 IIから踏襲する。滝沢氏は「Xperia 1 IIの筐体サイズを基準として、横幅を同等の72mm程度に抑えながら、男性のユーザーが片手で持って操作しやすいデザインにすることを意識しています。Xperia 1 IIIから新しく潜望鏡構造のペリスコープレンズや4,500mAhの大容量バッテリーを追加しながら、本体の厚みを8mm台前半に抑えることに腐心しました」と振り返る。
本体の加色については、背面ガラスパネルを光沢系からフロスト(半透明)処理のものに変えている。その意図は本格派の上質感を持たせるためという理由のほかに、カメラで写真を撮影する場面で筐体の光沢パネルに由来する光の反射が被写体に映り込まないようにとの試行錯誤を重ねた結果でもあるという。細かな所ではシャッター専用ボタンにエンボス加工を入れているので、触れてすぐに判別できるようになった。外観は色/マテリアル/フィニッシュの全面で “マーク2” からのブラッシュアップを遂げていると感じた。
5Gのミリ波による通信に対応するXperiaは、プロフェッショナル向けに開発された「Xperia PRO」以来、本機が2つめの製品だ。Xperia PROでは直進性が高い5Gミリ波の受信感度を上げるため、本体の4方向にミリ波のアンテナを置き、さらに筐体の材質は樹脂系をメインとしていた。Xperia 1 IIIでは筐体の厚みやサイズを抑えるため、5Gミリ波の通信に対するアンテナの感度を十分に確保しながら、PROと比べて少し構造を簡略化している。
今回も発売前にソニーでXperia 1 IIIを担当するキーパーソンに話を聞く機会を得た。参加いただいたのは商品企画を担当する滝沢宏樹氏、オーディオ設計の松本賢一氏と笠原智治氏、ならびにディスプレイ設計を担当する三木愛子氏だ。発売前の実機を試した筆者のファーストインプレッションも交えて注製品をレポートする。
なおXperia 1 IIIに関する詳細なインフォメーションは4月14日に当サイトが掲載したニュースも合わせて読みながら参考にしてほしい。
■カメラの体験を強化
最初に、商品企画を担当する滝沢氏へ、2019年にデビューしたXperia 1シリーズの手応えと、第3世代のモデルとなるXperia 1 IIIにかける意気込みを聞いた。
ソニーは「好きを極めたい人々に想像を超えたエクスペリエンスを」というコーポレートビジョンを、2019年に発売したXperia 1の誕生以来、コンパクトフラグシップモデルのXperia 5シリーズも含めた全製品の体験に貫いてきた。
2020年にフラグシップスマホの「Xperia 1 II」を発売して以来、「ソニーが好き、あるいはXperiaのファンという方を中心にXperiaのビジョンが大勢の方々に届いた手応えを感じています。デジタルカメラのαシリーズを使っている方にXperiaを選んでいただいたり、製品のカテゴリーを越えたファンの広がりも生まれている」と滝沢氏が話す。
Xperia 1 IIを体験した一般のユーザー、プロのクリエイターから寄せられた反響を元に、Xperia 1 IIIではカメラの強化にも注力したという。特に望遠レンズ側のオートフォーカス性能が広角側レンズの撮影性能に比べると力量不足という指摘を受けて、強化を図るためにデュアルフォトダイオードセンサーを3つのレンズすべてに搭載。望遠レンズに可変機構を搭載したことで、70mmと105mmのふたつの焦点距離を併せ持つユニークな仕様とした。
■大型画面なのに片手で持ちやすい
スリムでスタイリッシュなデザインの基本はXperia 1 IIから踏襲する。滝沢氏は「Xperia 1 IIの筐体サイズを基準として、横幅を同等の72mm程度に抑えながら、男性のユーザーが片手で持って操作しやすいデザインにすることを意識しています。Xperia 1 IIIから新しく潜望鏡構造のペリスコープレンズや4,500mAhの大容量バッテリーを追加しながら、本体の厚みを8mm台前半に抑えることに腐心しました」と振り返る。
本体の加色については、背面ガラスパネルを光沢系からフロスト(半透明)処理のものに変えている。その意図は本格派の上質感を持たせるためという理由のほかに、カメラで写真を撮影する場面で筐体の光沢パネルに由来する光の反射が被写体に映り込まないようにとの試行錯誤を重ねた結果でもあるという。細かな所ではシャッター専用ボタンにエンボス加工を入れているので、触れてすぐに判別できるようになった。外観は色/マテリアル/フィニッシュの全面で “マーク2” からのブラッシュアップを遂げていると感じた。
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