公開日 2019/02/14 09:33
トランペッター、近藤等則インタビュー ―50年の集大成として動き出した「IMA21」―
いまなお加速する壮大なスケールの原点といま
■再び観客の前に「戻ってきた」重要トランペッター
近藤等則が熱い。70歳になったいま、彼はかつてないほどに燃え盛っているのだ。
2018年には何と12枚のアルバムを自身のレーベルからリリース。中でも注目は、1983年から93年まで活動したバンド、IMAを25年ぶりに再結成してのニュー・アルバム『Space Children』。そして2月18日に始まる「近藤等則・IMA21」としてのツアー(東京・大阪・京都・名古屋)である。
富樫春生(シンセサイザー)、酒井泰造(ギター)、山木秀夫(ドラムス)、カクエイ(パーカッション)から成る「IMA21」は、フリー・ジャズとパンク・ロックやファンク、そしてヒップホップを融合させて“国際レベルの最先端”をひた走ったIMAの進化系だ。25年という空白を感じさせないグルーヴと、ジャンルを超えた宇宙規模の音空間。メッセージ性の高い歌詞が強い印象を残す近藤のボーカルも、自由度の高いトランペットと並ぶ魅力になっている。
76年に参加した山下洋輔の『JAM RICE RELAXIN’』がデビュー盤となった近藤は、79年にニューヨークに渡り、ビル・ラズウェルらとの活動で世界的なミュージシャンとなった。帰国後の83年にIMAの前身となるTibeyan Blue Air Liquid Bandをスタートさせてからの八面六臂の活躍は多くの読者が記憶していることだろう。
ところが近藤は93年にアムステルダムに活動の拠点を移し、日本では大自然の中でエレクトリック・トランぺットの即興を繰り広げる『地球を吹く』のシリーズが主だった活動になった。テレビのドキュメンタリーや映画にもなったそれはこの人のスケールの大きさを物語る仕事だったが、観客を相手にしたものではなく、何度かのライブもあったものの、今回の新作やツアーほど “復活” をイメージさせるものはなかったのだ。
登戸のプライベート・スタジオで、まずはその辺りの事情を語ってもらった。
「93年にアムステルダムに活動の拠点を移してからも、年に4〜5回は日本に帰ってきて演ってたんだよ。でも、それは商業性とは遠いことで、『地球を吹く』に代表されるネイチャーな表現だったり……。つまりは観客を前にして演るってことは考えてなかったんだな。それは、80年代から90年代アタマのIMAバンドで演りきった感じがあったからで、その焼き直しには興味がなかったの。俺は “フリー” からスタートしてるから、 “もっと自由なことって何だろう?” と思ったのかもしれない。地球と共振・共鳴するって以上の“自由”はないだろ? それで、自分のトランペットだけで大自然と対峙する『地球を吹く』が始まったんだけど、ヨーロッパではいろんなミュージシャンとセッションしたり、レコーディングしたりしてたんだ。でも日本だとそれも商業音楽の範疇でやらないと成立しないから、業界的なつながりがほとんど切れちゃった。『地球を吹く』には別の形でスポンサーがついたりしてたから困らなかったっていう台所事情もあるんだな」
それが再び “観客を相手にプレイしたい” という意識に変わった地点はどこだったんだろう。
「うん。2012年に東大寺の大仏殿でやった東日本大震災の物故者法要演奏のときに、大仏さんから、 “おい近藤、そろそろ帰ってきて日本で演れや” って言われたような気がした(笑)。そんときに俺は、 “大仏さん、あんた700何年に建立されて千何百年もそこにおられますけど、全然トシとりませんなぁ” って返したんだ(笑)。きっかけはそれ。だから、 “18年も住んだアムステルダムから帰ってきたのはどうしてですか?” と訊かれたら、 “大仏さんに言われたからや” って答えることにしてる(笑)。冗談の中に真実があったりするんだよ」
近藤等則が熱い。70歳になったいま、彼はかつてないほどに燃え盛っているのだ。
2018年には何と12枚のアルバムを自身のレーベルからリリース。中でも注目は、1983年から93年まで活動したバンド、IMAを25年ぶりに再結成してのニュー・アルバム『Space Children』。そして2月18日に始まる「近藤等則・IMA21」としてのツアー(東京・大阪・京都・名古屋)である。
富樫春生(シンセサイザー)、酒井泰造(ギター)、山木秀夫(ドラムス)、カクエイ(パーカッション)から成る「IMA21」は、フリー・ジャズとパンク・ロックやファンク、そしてヒップホップを融合させて“国際レベルの最先端”をひた走ったIMAの進化系だ。25年という空白を感じさせないグルーヴと、ジャンルを超えた宇宙規模の音空間。メッセージ性の高い歌詞が強い印象を残す近藤のボーカルも、自由度の高いトランペットと並ぶ魅力になっている。
76年に参加した山下洋輔の『JAM RICE RELAXIN’』がデビュー盤となった近藤は、79年にニューヨークに渡り、ビル・ラズウェルらとの活動で世界的なミュージシャンとなった。帰国後の83年にIMAの前身となるTibeyan Blue Air Liquid Bandをスタートさせてからの八面六臂の活躍は多くの読者が記憶していることだろう。
ところが近藤は93年にアムステルダムに活動の拠点を移し、日本では大自然の中でエレクトリック・トランぺットの即興を繰り広げる『地球を吹く』のシリーズが主だった活動になった。テレビのドキュメンタリーや映画にもなったそれはこの人のスケールの大きさを物語る仕事だったが、観客を相手にしたものではなく、何度かのライブもあったものの、今回の新作やツアーほど “復活” をイメージさせるものはなかったのだ。
登戸のプライベート・スタジオで、まずはその辺りの事情を語ってもらった。
「93年にアムステルダムに活動の拠点を移してからも、年に4〜5回は日本に帰ってきて演ってたんだよ。でも、それは商業性とは遠いことで、『地球を吹く』に代表されるネイチャーな表現だったり……。つまりは観客を前にして演るってことは考えてなかったんだな。それは、80年代から90年代アタマのIMAバンドで演りきった感じがあったからで、その焼き直しには興味がなかったの。俺は “フリー” からスタートしてるから、 “もっと自由なことって何だろう?” と思ったのかもしれない。地球と共振・共鳴するって以上の“自由”はないだろ? それで、自分のトランペットだけで大自然と対峙する『地球を吹く』が始まったんだけど、ヨーロッパではいろんなミュージシャンとセッションしたり、レコーディングしたりしてたんだ。でも日本だとそれも商業音楽の範疇でやらないと成立しないから、業界的なつながりがほとんど切れちゃった。『地球を吹く』には別の形でスポンサーがついたりしてたから困らなかったっていう台所事情もあるんだな」
それが再び “観客を相手にプレイしたい” という意識に変わった地点はどこだったんだろう。
「うん。2012年に東大寺の大仏殿でやった東日本大震災の物故者法要演奏のときに、大仏さんから、 “おい近藤、そろそろ帰ってきて日本で演れや” って言われたような気がした(笑)。そんときに俺は、 “大仏さん、あんた700何年に建立されて千何百年もそこにおられますけど、全然トシとりませんなぁ” って返したんだ(笑)。きっかけはそれ。だから、 “18年も住んだアムステルダムから帰ってきたのはどうしてですか?” と訊かれたら、 “大仏さんに言われたからや” って答えることにしてる(笑)。冗談の中に真実があったりするんだよ」
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