公開日 2017/09/22 10:40
クアルコムの先進的デジタルアンプ「DDFA」が第二世代に進化。その詳細をキーマンに聞いた
デノン「PMA-60」にも採用
もちろん、DDFAには他にも多くの特徴がある。デジタル音声信号を、デジタルのままダイレクトに入力可能な「フルデジタルアンプ」であり、アナログが介在しないことによる音質劣化抑止は魅力だ。
一般的なデジタルアンプ製品は、デジタル信号をいったんDACでD/A変換し、再びA/D変換した後にPWM増幅する。つまり、デジタルアンプと言えども、変換による劣化、アナログ領域での劣化がつきまとう。その点、DDFAのようなフルデジタル処理なら、アナログ的な劣化要因が排除できるというわけだ。残る心配は演算誤差による劣化だが、高精度な32bit処理が可能な今は、それは杞憂に過ぎない。
■DDFAのアドバンテージ
ここまでの話も踏まえて、DDFAのアドバンテージを信号の流れに沿って整理すると次のようになる。
1、フルデジタル処理:デジタル信号を直接入力できるので、外部にDAC回路が必要ない。フルデジタルで処理を行うため、D/AやA/Dの変換を繰り返すことによる音質劣化を避けることができる。
2、LPF特性の加味:DDFAは一般的なクラスDアンプと異なり、PWM増幅された出力波形からオーディオ成分を抽出するLPF(Low Pass Filter/ローバスフィルター)が持つ非線形特性も補正可能。
3、電源の揺らぎを監視:PWM増幅では、電源の揺らぎがPWM波形にダイレクトに現れる。DDFAは電源の揺れを監視し、PWM波形を補正する機能を備える。
4、サチュレーションが無い:一般的なフィードバック技術は副作用としてサチュレーション(入力の飽和)とのせめぎあいになるが、DDFAでは差分をデジタルデータとしてフィードバックするので、原理的にそうした問題が起こりにくい。逆にサチュレーションの心配が少ない分、フィードバックの効果を高めることができる。具体的には小音量時にフロアノイズ、大音量時にヒスノイズを抑えられ、全帯域において低歪でS/Nが高い。
■第2世代DDFAのポイントと魅力
Damien氏は、第1世代DDFAに対し、第2世代のDDFAがどのように進化したのか。また結果として、第2世代DDFAを採用するセットメーカーがどのような恩恵を得られるのかについても説明してくれた。
まずはちがい。第1世代DDFAでは、デジタル信号処理部とアナログ信号も扱うフィードバック部との2チップ構成だったが、第2世代では1チップに改められた。主な狙いは、従来の優れたオーディオ特性を維持しつつ1チップ化をすることで、セット設計を行いやすくし、より広範なオーディオ製品に搭載可能とすることだった。
もちろん、1チップ化によるコストダウンという狙いもあっただろう。半導体は高価なシリコンウエハーを使用するので、チップの面積がコストを大きく左右する。比較的大きな2チップから、コンパクトな1チップに集約すると、材料費を抑えることができる。これは、メーカー側の利益率改善のみならず、消費者にもコストダウンのメリットが還元される。
これは単に製品が安くなるという意味ではなく、よりコンパクトで低価格帯の製品にもDDFAが採用できるようになり、選択の自由度が広がるということだ。また、セットメーカーは浮いたコストをDDFA以外の周辺回路に回すことで、トータルでより高音質な製品の登場も期待できる。
一般的なデジタルアンプ製品は、デジタル信号をいったんDACでD/A変換し、再びA/D変換した後にPWM増幅する。つまり、デジタルアンプと言えども、変換による劣化、アナログ領域での劣化がつきまとう。その点、DDFAのようなフルデジタル処理なら、アナログ的な劣化要因が排除できるというわけだ。残る心配は演算誤差による劣化だが、高精度な32bit処理が可能な今は、それは杞憂に過ぎない。
■DDFAのアドバンテージ
ここまでの話も踏まえて、DDFAのアドバンテージを信号の流れに沿って整理すると次のようになる。
1、フルデジタル処理:デジタル信号を直接入力できるので、外部にDAC回路が必要ない。フルデジタルで処理を行うため、D/AやA/Dの変換を繰り返すことによる音質劣化を避けることができる。
2、LPF特性の加味:DDFAは一般的なクラスDアンプと異なり、PWM増幅された出力波形からオーディオ成分を抽出するLPF(Low Pass Filter/ローバスフィルター)が持つ非線形特性も補正可能。
3、電源の揺らぎを監視:PWM増幅では、電源の揺らぎがPWM波形にダイレクトに現れる。DDFAは電源の揺れを監視し、PWM波形を補正する機能を備える。
4、サチュレーションが無い:一般的なフィードバック技術は副作用としてサチュレーション(入力の飽和)とのせめぎあいになるが、DDFAでは差分をデジタルデータとしてフィードバックするので、原理的にそうした問題が起こりにくい。逆にサチュレーションの心配が少ない分、フィードバックの効果を高めることができる。具体的には小音量時にフロアノイズ、大音量時にヒスノイズを抑えられ、全帯域において低歪でS/Nが高い。
■第2世代DDFAのポイントと魅力
Damien氏は、第1世代DDFAに対し、第2世代のDDFAがどのように進化したのか。また結果として、第2世代DDFAを採用するセットメーカーがどのような恩恵を得られるのかについても説明してくれた。
まずはちがい。第1世代DDFAでは、デジタル信号処理部とアナログ信号も扱うフィードバック部との2チップ構成だったが、第2世代では1チップに改められた。主な狙いは、従来の優れたオーディオ特性を維持しつつ1チップ化をすることで、セット設計を行いやすくし、より広範なオーディオ製品に搭載可能とすることだった。
もちろん、1チップ化によるコストダウンという狙いもあっただろう。半導体は高価なシリコンウエハーを使用するので、チップの面積がコストを大きく左右する。比較的大きな2チップから、コンパクトな1チップに集約すると、材料費を抑えることができる。これは、メーカー側の利益率改善のみならず、消費者にもコストダウンのメリットが還元される。
これは単に製品が安くなるという意味ではなく、よりコンパクトで低価格帯の製品にもDDFAが採用できるようになり、選択の自由度が広がるということだ。また、セットメーカーは浮いたコストをDDFA以外の周辺回路に回すことで、トータルでより高音質な製品の登場も期待できる。
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