公開日 2016/05/17 10:00

Netflixが考える “4K/HDRの次” とは? グレッグ・ピーターズ社長インタビュー

ローンチから半年、今後の展開を聞く
インタビュー:編集部 風間雄介
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HDRコンテンツは「HDR10」「ドルビービジョン」両方で提供

−−HDRの方式として、ドルビービジョンとHDR10を採用していますが、コンテンツごとに方式を変えているのでしょうか? たとえばコンテンツ毎に「これはHDR10のみを提供」「これはHDR10とドルビービジョンの両方を提供」などと分けているのでしょうか?

ピーターズ氏:まず、おおもとのHDRにリマスターして、それをドルビービジョンとHDR10に振り分けるというイメージです。

HDRについてくわしく説明するピーターズ氏

−−なるほど。では全てのHDRコンテンツについて、HDR10バージョンとドルビービジョンバージョンを作るという認識で良いですか?

ピーターズ氏:はい、基本的には両方をサポートします。導入タイミングは異なるかもしれませんが。要するに、お客様がどんなテレビをお持ちでも、NetflixのHDRコンテンツを見られるようにしたいのです。

−−HDRコンテンツはすべて4Kで提供するのでしょうか。それとも、2KでHDRということもあるのでしょうか。

ピーターズ氏:フルHDのHDRコンテンツも提供します。アニメ「シドニアの騎士」はフルHDですがHDRに対応します。また実写でも現在、フルHDでHDRにリマスターしているものがあります。

もちろんお客様の環境にも左右されます。我々が4K/HDRのコンテンツを提供している場合でも、ネットワークの帯域が足りない場合は、2K/HDRで配信されることもあります。


次に目指すのはハイフレームレートや色再現の向上

−−4K/HDRという点では、Ultra HD Blu-rayという新フォーマットも登場しています。どう見ていらっしゃいますか?

ピーターズ氏:物理メディアは、ビジネスモデルとして存在し続けると思います。ただしインターネットを基盤としたサービスは、技術革新を採り入れるスピードがどのメディアよりも早いです。物理メディアの場合、新しい規格ができ、それが認定され、さらにハードやソフトを買って…というプロセスが必要になってしまいます。

Netflixは2014年、すでに4K配信を始めていました。今後もどんどん新しいテクノロジーを採用していきます。またお客様にとっても、Netflixがあればディスクを1枚1枚買う必要がないので、便利ですよね。


−−4Kコンテンツのフレームレートについて伺います。いま配信しているのは4K/24pですか?

ピーターズ氏:ほとんどは4K/24pです。オリジナルコンテンツも調達コンテンツも、撮影が24pで行われているからです。もちろん技術的には、もっと高いフレームレートで提供することも可能なのですが。

−−ということは、ハイフレームレート(HFR)も次の技術的なイノベーションの候補に入っているのですか?

ピーターズ氏:はい。次に我々が目指すのは、ハイフレームレートもそうですし、色深度もあります。

我々の究極の目標というのは、目で見たものとおなじものを映し出すことです。それを実現するにはカメラや表示するディスプレイも当然必要になりますし、クリエイターの方々も関わってきますので、そこでのコンセンサスを取りながら、次にどういう方向に進むのかを決めていくことになります。


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