トム・ハンクスが実の息子と共演!スウェーデンの大ヒット映画をリメイクした感動作
サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2022年製作の『オットーという男』をご紹介します!
『オットーという男』(2022年・アメリカ)
(配信:Netflix)
デジタル配信中 ブルーレイ + DVD セット 好評発売中 5,390円(税込)
権利元:株式会社ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
発売・販売元:株式会社ハピネット・メディアマーケティング
2015年のスウェーデン映画『幸せなひとりぼっち』を、『007 慰めの報酬』や『ワールド・ウォーZ 』などで知られるマーク・フォースター監督と、主演トム・ハンクスのタッグでハリウッドリメイクしたヒューマンドラマ。規律に厳しく曲がったことが大嫌いな頑固者で、周囲から面倒な存在だと思われているオットー(トム・ハンクス)。妻を亡くしてから生きる目的を見失い、仕事も定年を迎えたある日、自らの人生に終止符を打とうとするが、向かいに越してきた騒がしい家族にことごとく邪魔をされ、中々実行することができない。どんなに罵声を浴びせても歩み寄ってくる隣人との交流を通して、次第に変化していくオットーであったが……。

最愛の妻に先立たれ、死に囚われていた偏屈な老人が、些細な出来事の積み重ねによって生きる理由を模索していく姿を通し、時に煩わしくもあり、時に救いにもなり得る“他者とのつながり”がもたらすものの価値を描いた本作。大筋は『幸せなひとりぼっち』と同じではあるものの、時代に合わせたアップデートが施されており、オリジナルとは異なる描写が盛り込まれているほか、オットーの青年時代を、俳優である実の息子、コリン・ハンクスとチェット・ハンクスではなく、撮影監督の道を志すトルーマン・ハンクスが演じている点も要チェック!

時代の変化と共に人間同士のつながりが希薄になりがちな昨今だが、人生の中で価値あることは、きっと他者とのつながりの中にしか見出せない。何もかも嫌になってしまった時、どうかこの作品を観て欲しい。きっとあなたの味方になってくれるはずだから。
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ミヤザキタケル 1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 宝島社sweetでの連載をはじめ、WEB、雑誌、ラジオなどで、心から推すことのできる映画を紹介。そのほか、イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30 人のシネマコンシェルジュ」など、幅広く活動中。 |