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【第156回】ミヤザキタケルの気軽にホームシネマ

生田斗真が殺して殺して殺しまくる!“不死身の殺し屋”の壮絶な復讐劇を見届けろ

公開日 2025/02/28 06:30 ミヤザキタケル
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サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2025年配信の『Demon City 鬼ゴロシ』をご紹介します!

『Demon City 鬼ゴロシ』(2025年・日本)
(配信:Netflix)

Netflix映画『Demon City 鬼ゴロシ』独占配信中

週刊漫画ゴラクで連載していた河部真道原作のバイオレンスコミックを、『メランコリック』『死に損なった男』の田中征爾監督×生田斗真主演で映画化。古くから鬼の伝説が伝わる新条市。愛する家族のため、足を洗うことにした凄腕の殺し屋・坂田(生田斗真)。最後の仕事を終えた矢先、「奇面組」と名乗る謎の組織に妻と娘を殺され、家族殺しの濡れ衣を着せられたまま植物状態に陥ってしまう。12年後、刑務所から出所した坂田は、奇面組の一人を目にしたことで植物状態から覚醒。最愛の家族を奪った奇面組へ復讐を果たそうとするのだが……。

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「セリフ、24個。殺したやつ、100人超え。」という本作のキャッチコピーの一文が示すように、主人公・坂田は数えるほどしか言葉を発しない。が、その佇まいや表情、そして、日本最高峰のアクションチームによって作り上げられたキレッキレのアクションシーンを通して多くを語る。というのも、坂田は凄腕の殺し屋ではあるものの、12年のブランク故に敵からの攻撃も大いに食らう。何なら致命傷レベルのダメージだって負ってしまうのだが、何度も何度も立ち上がる。普通に考えたらあり得ないことだが、愛する家族を奪われた“怒り”、絶対的な“復讐心”が彼の精神と肉体を支え、突き動かす。そこに言葉も理屈も必要なく、坂田の一挙手一投足が多くを語り、多くを信じさせてくれるのである。

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また、愛する家族が起因の復讐という設定的にも、ダメージを負いながらも戦い続けていくという戦闘スタイルからも、『ジョン・ウィック』シリーズを彷彿とさせる本作だが、それでいてオリジナリティに溢れているのは、随所に日本ならではの文化的要素がふんだんに盛り込まれているからに他ならない。それもこれも、世界中の人々の目に触れるプラットフォームで戦う作品だからこそ必要なことであり、クリエイティブに力を注ぐNetflix映画だからこそなせる技。「復讐」という題材的に、大まかな物語の道筋は読めてしまうが、目にする者を退屈させない意外性の数々や、息つく暇を与えないアクションシーンのオンパレードに、あなたの心は釘付けになってしまうことだろう。

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※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。

ミヤザキタケル
1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 宝島社sweetでの連載をはじめ、WEB、雑誌、ラジオなどで、心から推すことのできる映画を紹介。そのほか、イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジュ」など、幅広く活動中。

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