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【第30回】ミヤザキタケルの気軽にホームシネマ

香取慎吾×白石和彌監督!ろくでなしのギャンブル狂に訪れる“喪失”と“再生”の物語

2022/09/30 ミヤザキタケル
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サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2019年公開の『凪待ち』をご紹介します!

『凪待ち』(2019年・日本)
(配信:Amazon Prime Video / U-NEXT / hulu / dTV)

『凪待ち』Blu-ray豪華版:7,480円(税込) / DVD豪華版:6,380円(税込) 発売元:キノフィルムズ/木下グループ  (C) 2018「凪待ち」FILM PARTNERS

『凶悪』『孤狼の血』などで知られる白石和彌監督が、香取慎吾を主演に迎えて描くヒューマンサスペンス。会社を解雇され、恋人である亜弓(西田尚美)とその娘・美波(恒松祐里)と共に、亜弓の故郷・石巻で再出発を図る郁男(香取慎吾)。印刷所で真面目に働き出したのも束の間、再びギャンブルに手を染めてしまう。その矢先、亜弓が何者かに殺害されてしまうのだが…。

「変わりたい」と願っても、人間はそう簡単に変われるものではない。年齢を重ねてしまっていればいる程に、そのハードルは自ずと高くなる。再起の機会を何度も与えられながらも、尽く棒に振ってしまう郁男。その姿に共感を覚えるか否かは人それぞれだが、一度でも変化を望んだ経験がある人ならば、身動きが取れず苦しんだ経験がある人ならば、きっと彼が抱える葛藤や痛みに寄り添うことができるはず。

多くを間違えて絶望し、ドン底へと至った男が新たに踏み締める一歩。その一足を見届けて頂きたい。お茶の間で見せる陽気な慎吾ちゃんのイメージとは打って変わって、ギャンブル狂の愚か者を見事に演じる俳優・香取慎吾。大スターながらも市井の人々を繊細に演じ切るその確かな演技力を堪能できる一本です。

(C)2018「凪待ち」フィルムパートナーズ
※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。

ミヤザキタケル
1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 WOWOW・宝島社sweet・DOKUSOマガジンでの連載のほか、ラジオ・配信番組・雑誌などで映画を紹介。イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジュ」など幅広く活動中。

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