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【第27回】ミヤザキタケルの気軽にホームシネマ

漂流先で出会ったのはオナラする死体だった。奇想天外な青春サバイバルアドベンチャー!

公開日 2022/09/09 06:30 ミヤザキタケル
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サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2016年製作の『スイス・アーミー・マン』をご紹介します!

『スイス・アーミー・マン』(2016年・米)
(配信:Amazon Prime Video / dTV)

『スイス・アーミー・マン』ブルーレイ: ¥5,170 (税込)/DVD: ¥4,180 (税込) 発売元: カルチュア・パブリッシャーズ 販売元: ポニーキャニオン

サンダンス映画祭にて最優秀監督賞を受賞した、ダニエル・シャイナートとダニエル・クワンからなるクリエイティブ・デュオ「ダニエルズ」監督作。無人島に一人取り残され、自殺を図ろうとしていた青年ハンク(ポール・ダノ)の前に流れ着いた男の死体(ダニエル・ラドクリフ)。腐敗ガスによってオナラをし続ける死体にまたがり、ジェットスキーのように海原へと発進。ハンクと死体の奇妙な冒険が始まった…。

タイトルの「スイス・アーミー・マン」とは、スイスの兵士を指しているわけではなく「スイス・アーミー・ナイフ」の意。つまりは十徳ナイフの人間版であり、10個の機能を持つ死体のことである。そんな不可思議な役を『ハリー・ポッター』シリーズでおなじみのダニエル・ラドクリフが演じている点に目が行きがちだと思うのだが、注目して欲しいのは映し出されていく人間模様にある。

(C)2016 Ironworks Productions, LLC.

死体と共に故郷を目指すハンクの旅路は、己自身と向き合う心の旅路。死体が突然しゃべり出したりと、描き方が終始トリッキーであるため賛否両論分かれる作品でもあるのだが、死体であるメニーとの心の交流を通して変化していくハンクの姿にこそ、本作の真の魅力が詰まっている。

(C)2016 Ironworks Productions, LLC.
※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。

ミヤザキタケル
1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 WOWOW・宝島社sweet・DOKUSOマガジンでの連載のほか、ラジオ・配信番組・雑誌などで映画を紹介。イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジュ」など幅広く活動中。

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