HOME > レビュー > ジェイク・ギレンホールの怪演が光る!他人の“破滅”の瞬間に現れるカメラマンの狂気

【第25回】ミヤザキタケルの気軽にホームシネマ

ジェイク・ギレンホールの怪演が光る!他人の“破滅”の瞬間に現れるカメラマンの狂気

公開日 2022/08/26 06:30 ミヤザキタケル
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2014年製作の『ナイトクローラー』をご紹介します!

『ナイトクローラー』(2014年・米)
(配信:Amazon Prime Video / U-NEXT / hulu / dTV)

『ナイトクローラー』2,200円(税込) 発売元:カルチュア・パブリッシャーズ 販売元:ギャガ

『キングコング:髑髏島の巨神』などの脚本を手がけるダン・ギルロイの初監督作品。定職もなくうだつの上がらない生活を送っていたルー(ジェイク・ギレンホール)は、ひょんなことからTV局に悲惨な事件・事故現場の映像を売るカメラマンの仕事に興味を持つ。早速ビデオカメラを手に入れ、夜のL.A.を車で駆け回り始めたルーは、より過激な映像を撮るべく一線を越えていく…。

(C)2013 BOLD FILMS PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

何もかもが上手くいっていない時に、一筋の光明を見出せたのなら、誰だってそれにすがりたくなってしまうもの。巧みにハッタリを効かせ、着実に金と仕事を得るのと同時に、やりがいさえも見出していくルーの行動力や決断力には目を見張るものがある。だが、それも境界線を越えてしまうまでの話。とはいえ、綱渡りのような生き方を選ぶルーの狂気性からは目を離せず、彼らのような人物が撮った写真や映像に踊らされている僕たちがいるのもまた事実。

(C)2013 BOLD FILMS PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

より高みを目指すのであれば、大なり小なりリスクは必ずつきまとう。あらゆるリスクを承知で狡猾に突き進んでいくルーの姿は、どこか清々しくもあり、ダークヒーローのようにさえ見えてくる。そう、彼が構えるカメラは、僕たちの心に潜む欲望をもあぶり出す!

(C)2013 BOLD FILMS PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。

ミヤザキタケル
1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 WOWOW・宝島社sweet・DOKUSOマガジンでの連載のほか、ラジオ・配信番組・雑誌などで映画を紹介。イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジュ」など幅広く活動中。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE