【連載】ガジェットTIPS

SDカード、“高耐久モデル”は何が違う?

海上忍
2020年06月29日
SDカードやmicroSDカード(以下、SDカード)を選ぶときの基準といえば、価格を除くと「速度」と「容量」。カード表面には、容量やスピードクラス、バスインターフェースなどの情報が記載されていますから、その両方を判断できます。しかし、「耐久性」となると...カード表面を見てもわかりません。

SDカードはNAND型フラッシュメモリの一種で、現在流通している製品は1つのセル(フラッシュメモリを構成する素子)に保持するデータが1ビットか、2ビット以上かに分類できます。前者は「シングルレベルセル」、後者は「マルチレベルセル」と呼ばれます。

近年発売のSDカードは、大容量化に伴いTLCを採用する製品が増えています

民生用SDカードはほとんどがマルチレベルセルで、セルあたりのデータ容量が2ビットの「MLC」、3ビットの「TLC」で占められます。シングルレベルセルに比べ安価に設定できるものの、セルに劣化が発生するとデータに悪影響を及ぼしやすく、書き換え頻度の高い環境での利用、長期間の利用には不向きとされます。

シングルレベルセルはセルあたり1ビットと容量コストで不利ですが、構造が単純なため高速に動かしやすく、安定して読み書きできるため長寿命です。TLC/MLCと比べ高価なものの、絶え間なくデータを書き込む、可能なかぎりダメージを避けたい重要なデータを保存するといった、信頼性が重視される産業用でニーズがあります。

近年発売のSDカードは、大容量化に伴いTLCを採用する製品が増えていますが、高耐久性をうたう製品ではMLCも利用されています。TLCより記録密度が低いMLCはそのぶんセルへのアクセス回数が少なく済むため、耐久性が向上するからです。特に、ドライブレコーダーや監視カメラ用とされる製品はMLCが多く、パッケージにもその旨が記載されています。

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