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【連載】ガジェットTIPS

iPhoneの写真は「HEIF」「JPEG」どちらを選ぶべき?

2020/06/11 海上忍
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スマホの写真、JPEGですか? HEIFですか? JPEGは知っているけどHEIFは知らない、という人も少なくないはず。HEIFで撮影できる端末は、AndroidではGalaxy S10/S10+くらいなものですが、iPhoneではいまやデフォルトの写真フォーマット。Android陣営でも、撮影には対応しなくても表示は可能、という端末が増えています。

この2つのフォーマットの違いは、データ圧縮率にあります。HEIFでは、コーデックとして「HEVC」を採用、JPEGの2倍近い圧縮効率を発揮します(HEIFそのものはコンテナ/器に近い存在)。かんたんにいうと、半分のデータ量で同じ画素数の写真を保存できるのです。

WWDC 2017にて発表時のキーノート

となればHEIFを選ぶことが合理的な判断といえますが、JPEGもHEIFも圧縮時にオリジナルの情報を失う非可逆圧縮(ロッシー)のフォーマットですから、画質重視という観点からは異なる結論が導き出されるかもしれません。

どちらが画質に優れるかを検証することはかんたんではありませんが、テストチャートのようなモノクロのベクターグラフィックスでは、HEIFが断然有利です。最低品質で書き出すと、JPEGでは盛大にブロックノイズが発生するところ、HEIFはオリジナルに近い繊細さを保ちます。

風景写真も、青空の微妙なグラデーションはHEIFに軍配が上がります。RAWで撮影した写真をMacの「プレビュー」を使い、HEIFとJPEGそれぞれに最低品質で書き出したところ、両方にバンディングノイズ/色ノイズが現れたものの、HEIFのほうが穏やかでした。

実際には、JPEGのほうがオリジナルに近い精細さを感じさせることもありますが、スマホの写真は手軽さが身上。サイズが約半分にもなるHEIFのほうが扱いやすいといえるのではないでしょうか。

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