HOME > レビュー > 「Fire TV Stick」や「Chromecast」、なんで外部電源が必要?

【連載】ガジェットTIPS

「Fire TV Stick」や「Chromecast」、なんで外部電源が必要?

公開日 2020/06/12 06:40 海上忍
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
テレビのHDMIポートに挿して使うデバイスが増えています。マッチ箱程度の大きさながらネット動画アプリを楽しめる「FireTV Stick」や「Chromecast」は、挿すだけでテレビが “スマート化” します。挿すだけ...いいえ、よく見れば外部から電力を調達しているはずですよ。

パソコンやスマートフォンでお馴染み、USBの感覚でいうと、挿したポートから電力供給を受けられそうなものです。確かに、USBには「バスパワー」という規格があり、USB 2.0では2.5W(5V×500mA)、USB 3.0では4.5W(5V×900mA)が確約されるため、低消費電力の周辺機器であれば外部電源なしに駆動することが可能です。

Chromecast

しかし、HDMIは違います。HDMIでは、ソースから5Vの電力を出力できますが、シンクからは出力できません。ここでいうソースとは、ビデオレコーダーとテレビの関係でいうと、ビデオレコーダーのこと。つまり、ビデオレコーダー側から電力を供給できても、テレビ側からは供給できません。

この関係をFireTV StickなどのHDMIポートに挿して使うデバイス(仮にHDMIガジェットとします)に置き換えると、HDMIガジェット側からテレビに電力を供給することは◯、テレビからHDMIガジェットに電力を供給することは×、となります。HDMIガジェットには、ACアダプタなど外部から電力を調達しなければならないのです。

ところで、HDMIのソース機器から出力する電力は、規格上は5V/55mAというごくわずかなレベルです。これはHDMIケーブルのホットプラグ(活線挿抜)を判定したり、シンク機器側のEDID ROM(対応する解像度やリフレッシュレートなどの情報が記録されたROM)にアクセスしたりするにはじゅうぶんですが、USBのように周辺機器を駆動することは想定されていません。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE