【連載】ガジェットTIPS

人気の「スマートタグ」、不在を特定など悪用の危険性も

海上忍
2020年01月06日
「スマートタグ」や「アイテムトラッカー」などと呼ばれる、忘れもの防止をうたうタグ状の製品が売れています。財布や鍵など大切なモノとひとまとめにしておけば、紛失防止に役立ちます。

そのしくみはさまざまですが、Bluetoothを使いスマートフォンとのおよその距離を測定する、埋め込まれたGPSチップにより現在位置を特定する、という製品が大半を占めています。

「スマートタグ」や「アイテムトラッカー」などと呼ばれる、忘れもの防止をうたうタグ状の製品が売れています。

そのうちBluetoothを使う製品は、ほぼすべてが「BLE(Bluetooth Low Energy)」を利用しています。

BLEは、Bluetoothイヤホンなどに使われるクラシックBluetooth(Bluetooth 3.xまでに対応した機器)と異なり、ごくわずかな消費電力で動作するため、充電や電池の交換を意識する必要がありません。いまどきのスマートフォンはBLEに対応しているので、状態を調べるためのアプリも容易に開発できます。

BLE機器には「ブロードキャスト」と「コネクション」という2つの通信方式があり、前者の場合不特定多数の通信相手に対しデータを発信し続けます。ペアリングなど事前登録作業の必要なしにデータを受信できるため、機密性の高い通信には適していませんが、スマートタグのような使いかたにはぴったりです。

しかし、このBLEを利用したスマートタグには悩ましい一面もあります。電源をON/OFFすることは想定されておらず、つねに機能した状態、つまり「自身の存在を周囲に知らせ続けている(アドバタイズ)」状態にあるからです。

考えてみましょう。アパートやワンルームマンションのような隣家と壁1枚という場所で、アプリを利用するなどしてBLEのアドバタイズパケットをチェックしたら...スマートタグと思しきBLEデバイスを検出できれば持ち主は在宅、できなければ不在とわかります。

隣り近所にどんな人が住んでいるかわからないこのご時世、ぞっとしますよね。ダミーのスマートタグを自宅に置いたままにして目くらましするなど対策はあるものの、利便性と背中合わせにある危険性にも意識すべきかもしれません。

周囲のBluetooth機器を表示できるアプリも存在します

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