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スマホの「HDR」とテレビの「HDR」は同じ? それとも違う?

海上忍
2019年08月06日
スマートフォンのカメラ機能で目にする「HDR」。そういえば、最近のテレビやビデオプレーヤーにも「HDR」という機能があります。テレビにカメラ機能があるわけではないし、よく考えれば気になりますよね。

この2つのHDRは、いずれも「High Dynamic Range」の略であり、より幅広い輝度情報を持つという意味では同じです。しかし、両者は処理の対象と規格/フォーマットが異なります。

いずれも「High Dynamic Range」という名称は同じですが…

スマートフォンの静止画カメラ機能でいうところのHDRは、静止画像の合成機能(High dynamic range rendering)です。シャッターを切ったとき露出の異なる複数の写真を撮影し1枚に合成することで、明部/暗部それぞれの階調を残しつつ白トビや黒つぶれの少ない静止画を実現します。最終的にはJPEGやHEIFなど既存の静止画フォーマットとして記録されるため、どのようなデバイスでも表示できることがポイントです。

一方、テレビやビデオプレーヤーでいうところのHDRは、ディスク/動画配信や放送で採用されている映像フォーマットを指します。スマートフォンのように撮影を伴わず、従来の映像より豊富な輝度情報を持つ映像ストリームを再生するためのもので、規格としては「HDR10」や「HLG」などがあり、表示するためには対応ハードウェアが必要です。

つまり、写真/カメラ機能でHDRという場合は静止画像の合成機能を、ディスク/動画配信や放送でHDRという場合は映像フォーマットを指す、ということになります。どちらも広い輝度幅を目指すという点では同じですが、似て非なるものと理解しましょう。ただし、最近ではHDR動画の撮影や、HDR映像の表示に対応したスマートフォンも増えつつあります。

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