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次はAirPlayがオープンソース化? アップル「開放戦略」の今後を予測する

公開日 2019/01/16 06:00 海上忍
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アップルはiPhone/iPadに、AVコントローラとしての役割も担わせたいようだ。VODサービスが扱うドラマシリーズの再生をSiriに命令したり、iPhoneのロック画面に表示された操作パネルで再生/停止したり、テレビのリモコンなしに使えてしまう。

ただしアップルはtvOSをテレビのファームウェアとして提供したわけではないので、Google Assistantを直接呼び出せる(Android OS採用の)テレビとは立場を異にする。メディア再生という車軸の中心にはあくまでアップルの技術を、というスタンスなのだろう。

その証拠が、定番メディアプレーヤーアプリ「VLC」でのAirPlayのサポートだ。Variety誌がVLCを率いるJean-Baptiste Kempf氏に訊いたところによれば(元記事)、VLCは近々Anroid版でもAirPlay(映像)の送信機能をサポートする予定だという。このコメントの意味するところは、前述したAVコントローラ役にAndroid端末が加わるということだ。

AirPlayの送信機能が「VLC」でサポートされるということは……

VLCがAirPlayに対応するということは、AirPlayの送信機能がオープンソース化される可能性が高いことを意味する。VLCはGPL3準拠のオープンソースソフトウェアであり、動的にリンクしたプログラムとしてAirPlayが実装されるのであれば、AirPlay部分のソースコードも公開されなければならないからだ。過去にGPL違反を指摘されApp Storeからアプリを取り下げた(著作権問題を解決し復活するまで約2年を要した)経験もあることから、彼らがこの判断を誤ることはないだろう。

ただし、AirPlayの送信機能がオープンソース化されても、NetflixなどのVODアプリにそのまま採用されるとは考えにくい。映画やドラマの著作権侵害に備え暗号化されていた通信経路が、オープンソース化されるとどうなるか。この部分は実際にアプリが公開されなければわからないが、暗号化機能を備えたプロプライエタリ版が用意されるのかもしれないし、著作権保護されていない映像のみ転送可という結果で終わるのかもしれない。いずれにせよ、今後の「AirPlay対応アプリ」に注目だ。

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