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8K/4K放送までのショート・アンド・ワインディング・ロード

公開日 2013/03/27 10:17 編集部:風間雄介
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昨年公開された、NHKとパナソニックが共同開発した145インチのスーパーハイビジョンPDP
フルHDを遥かに凌駕する画素数を持つ4Kや8K放送。総務省は、これらの超高画質放送の開始時期を大幅に前倒しする方針を固めた。今後の予定に関する情報を整理するとともに、8K/4K放送開始への課題も挙げていく。

■従来の予定を数年程度前倒し「奇跡のようなスケジュール」

「奇跡を起こそうというのに等しいスケジュール」。日本テレビ幹部が洩らした言葉が、いかに困難なことかを物語る。2月28日に開催された総務省主催「放送サービスの高度化に関する検討会」第2回会合において、2020年にも8Kのスーパーハイビジョン本放送を開始する方針が示された(関連ニュース)。

スーパーハイビジョンについてはこれまで、NHKが2020年に実証実験を開始するというスケジュールを発表していた。今回の提案は、これを数年前倒しする非常に野心的な計画となる。会合のほかの出席者からも口々に「非常にアグレッシブなスケジュール」という感想が出るなど、従来の感覚からすると常識外れともいえるタイトな計画だ。

今回の方針を決定したのは、検討会の中で8K/4Kについて話し合うワーキンググループ。このスケジュールの報告に至るまで、それまで3回の会合を開き、綿密な検討を行ってきたという。

■14年に4K、16年に8K。ビッグイベントにあわせて放送開始

大幅な前倒しという決断に至った背景にあるのは、日本の競争力を失ってはいけないという思いだ。韓国メーカーや中国メーカーなどの台頭により、日本メーカーはグローバル市場におけるテレビ販売で苦戦している。スーパーハイビジョンを前倒しすることで技術開発のスピードを加速させ、次世代テレビ市場で日本が世界をリードすることがねらいとしてある。

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