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「スマートテレビ」時代は本当にやってくるか

公開日 2011/08/01 13:02 編集部:風間雄介
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■スマートテレビは本当に普及するのか?

とは言え、本当にスマートテレビが普及するのか、その方向性が正しいのか疑問という方も多いだろう。実は筆者もその一人だ。スマートテレビが普及するためにはいくつかの条件がありそうだが、現状の、あるい今後登場するスマートテレビ製品が、これらの条件をクリアするかどうか確信が持てないからだ。

スマートテレビが普及のための条件はいくつも考えられる。先に、筆者が考えるスマートテレビの要件を挙げたが、これらをカバーするのは最低限必要になるはずだ。

つまり、魅力的なアプリマーケットを持ち、そこから提供されるアプリが滑らかに動く処理性能を備える必要がある。さらには多機能さを十分に活用できるインターフェースも重要だ。もちろん、これらの機能を備えた製品が高くては市場に受け入れられにくい。なるべく安価に提供することも重要になってくる。

だが、これらの条件を満たすだけでは、まだ足りない。上記をクリアするだけならスマートフォンやタブレットで事足りるし、スマホやタブレットの映像をワイヤレスでテレビに送信する方がよほど効率的だからだ。

スマートテレビが消費者からの支持を集めるためには「スマートデバイスの映像を映し出すテレビ」ではなく、「テレビ自体がスマートになる意義」を付加価値として認めてもらえるか、それを認めさせるだけの製品やサービスを開発できるかが重要になってくる(もちろん、スマホ/タブレット連携機能をもって「スマートテレビ」と言うのであれば、それはそれで話は別だ)。

「テレビ自体がスマートになる意義」と言葉で言うことは簡単だが、これはそれほど容易なことではない。スマートフォンやタブレットでは不可能で、テレビでしかできないことというのは、それほど多くない。すぐに思いつくのは、大きなサイズで画面を見られることくらいだろうか。

たとえば放送やVOD、動画共有サイト、録画した番組を一括検索できたら大変便利で、Google TVはそれが行えるというのが当初の売り文句だった。だがこの機能には、Google TVが各サイトのコンテンツにタダ乗りしているという批判が相次ぎ、情報提供を拒むサイトが続出。せっかくの検索機能が活かされていない。そもそもこの機能も、スマートテレビでなければ実現できないものではない。タブレットにアプリとして同じようなサービスを用意することは造作もないだろう。



一部に、テレビは大型のディスプレイと(有り様として)変わらなくなる、という見方もある。映像ソースがますます多様化している昨今では、すでにそうなりつつあると言った方が正確かもしれない。

スマートテレビが普及するためには、アップルがiPhoneやiPadを通して現在のスマートフォンやタブレットの流儀を規定したように、ある一つのプラットフォームが先行して革新的なサービスや製品を作り上げ、儲かることを示すのが一番の近道だ。もしiPhoneが存在しなかったら、Androidもいまとはまったく別の進化をしていたはずだ。

iPhoneは様々なメーカーから模倣されたが、模倣が繰り返されたことも爆発的なスマートフォンブームの一助となったはずで、真似されるのはアップルにとって悪いことばかりではなかっただろう。当初は一社が先行するかたちになっても、そこに消費者が集まってお金が集まれば、必ず第二、第三の競合プラットフォームが現れ、結果的にそのカテゴリー全体が拡大するはずだ。

今後、どこがブレークスルーとなる製品やサービス、プラットフォームを作り上げるのだろう。それともそういう存在は今後も現れず、小規模なプラットフォームが乱立した後、いずれ萎んでいくのだろうか。現在のところ、答えはまだ霧の中だ。

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