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「スマートテレビ」時代は本当にやってくるか

2011/08/01 編集部:風間雄介
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「スマートテレビ」という単語を聞く機会が次第に増えてきた。まだ日本ではスマートテレビという言葉を前面に打ち出して訴求している製品はないが、世界を見渡すとサムスンやLG電子が先頭に立ち、スマートテレビという言葉をさかんにアピールしている。

■テレビは「家庭の中心」か

この動きは、各社テレビ事業の収益性が極端に落ちている現状と切り離すことはできない。販売台数で世界2位〜3位を争っていたソニーは7月末、「売れば売るほど赤字になる」として、今後は台数を追わず、収益性を重視することを発表した(関連ニュース)。

同社のテレビ事業は以前から赤字が続いていたが、同社はこれまで、テレビ事業単体では大きな利益率を目指していないと公言してきた。

たとえば今年5月にも、業務執行役員 SVPの神戸司郎氏は「テレビは家庭の中心にある」重要な機器であり、「全体の戦略の中の大きな要素としてテレビを位置づけている」と述べていた(関連ニュース)。テレビは様々な機器をつなげる中心の製品であるため、それほど儲からなくても良いという“特別扱い”を認めていたのだ。それからわずか2ヶ月程度で、台数を追わず収益性を重視する方針に転換した意味は大きい。

たしかに、テレビはリビングなど、物理的な「家庭の中心」に置かれる場合が多い。だが最近では、テレビが真の意味で家庭の中心として機能する場面が減ってきている。家族一人一人の中心にあるのはスマートフォンやタブレット、あるいはPC。そういう時代が到来した。

テレビ事業で苦戦しているのはほかのメーカーも同じだ。世界や国内のシェアで上位のメーカーでも利益は僅かで、部門別では赤字が続いている企業も多い。

テレビが急速にコモディティー化する中、それに抗い続けなければ、価格競争による単価下落に巻き込まれ、収益がますます下がっていく。この状況を抜け出すためには、テレビの魅力をもう一度問い直す必要が出てくる。こういった背景のもと、一つの有力なアイデアとしてクローズアップされているのが「スマートテレビ」というキーワードだ。

言わば各社のスマートテレビへのチャレンジは、テレビをもう一度、真の意味での「家庭の中心」に復権させる試みの一つと位置づけられる。

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